何かを作って世に出たい若者へ
服を作ることに関わって20年は経っているから言えることがある。
今、現在、自分は何者でも無いから言葉に効力は無いけれど、
誰かの参考になれば良いくらいな感じで書きたい。
クリエイターになりはじめた頃にかかった自分も含めて、こんな病になってないだろうか。
スキル、センス、技術を磨くあまり、社会の動きが見えていないことを。
優れたものを、ひとめぼれさせれるようなデザインを作れば、いつかは世間の注目を浴びていけると。
そんなことは無いと思う。
製造業=モノを作って買ってもらう。
こんな単純な式では表せないのではないでしょうか。
モノを作る前に社会の求めているものにアンテナを張らなくてはならない。
モノを作るだけでは、言い方をかえると「作りっぱなし」ともいえる。
あなたのそれに費やした時間、思考、努力は報われるのは、
そのモノに感動して、
それが必要だと思われて、
それに対しての対価を支払っても良いという人や人達にめぐり合わせるところまでが、モノを作るという行為ではないでしょうか。
流通させることの意識がないと、こんな発想は出てこないのかも知れないけれど、
日本の社会は、今、モノで満たされている。
贅沢さえ言わなければ、困るようなモノ不足はしていないだろう。
供給過多だと言う人もいるくらいだ。
では、何を基準にモノが欲しいと思わせるのだろう?
モノがなかった時代と根本は一緒だと思う。
欲求を満たすためだ。
過去と現代では、この「欲求」の種類がちょっと違うだけではないか。
過去では、不便を満たす欲求が強かった、が、現代では気分を高揚させたいだとか、何者かになれるなら欲しいなど。
今は、人間の内面にある欲に刺激を与えるアプローチができるクリエイター(作る人)に仕事は集まるのではないだろうか。
だから、
今、何かを作って世に注目してもらいたい若者、
知ってはいるとは思うけど、SNSとかで社会の見え方を知ることができる。
作ることに重きを置くと同じくらいに、社会を見て感じて、
自分の作るものには、社会の流れにどう乗せてくのか、
作りながらで良いから、ちょっと俯瞰で見つめてみてほしい。
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