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1年5ヶ月の育休を終えて

こんにちは。船尾和希(フナオカズキ)です。

いつもコーヒーに関する記事を書いていますが、今回は少し別の内容でお届けします。

ぼくには妻と息子がいて、息子は2021年11月に産まれました。もうすぐ1歳半になります。そしてぼくは、2022年1月から今日まで、育児休業(以下、育休)を取得しています。

初めての子供が産まれて、約1年5ヶ月の育休生活を過ごしました。その中で感じた事や、人生で2度と無いこの期間での思い出、そして今の気持ちを忘れないために、文章としてまとめたいと思います。

このnoteを読んでくれた方の中から、人生の中の限られた家族との時間を優先するお父さんがひとりでも増えたらいいなーと個人的に思っています。(小さい我が子と過ごせる時間は本当に一瞬です)

あと、大前提として、これはぼくの個人的な考えです。育休を取る、取らないは人それぞれで、正解も不正解も無いと思います。家族・仕事・趣味・その他、優先順位はもちろん人によって異なるので。

実際に約1年5ヶ月の育休を取得した少数派の変なやつの意見として読んでみてください!

ぼくの会社は従業員約3,000人で、男女比率は調べてないけど半分の1,500人ずつとして、男性社員でぼくより長い育休を取得している人は見た事ない(ってことは、1年以上の育休を取得する男性は1/1,500以下の確率、、、?)

ふなお調べ


以下の4つの章に分けて、さっそく説明していきます。

・仕事と育児
・育休を【取れない】と【取らない】の違い
・お金
・時間



仕事と育児


ぼくも妻も、一般的な企業の従業員(サラリーマン)で、いわゆる共働き家庭です。共働き家庭の場合、子供が産まれた後の主な選択肢は以下のようになると思います。

①妻だけ育休(産休〜育休)
②夫だけ育休(妻は産休後に仕事復帰)
③夫婦で育休
④夫婦ともに育休を取らない(妻は最速で職場復帰、子供はすぐ保育園に)

ぼくらの場合は③です。育休を取れるだけ(可能な限り長く)取ってから息子を保育園に預ける事にしました。

出産レポートでは無いので詳細には書きませんが、ぼくは出産に立ち会って本当によかったと思っています。実際には、立ち会ったところで何も(その場にいる事しか)できませんでしたが、出産の現場で妻と息子と同じ時間を共有する事ができました。自分にとってめちゃくちゃ大きい経験です。

知識として「出産は命懸け、出産で命を落としてしまう母親もいる」という事を知っていたし、頭では理解していたけど、現場で目の当たりにするのはやっぱり違いました。色んな感情になったし、人の命みたいなものに対する価値観が大きく変わりました。そして何よりも強く思ったのは、妻への感謝です。

命懸けって、こういう事なんだなって。ぼくはこれまでの人生で、1回も自分の命を懸けた事なんて無いのに。心の底から「お疲れさま、ありがとう」という感情になりました。

妻の妊娠〜出産を経て、自分の中で決めた事があります。

「できる限り協力して妻(母親)の負担を減らす」

育休を取得していない(もしくは専業主婦の家庭)男性(夫)の意見で「俺は働いているから、お前(妻)は育児を頑張れ」的な発言を耳にする事があります。

命懸けで子供を産んでくれた妻に対して、まだ「頑張れ」なの?

育児は大変すぎて(出産よりも育児の方が何倍も大変って言う人がたくさんいる)夫や周りのサポートがあったとしても妻(母親)への負担は多少なりとも残ります。(全然残ります、それぐらい育児って大変)でも、負担を減らすための努力はできるはずです。

その努力をするかしないかは、本人(夫)の意思次第です。「する人が偉い、しない人がダメ」って事もありません。でも、ぼくはできる限り協力して妻の負担を減らすと決めたので、文字通りできる事を全部やってきたつもりです。(行き届いてなかったらごめん、、、全力謝罪)

これを叶える(妻の負担を減らす)ための手段として、育休を選びました。

育休を取らずに仕事を続けていたら、できなかった協力がたくさんあります。だから育休を取って本当によかったと思っています。産後間もない妻の手助け、育児の大変さ、息子を可愛がれる時間、小さな命の成長を夫婦で一緒に見守れる時間、それはもう一生手に入れられません。子供はすぐに大きくなっていくから。

改めて、本当にお疲れさま!むっちゃんありがとう!これからも楽しんでいこう✌︎



育休を【取れない】と【取らない】の違い


ぼくの育休に対して「いいなー、おれは取れないなー」「取れなかったなー」と言う人がいます。(結構います)

その人達が言う「取れない」の主な理由はこんな感じです。

①取り方が分からない(そもそも育休って何?状態)
②育休中のお金が心配
③他に育休を取っている人が職場にいない
④なんとなく職場に対して気まずい
⑤そもそも勤務先に育休という制度が無い

①〜④の理由について、本当に【取れない】なのかな?と思うんです。(⑤の場合は転職するしかないかも)

①、②を理由にしている人の多くは、まず自分が勤めている会社の育休に関する制度(規則)を見たり読んだりした事すらなかったり、育休中のお金がどの程度、どれくらいの期間、どこから入ってくるかも知らなかったりします。

調べてない(情報、知識がない)のであれば、それが不安に繋がるのは当たり前で、育休を取れるわけがないですよね。(ほぼ全ての物事が誰でもネットを使えば一瞬で調べられるこの時代に、、、)

③、④の理由については、この理由と育休(産後間もない妻のサポートができる、生後間もない我が子との限られた時間を共に過ごせる、他にも良い事いっぱい)を天秤に掛けて、前者(他に居ないから、気まずいからという理由)が勝つ人もいるのか、、、という感想で、ぼくは本人の努力で何とかなるのに!と思うんです。

育休を取得するという行為が職場に対して気まずいと感じるのであれば、自分が抱える仕事を全力で終わらせたり、何ヶ月も前から上司や同僚に根回ししておいたり、自分なりの信頼関係を築けるアプローチを職場の人に対して実践しまくったり。自分が気まずくならない状況を自分で作るための行動をすればいい、そのために自分の時間と労力を費やせばいい。奥さんは命を懸けて子供を産んでくれたんだから、自分もそれくらいの努力はできるはず。

本気で奥さんと子供(もしくは自分)のために育休を取りたいなら、調べる(必要な知識と情報を入れる)事や、さっき挙げたような努力(当たり前すぎて努力ではないと思うけど)をすればいい。育休を取るために必要な物事に対して全力で取り組んだ結果として、育休を【取れない】と判断したならそれは仕方ないけど、そうでないなら【取れない】ではなく、単に【取らない】という選択をしただけかなって。

あなたの育休【取れない】は【取らない】ではないですか?

※何度も言いますが、ぼくは取る・取らないに正解は無いと思っています




お金


実際に育休を取ってみて(取る前からも)、「お金大丈夫なの?」という質問をよく受けます。結果として、1年5ヶ月という期間を会社からの給料は無い状態で生活できているので「大丈夫」だと思います。

ぼくは、船尾家の毎月の収支(家計簿的な)をEXCELにまとめています。(簡単にですが)

個人的に育休を取る取らないの判断基準として【お金】は「そこまで重要度の高い項目ではないけど無視はできないもの」って感じでした。とりあえず計算してみて、育休期間に入ってくる給付金が毎月の収支を大幅に下回る(赤字すぎて貯蓄もすぐに無くなってしまう)ような事がなければOKぐらいの考えでした。

育休中にもらえるお金は育児休業給付金と呼ばれます。サラリーマンが毎月給与天引きされている雇用保険から、被保険者(育休取得者)に支払われるものです。

受け取れる額は以下の計算を参考にしてみてください。

育児休業給付金の受け取り額

育休を取得して
初日〜6ヶ月まで:標準報酬月額の67%
   6ヶ月以降 :標準報酬月額の50%

標準報酬月額とは:知りたい方はこの記事をチェック

freeeより

なお、育休期間には所得税と社会保険料の支払いは無い(給付金は所得として扱われず、社会保険料は支払っていると見なしてもらえる)ので、実際に受け取るお金は標準報酬月額の約80%(6ヶ月まで)、約60%(6ヶ月以降)です。※ざっくり計算

例として、標準報酬月額を20万円で計算してみます。

初日〜6ヶ月まで
20万円 × 80% = 16万円

6ヶ月以降
20万円 × 60% = 12万円

計算結果を見ると、育休を取っている状態というのは、毎月4万円の収入が減って、毎日いつでも家族で過ごせる時間を得ている状態とも言えます。(初日〜6ヶ月までの場合)

ぼくの場合、1ヶ月間の就業時間(会社のために消費している時間)は、約11時間 × 20日 = 約220時間/月 になります。

内訳:通勤2時間(片道1時間)+ 勤務9時間(8時半〜17時半)= 11時間
   勤務11時間 × 20日 = 220時間/月


この場合、育休を取得できるのに取得していない状態というのは、毎月220時間を使って、育児休業給付金よりも4万円多い収入を得ている(時給182円で20日間働いている)状態とも言えます。(4万円 ÷ 220時間 = 時給182円)

育休取得に関して【お金】という目線で考える場合、先ほどの計算結果を判断基準として、ぼくは育休取得を決めました。(あまりお金にフォーカスしていなかったけど)

育休取得に関して、お金の問題で迷っている人の参考になればと思います。




時間


子供はどんどん成長していきます。昨日できなかった事が今日になったらできています。毎日の事なのに、寝ている息子を見て「あれ?なんかでかくなった?」とよく思います。

少し前まで立ち上がる事もできなかったくせに、1歳半になった息子は歩けるどころかもう走り回っています(コケまくりですが、、、)

子供の成長は一瞬、本当にそう思います。見たり、触れたり、食べたりする物の全てが新しい刺激的な毎日を、小さい体で精一杯楽しんで、一生懸命食べて、寝て、生きて、心も体もどんどん大きくなっているんだって、息子を見ながら毎日感じています。

当たり前ですが、子供が小さいうちは物理的な手助けが必要(赤ちゃんは何もかも全部)になります。抱っこ、おんぶ、オムツの交換、ごはん、お風呂、その他にもいっぱい。

でも逆に言うと、これ(物理的な手助け)は今しかできないんですよね。息子がもう少し大きくなったらオムツは外れるし(外れなかったらそれはそれで困る)、抱っこやおんぶも求めなくなると思います。ごはんも自分で食べれるようになって、お風呂も「1人で入る!」と言い出すかもしれません。息子の成長は嬉しいものの、想像するだけで少し寂しい気持ちにもなります(スーパー親バカ)

だからこそ、今できる(自分が息子にしてあげられる)事は全部してあげたいんです。今しかないから。ぼくが男性の平均寿命まで生きれるとしたら、あと約40〜50年。そのうち、息子と過ごせる時間は本当に限られていると感じています。

「なんとなく気まずい」とか、「周りに育休を取っている人がいないから」という理由で、この貴重な(人生で2度と訪れない)時間を会社に使うより、家族(妻、息子、自分)のために時間を使いたいと思って育休を取りました。


ぼくは育休期間中、家事も育児もできる事は全部する、妻にできる限り楽してもらう、この時間を全力で楽しむ、そういった考えで過ごしてきました。思い出をいっぱい作りたくて、家族で色んな場所に行きました。例として一部を挙げてみます。

・近所の公園は全部
・大阪
・京都
・奈良
・愛知
・山梨
・東京
・千葉(ディズニー)
・滋賀
・和歌山
・兵庫
・徳島
・宮古島
・石垣島

たぶんまだまだある、、、

ぼくが何をしてあげても、家族でどこに行っても、息子本人がどう思うかは分かりません。でもそれでいいと思っています。何より大切なのは、息子のためにしているんじゃなくて自分がそうしたいと思っているだけだから。

子供はとても理不尽(色んな意味で。笑)です。親の思い通りにいく事なんてほぼ無くて、基本的に言う事も聞きません。言葉が分からないから当たり前です。だから見返りを求めても無駄だと思うんです。子供に対して「こうなって欲しい!こう思われたい!」と思うのは親の勝手ですが、それが叶うかどうかは子供本人の意思次第なので。

だからぼくは、息子に対して(妻にも)何もかも自分がしたいからやっているという事を忘れないようにしています(心の中では息子にも妻にも喜んでもらいたいし、好かれたいし、褒められたい気持ちもある、隠しきれない本心)

育休を取っているぼくに対して「奥さん想い」とか「子煩悩」とか「良いパパ」って声を掛けてくれる人がいます。もちろん嬉しい気持ちもありますが、自分がやりたいからやっているだけなので、そこは本質ではないのかなーと思っていたりもします。(でも声を掛けてくれるだけで嬉しいです!あざっす✌︎)

ぼくの中で何よりも大切にしている【時間】に対しての考えでした。




最後に


約1年5ヶ月の育休を取ってみて、自分なりに感じた事や想いをまとめてみました。

まだまだ書きたい事はあるけど(育休期間中に会社に呼び出された事件とか。笑)これ以上長くなるのもあれですので、、、育休が終わる前の最後の旅行として行ってきた宮古島と、ちょうど1年前に行った石垣島の写真を載せて、終わりにしたいと思います✌︎




最後まで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました!


船尾 和希

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