早期退職の50オヤジ、旅行業を知る

こんにちは、赤鬼です。コロナ禍に50歳で早期退職して旅行会社を立ち上げました。

ちなみに前職は全く旅行関係でも観光でもありません。
サイクリングツアーやるのに旅行業登録あったほうが良いよね? くらいの感じでとりあえず資格取ろうとなり、取れちゃったので勢いで会社辞めて、そして会社作りました。
作る前に未経験でも旅行会社を始められるというセミナーは受講しました。◯万円するマアマアなお値段のセミナーでしたが、裏側までしっかりと見せてくれて、大体の雰囲気は掴めた気はしてました。取り急ぎの上っ面の知識は揃えてまずはやってみた、という感じ。資格持ってる人と登録のお金があれば旅行会社は作れてしまいます。

とはいえ…
実戦経験無しでは細かいところや配慮すべきところはわからず不安が残るまま。やはり旅行実務経験の無さは積極的に売るというスタンスにも繋がらず、資格や登録に支払った費用も宝の持ち腐れです。サイクリングツアーについては多少語れても、通常の旅行商品については資格があるだけのペーパードライバーでは何も語れません。
実際に起業してから3年経ちましたが、旅行業登録の強みを生かせていないのが実情です。売上のほとんどはサイクリングツアー。それはそれでいいのですが、今の売上くらいなら旅行業登録なくてもできただろうと思います。

実はサイクリングツアーを行うだけなら資格は特に必要ありません。
旅行業登録が無いとやってはいけないのは、利益を得てバスや公共交通を手配する、宿を手配することとなります。
サイクリングガイド自体も民間の認定制度はありますが、公的な資格が必要な職業というわけではありません。なのでツアー事業者になること自体はいつでも始めることはできるのです。

なのに何故、旅行会社として立ち上げたのか?

サイクリングツアーをどこで売るのか? と考えた時に、誰に売るのか?
と言うことを考えないといけません。
僕は従来の団体ツアー等が販売されている旅行マーケットの中に、選択肢を増やす形でサイクリングツアーというジャンルを置いてみたら…と考えました。
バスツアーや列車の旅、その横に自転車の旅があれば、そこには旅の好きなお客様がすでに集まっているので、旅慣れた人なら興味を持ってくれるんじゃないか? また、そういう方たちはサイクリング初心者だから頼ってくれるんじゃないか? そう考えました。旅行商品という形でサイクリングツアーを販売する。そのため旅行業という業種を会社のベース事業にしたのです。

そんな流れで旅行会社としてサイクリングツアーができる会社になってます。
となると、旅行業法のもとで運営される会社であり、サイクリングツアーであっても旅行業法のもとでの運営となるのです。
つまり旅程管理義務が発生します。
旅行業法では販売時に提示した旅行の行程を確実に提供するため、旅程保証が義務付けられているのです。
この旅程管理を実際のツアー現場で行うのが「添乗員(ツアーコンダクター)」なのです。

旅行会社が行うサイクリングツアーは旅行商品であり、旅程保証が求められます。そしてツアーの旅程管理のためには添乗員が必要になるのです。
僕はそれもあって「旅程管理主任者」という添乗員と名乗るための国家資格も取得しました。

実際、自社ツアーとして宿や食事を手配することがあります。
ホテルの予約は個人の場合じゃらんや楽天トラベル等のOTAから予約することが今では多いでしょう。
ところが旅行会社からは主にFAXで予約を入れます。というのはOTA価格と旅行会社販売価格とは違う場合があったり、リベートが設定されているからです。
特に団体予約をメインに受けてきた宿や観光施設にはそのような独特な商習慣があります。
このあたりは未経験で業界に入るとわからない部分。セミナーに参加していたので、多少の予備知識はあったという程度。
結果施設にご迷惑をおかけしたり、旅行会社としてお客様にメリットを享受していただける体制になっていなかったり…。観光のプロではないくせに、見かけだけの体裁を整えている程度では、底の浅さがすぐ露呈します。

であれば今からでも遅くない。
後追いの経験にはなりますが、並行してプロの世界で実戦経験を積んで、観光ビジネスの裏側をしっかり理解した上で、新しい旅行業とはなんぞやということが語れるようにならなければいけない。
そう考えるようになりました。

資格は持ってます。というわけで添乗員の派遣会社に登録しました。
面接は無事にクリアし、先日いきなりのソロデビュー戦でした。元々バスツアー等はほとんど参加したことがなくて、団体ツアー商品の世界を知らなすぎました。改めて見た本物の旅行ビジネスの世界。そこに広がっていたのは想像もしてなかった驚きの業界の姿。団体を扱うための仕組み。旅行業の本質が少し理解できた瞬間でした。

この続きはまた…。



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