早期退職の50オヤジ、再就職する!?

こんにちは、赤鬼です。コロナ禍に50歳で早期退職しました。

その後、旅行業未経験のまま資格を取ったので旅行会社経営を始めました。
企業経営はもちろんのこと、さらには営業経験も無い僕です。
無い無い尽くしで起業した割に、現在3年を経過しましたが生き延びてます。

僕の場合は家のローンが終わり、子供たちも成人しており、かつ妻が正社員で働いているという環境。今までは僕が家族を扶養している形でしたが、そういった肩の荷を下ろし、家計は妻に支えてもらいつつ好き勝手させてもらってます。

資金は退職金。500万円ほどを僕が自由に使わせもらう事にしました。
なので、起業条件としてはまぁまぁリスキーではあるものの、生活面は無茶はしてないのです。最悪ダメでも退職金からの500万円がなくなるだけです。

一応稼ぎがあろうとなかろうと毎月7万円を家計に振り込んでます。
ちなみに僕自身は実質無給。

会社の売上はちょっとずつは伸びてはいてなんとか3年続けられたものの、食えるほどとはまだ言えず、役員報酬も上げられないままの低空飛行です。
そろそろ僕個人の口座残高がヤバくなってきた…。

この夏、色々と考え…
会社としてではなく、個人で派遣会社に登録することにしました。
つまり再就職です。
会社の売上が足りない分を補い、個人の収入の足しにしようという考えです。

会社はもちろん経営しつつ、並行してツアーコンダクターとして働くことにしました。
元々資格は取ってましたし、ツアーコンダクターなら旅行会社の事業にも役立ちます。また派遣なので空いてる日だけ働く事が出来るので僕にとっても都合が良いのです。
周囲にも起業したての時期はアルバイト等で収入を助けながら夢を追っている人はたくさんいますから。

ネットで派遣会社を探して面接を申し込み、久々にスーツ着て履歴書も用意しました。
面接はあっさり通過。
あれよあれよと実地研修も済ませ、気がついたらツアコンデビューしてました。

前職辞める前の肩書は部長。今やペーペーの新人アルバイト社員です。
今の世の中、60歳前後で定年延長や再就職となり、ほとんどのサラリーマンはそれまでの肩書は消えてなくなり、イチからのスタートに戻ります。
新しい環境への切り換えができないと「なんで俺がこんな事を…」みたいな気持ちになることは多いでしょう。特に出世が早くて役職付き生活が長かった人はより苦労しそうです…。

そんな人にこそ、小さな起業をメインにしつつ、アルバイトも並行して収入の保険をかけておくのもありだと思います。
今いる会社が副業オッケーなら、会社を辞めずに週末起業が良いでしょう。
副業NGなら、事業への時間を多めに取りつつ、アルバイト等の比較的時間の自由度の高い働き方をして、無収入を防ぐという戦略です。
そうすればアルバイトも自分の起業の夢を支えるための手段ということになり、気持ちは随分前向きになれます。

ま、そんな感じで再就職してみました。
ユニクロで安いスーツを調達し、久しぶりにクールビズ姿で電車に乗り街を歩く…。なんでだろう、この囚われた奴隷感…。
退職前までは当たり前だったのに、この3年ですっかり自分の感覚が変わってしまっていることに気がついた。
見る人見る人同じ格好で歩いてる。誰も幸せそうに見えない。きっと僕よりも年収高い人なんてザラにいるだろうに…。

多分会社を辞めた僕はどこかでサラリーマンという立場に対して優位的な目線を持つようになってしまっているのかもしれません。決して優位でも何でもないのですが、そう思うことで今の立場を正当化しようとしているのでしょう。
ところが以前と同じ格好をしている僕が今街に立っている。周囲のサラリーマンを見て幸せそうに見えないと思ったのも、それは再就職を選んだ自分自身に対しての思いなのかもしれません。

3年間の経営者生活を経て、僕はすっかり変わってしまった。

ある個人事業主だった方から「君は元サラリーマンだ。きっと事業で上手くいかなくても再就職して会社勤めもできる人だ。自分の商売しかしたことない人は会社勤めはなかなか難しい。そこは君の強みでもある」と言っていただいた事があります。
そんなもんかなぁ…なんて思って聞いてましたが、確かに今このような状況になると理解できます。
しかし、一度知ってしまった自由。勤め人への対応は過去の経験ですんなりできたとして、何も考えずに会社勤めの環境を受け入れることはできなくなってしまったようです。
きっと長くは続けられない。

ひとまずはせっかく採用頂いた会社にお役に立てるように経験と力を付けて、さらには自分の事業で食っていけるようになるまでは、観光業界のプロを目指す大切な時間だと思いつつ頑張ってみたいと思います。

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