早期退職の50オヤジ、添乗員になってみて思ったことを書く2
こんにちは、赤鬼です。コロナ禍に50歳で早期退職しました。
前回の記事はこちら
添乗員の仕事には大きく分けて、
①打合せ
②ツアー本番
③精算
の三段階があります。
①の打合せは、旅行会社から添乗員への仕事の引き渡しです。会社によって違うと思いますが、今回の旅行会社の場合は何十人という添乗員たちが詰める大部屋で、旅行会社の窓口から呼び出されて資料やタブレットを受け取り、それらを受け取ったら各資料等に書いてあることを隅から隅まで目を通して、ツアー内容、参加者の人数、要望等確認し、バス会社や立ち寄り施設への確認連絡を入れていきます。その際に旅行会社から受け取った指示や行程通りのツアー運営が可能かを改めてチェックしていくのです。
えっ、それって旅行会社の役割ではないの?って一瞬思いますが、添乗員が当日自分が困らないように行うものということだそうです。
②ツアー本番当日は、お客様の受付、旅程の管理、各施設への支払い、トラブルの際の連絡相談等、ありとあらゆる現場での対応を旅行会社に成り代わって行います。もちろん判断は一人で行う訳ではなく、トラブル発生の場合などは旅行会社と状況に応じて適切に連絡を取りつつ、ツアーが無事に終わるまで最前線に立って対応することが求められます。
③最後は精算。
これはそのまま、添乗金(現地で現金払いするために旅行会社から預かったお金)を精算し、日報を提出したりすることです。
会社ごとに作法があると思われます。
この一連の流れを覚え、各手順の中にある細かいローカルルールにも対応し、ようやくひとつの案件が終わるのです。
ここまで添乗業務の簡単に流れを解説してみました。
旅行会社の規模や扱っている本数にもよるかと思いますが、概ねどこもこの流れで仕事が進むそうです。
でね、添乗員やってみて今の僕が思っていることなんですが、業務の負担感に対して賃金が釣り合ってない気がしてます。
派遣と言っても今じゃ色んな業界の仕事があると思うので、どこも派遣なんてそんなもんだって言われるかもしれませんが…。ただ僕の正直な感想として、これは大学生のアルバイト程度の時間給でできるレベルとは思えないのです。
派遣添乗員の場合は新人でもたった一人で40名以上のお客様の前に立ち、ツアーがスムーズに進むように現場では臨機応変な判断が求められ、時間外での準備がや個人の努力が仕事のクオリティ上必要とされます。
派遣だから本人の努力なんて無くていいとは思いません。どんな仕事だって一生懸命やるべきだと思います。
としても安いように感じるのです。
正社員なら新人が一人前になるまでは、先輩社員と一緒に経験を重ね、仕事の流れをつかみ判断力を養います。半人前なので給料が安いのは仕方ありません。
ところが派遣添乗員の場合は、半人前でも一人前と同じ業務とクオリティを求められる環境で働きます。
長年添乗員をされている方が言うには、
◯一回の添乗で打合せ+本番+精算と時間給が出る。
◯ツアー当日は渋滞で解散まで長引けばバスに座っているだけで時間給が増える。
◯ご飯はツアーで提供されるから飯代が浮く。
◯タダで色んなところへいける。
◯タダで色んな施設に入ることができる。
◯ツアー入りまくると家に帰らないから光熱費もかからない…などなど。
こんなところが添乗員のメリットだそうです。
う〜ん…前向きというか後ろ向きというか…。
派遣で働いたのって大学生の時以来なので、他の派遣仕事の状況は知らないのですが、他と比較したら添乗員は魅力的に感じるのかもしれませんね。
ただ旅行業界を知るという点ではとても勉強になってます。
国内旅行業務取扱管理者の資格取るのに、旅行業法の勉強はしましたが、実際にそれらの法律の運用面において、旅行業界の中でどのように現場で落とし込まれているか、実際に自分でツアー商品を提供する側として振る舞う際に何に注意すべきか等、机上ではない現場の感覚が身につきます。
50歳過ぎの旅行業未経験オヤジなんて、普通は雇ってはもらえないはずなので、こんな形でも旅行業界の経験をさせてもらえるのはとても感謝です。
実際、添乗員って厳しくて大変だけど、ツアー終了後お客様に書いてもらうアンケートの結果が良かったときは、その喜びを独り占めできる感覚になります。そんな充実感のある仕事、それが添乗員でした。