【ふなログ677】親子で富士登山プリンスルート登頂&お鉢巡り完遂!大きな壁を超えて
【前回までの流れ】
8/16(水)に
親子(娘8歳)で富士宮五合目からプリンスルートで
突風と大雨に晒されながらも御殿場ルートに合流し、
七合目九勺(3,290m地点)で、
翌朝にご来光を観測することができた。
ここから登頂を目指すが・・・
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8/17(木)5:00に
ご来光を観測して
朝食を頂いて山頂を目指そうとしたが、
娘の様子がおかしい。
山小屋の中で突然の嘔吐。高山病か?
急いで持参の使い捨て「体拭きタオル」を使って、
嘔吐物を拭いて応急措置を済ませた後、
山小屋の人に知らせて掃除して頂くことに。
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高山病なら下山しなければならない。
高山病に効くと言われる
「赤岩ハーブティー(700円)」を頂いた。
しかし、よく考えてみたら、
就寝前は少々頭痛を感じていたようだが、
起床後にご来光を観測している時は元気だった。
その後、
持参していたパンを食べてから
吐き気を覚えていたのと、
嘔吐物には昨日の食べ物ではなく、
食べたばかりのパンしか
含まれていなかったことを思い出した。
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そのことを、山小屋のお兄さんに話したところ、
「消化不良を起こしている可能性が高い」とのことで、
具なしの味噌汁を勧めて戴く。
1時間以上ぼーっと休んだ後、
眠いだけで
頭痛と吐き気は治ったとのこと。
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念のため、もう少しゆっくりしてから準備して、
7:00に山小屋を出発。
ゆっくりと歩みを進めながら
3,290m地点から3,720mの
御殿場ルートの山頂を目指した。
延々と石と岩肌のジグザグ道が山頂に向かって続き、
娘は少々心が折られそうになっていた様子。
ただ私は、
このままペースを維持しながら歩けば
必ず登頂できると信じていたので、
何度も励ましながら歩みを進めました。
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途中、同じ山小屋で会話したり、
親子連れの我々を気になっていたと思われる人と
会ったりすれ違う時に
「頑張ってくださいね!」「小さいのに偉いね!」
と温かい声を沢山掛けてくださり、
一瞬一瞬ではあれど、本当に良いご縁を頂きました。
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これは、人生も同じかもしれない。
このようなことが多ければ多い程、
前に進めない気分になったとしても
進める気がしてくるからだ。
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日本語を理解できないと思われる外国人も、
同行している日本人の人と会話して同時翻訳。
間接的にエールも頂きました・・・
しかし、
白人(いまや差別表現?)の登山客は、
なぜか短パンで素足を晒している人が多い気がします。
昔は無知な観光客くらいか?
などと思っていましたが、
しっかり登頂できている人もそうだったりします。
それも、
ヨーロッパ系の人が多いような(完全な主観)。
これ、登山のファッションの一つでしょうか?
転んだら危なさそうなのを知った上なのか・・・?
詳しい人いらっしゃったら教えてください。
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あと、
どうもスキンヘッドでタンクトップで
筋骨隆々な外国人を見ると、
映画『ワイルドスピード』の主人公を思い出してしまう・・
完全に偏見ですね。
(『ダイ・ハード』の方じゃない)
そして
髭面の男性を見ると
「スティーブ!」と言いたくなるとか。
(これはマイクラの方。ゲームじゃないか)
そんなことはさておき・・・
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9:45頃!
鳥居をくぐって、御殿場ルート山頂に到着!
その直後、
娘は一瞬で寝落ちしました(笑)
30分後に目が覚めた後、
寝たこと自体覚えていないという・・・
相当疲れていたと思うけど、マジで凄いよ。。
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「売店に行きたい!」とのことで、
山頂を左回りで、
富士吉田と須走ルート側の山小屋まで歩きました。
このルートは、
断崖絶壁スレスレを歩くスリル満点の道。
娘はめちゃくちゃ楽しんで歩いてました。
ここ実は、
私は山頂を一周する「お鉢巡り」の一環であることを、
ここで娘に明かしていませんでした。
まだ元気そうだから、山頂一周しちゃおうかなと。
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20分程歩くと眼前に山小屋が。
「マイクラ(ゲーム)の村みたいだ!早く行こう!」
などと、
子供らしいリアクションをしながら歩みを進めました。
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その前にお手洗い後、
恒例の山頂でのカップヌードル。
さらにお鉢巡りを継続していくと、
噴火口付近の道を歩き・・・
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ここから上り坂が続きます。
こまめに水分補給しながら慎重に歩く。
休憩していると
山頂に蝶や蜂が飛んでいるのが分かります。
蝶が飛んでいるのを見て喜ぶ娘でしたが、
蜂がまとわりつくのを恐れる娘。
「攻撃しなければ何もしないよ、マイクラと同じだから(笑)」
となだめても怖がるもので・・・
本人としては、
疲労よりもこちらの方が問題になっていました。
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そして、3,776mの剣ヶ峰に到着!
娘には「ラスボス攻略」という比喩を使って、
ここまで歩いてもらいました。
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まさか、お鉢巡りまでしてしまうとは。
我ながら感動。
さて、
ここから「馬の背」と呼ばれる急坂を下って、
浅間神社奥宮に向かいます。
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神社では、最後の焼印を金剛杖に。
そして、娘だけおみくじを引きました。
(私は7月の登山で「吉」を引いていたので)
そして山頂の郵便局から、
私の親と義理の親の住所宛にハガキも出しました。
文面を要約すると
「富士山で蜂に会って、強烈なトラウマになりました」
とのこと。
そっか、そっちの方が思い出になってるのね・・
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13:30頃に山頂から下山!
宿泊した七合目九勺の
「赤岩八合館」まで1時間30分かけて下山。
雨も降り出したのと、かなり疲労が蓄積していたので、
歩みがなかなか進みません・・・やばいな。
赤岩八号館では、宿泊でお世話になった
おばさんから
「よく帰ってきたねぇ!」と声をかけて頂きました。
こういうのは本当に嬉しいです。。
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そして更に七合目を目指します。
30分程かけて七合目の「砂走り館」で最後の補給と休憩。
行きの登山時に、
大雨の中でココアをご馳走になった場所です。
今回もココアを頂き温まって再出発。
しかし、娘はぐったりと眠ってしまう・・
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すでに16:00になり、19:00あたりまでに下山しないと
真っ暗になって下山が難しくなります。
3時間以内に、
七合目から五合目まで下山する必要がある。
私一人なら可能だが、
はたして疲労困憊した娘を連れて可能だろうか?
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そもそも、
快晴で勢いに任せて
半分騙して(?)お鉢巡りまでしてしまった。
子供の体力でここまで歩かせたのは、
ただの私のエゴのせいじゃないか。
そんな自責の念に駆られましたが、、
後悔しても始まらないので、いざと言う時は
「お姫様抱っこ」して、
大砂走りを下ってやると覚悟を決めました。
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そこで、七号目から大砂走りに。
抱っこする前に「一旦自分で歩いてみて」と促し、
一緒に坂道を下ることに。
ジグザグではなく、
一気に真っ直ぐ砂の道を下る
御殿場ルート最大の名物である下山専用の道です。
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すると、いきなり娘が覚醒。
めっちゃ楽しんでるじゃん。
一気に走ったり転んだりしても楽しい。
ゆっくり喋りながら下っても楽しい。
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だんだん精神的に余裕が生じたお陰か、
娘は「マイクラのサイコパス診断」とか、
「本当にあった怖い話」など、
YouTubeで観た動画の話を延々と話し始め、
私は「そうかそうか」と
相槌を打ちながら時々「へぇ!」とか驚きながら、
一緒に下っていました。
ぶっちゃけ
内容あまり覚えていないんですけどね・・・(笑)
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途中、
いきなり雲に覆われて雨が降り出したと思ったら、
晴れて下界が見渡せ、
斜め前方の「二子山」から生えるように虹が伸びていたり、
景色も言いようのない景観でした。
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娘、魔法使いになって虹を描く・・・
なんて写真も撮りました。
ついでに私も、大砂走りを猪突猛進!
な写真を娘に撮ってもらいました(笑)
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そんなこんなで楽しみながら
下山することができ、無事に
17:53に御殿場口新五合目に到着!!!
2時間弱で
大砂走りを駆け降りて下山できました。
いや・・・
親のエゴに付き合わせてしまったとは言え、
よく頑張ったよ・・・
ただの登頂じゃなくて、
プリンスルートでお鉢巡りだぞと。
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私自身も
とても素晴らしい経験になりました。
登山開始は2,400m地点から。
下山地点は1,400m地点。
登山標高差は約1,300mですが、
下り標高差は約2,300mになります。
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これは一つの「旅」でした。
限界にも挑みながらのチャレンジの連続でしたし、
理想と目標を描きつつも
目の前の現実という事実に向き合いながらも、
一つ一つの判断、意思決定も行なっていく。
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抽象化すると、
人生にも経営にもお仕事にも
応用できるような出来事で溢れていました。
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娘に対しても信頼しながら
対話しながら伴走し、励ましながら進んでいく。
そして、自分も
最悪な状況を回避すべく、
不安要素を出来るだけ排除しながら、
自信を持って励ましていく。
「死なないのが大切」なのは、
人生でも登山でも当然、
時には苦渋の判断も下す場面も出てきます。
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また、
信頼感を築くための
コミュニケーションも土台になっていました。
たとえ親子の関係とは言え、
丁寧にしていく必要がありました。
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そして私が今回心がけたことは・・
すれ違う人ほとんどに
「こんにちは〜」と声を掛けたこと。
これ、お互いに元気になれますし、
登山=人生も
「独りでは成し遂げられない」
ことも知ることになります。
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今回、私は子連れで温かい声を掛けて頂き、
「虎の威を借る狐」
の逆状態だったのですが(私は虎じゃないですが)、
皆、登山の厳しさを
感じながら向き合っている人ばかりで、
娘も、
そういった「一瞬一瞬の人のご縁の温かさ」
を知ることができたのではないか、と思います。
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今回の旅、
娘も大きく得るもの、
達成感を味わったと思いながらも、
自分も「力を出し切った」という充実感とともに、
次のステージに足を踏み入れていきます。
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「近付けば、さほどでもなき富士の山」
娘は、
「なぜ富士山は白を青に見えるのか?実際は黒と赤の土と岩ばかりだ」
と疑問に感じていました。
これを醜いと捉えると、
「さほどでもなき富士の山」なのでしょうが、
私はむしろ
「それがいいんじゃん」と思えてしまうのです。
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遠目に表面的に美しく見える富士山も、
近付けば荒々しさや無骨さも見える山。
人だって同じじゃないか。
美しい、格好のいい表面だけ見ようとしても、
そうでない部分もまとめて観るから
「味がわかるんだ」と。
そこからの
「美点凝視」で
愛着が湧くというものです。
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最後、余談でしたが、
そういった部分もまとめて味を締める
今年も「富士登山バカ」の私。
無事に木札も
登山ルート4種類(黄・青・赤・緑)
コンプリート!
さらに
山頂の浅間神社の木札を加え
白・黄・青・赤・緑
…て、オリンピックか!
そういう私で在り続け、
この夏4回に渡った富士登山を、
ここで締めくくります。
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それでは、
今日も素敵な1日をお過ごしください。