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中小企業のマーケティングチームは競争地位に対応する泥臭い戦略が必要になる現実をブレイクスルーできるか

D2Cなどの立ち上げにチャレンジする中小企業がどんどん増えているし、この流れはもっと活発化してほしいと思う。そこに私の仕事があればなおよし!という私情はあるにしても、それ以上に私より若いデジタルネイティブ世代が活躍できる環境整備が進むということでもあり、地域経済が死なないためにはこのような流れの加速は必須だと思う。

そして、そうして立ち上がったプロジェクトチームにおいてマーケティングを学び、実践していくわけであるが、内部要素を磨き上げ、商品開発に注力し、流通革命を起こし、というようなある意味で清廉潔白な領域については「学んで実践するうちにできるようになっていく」。

ところが、マーケティングというのは非常に殺伐として、泥臭く、正確の悪い領域と解釈できるような世界もある。今回はそのあたりについて少し書いてみたい。

(定型文)こんにちは。名古屋を中心にウェブ制作、マーケティング、商品開発、企画、釣り事業マーケターなどなんやかんややっているUtility-arts.comの大林と申します。記事の最後にリンクなどまとめておりますので良かったらそちらもご覧ください。
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計画的陳腐化を踏まえて製品の寿命設計ができるか

俗に言う「なんちゃらタイマー」であり、商品ラインナップの世代交代である。これを技術革新の結果としてもたらされるものではなく、ある程度意図的に現行品をわかりやすく陳腐化し、価値を失わせ、同社の新たな製品への買い替えを推進しようとするあれである。

実際やり方は色々あるが、従来品との互換性をなくしたり、前のモデルはダサいという自爆的な印象操作をしたり、最初から耐用年数を割り切って短めに設定した上でアフターサービスを打ち切るタイミングを計画したりする。失敗例を一つ挙げると、10年くらい前の自動車メーカーによる「エコ替え」キャンペーン。覚えている方もいらっしゃると思う。あれはユーザー心理を逆なでするだけだったので、計画的陳腐化は難しいという事例といえる。

私個人が計画的陳腐化を積極的に推奨するかどうかというのはそれこそ「モノの性質とブランドが目指すイメージ」によるが、もともと消費者心理としては「いつまでも長く使える」ことに信頼と満足を寄せるということは忘れてはならない。その上で、ユーザーを納得させつつ計画的陳腐化を商品設計に組み込めるか、が求められる。

忘れてはならないのだが、製品寿命を長くした結果事業を圧迫しすぎてしまうのも考えものである。そこで、計画的陳腐化はある程度の割り切りを持って行うべきという状況はありうる。自らのプロダクトに愛情が強ければ、なかなかそういう割り切りが難しいのではないかと思うが、どちらを選択するにせよ今取り扱っているものがどちらを向くのが結果的に事業と顧客を長く幸せにするのか、という視点で考えておきたい。

自らの競争地位に応じてアンチ競合戦術を徹底できるか

次に試されるのはこれだと思う。そしてこちらが本題だ。
特定の市場において、シェアの大きい順にリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーという4つのタイプにわけられ、それぞれとるべき戦略、有効な戦術は異なる、というごく基本的なマーケティング理論であり、これにいわゆるゲーム理論あたりを踏まえて自分たちがどのようなポジションを取るか、つまりSTP分析におけるポジショニングにもこれが反映されてくる。

それぞれやっていることの本質は「自分たちがよりよく売る方法」ではありつつも、「競合他社にこちらが確保している利益を与えない立ち回り」を目指しているという本質がある。

もちろん、リーダー企業は市場の牽引者であるから、市場全体がにぎやかになるようにする責務があるし、その結果リーダー企業はより強固なブランドとして君臨できる。その一方で模倣されたり、技術を盗まれるといったリスクは常に抱えているため、これを阻止する必要がある。また、その大きなシェアに対して製品ラインナップをより広くしようとすることで、他社が展開しているラインナップに対して「業界最大シェアというブランド」ぶつけていくやりかたをするように、競合他社に対する攻撃的な戦術もとってくる。

最近気づいたのだが、マーケティングを学び始めた中小企業のマーケティングチームにはこのような相対的な戦略、戦術に対してピュアである。下手したら、怖いとか、汚い、ずるい、というような感情も抱いているように見受けられることがある。

おそらくそこで心理的にも行動的にもブレーキが掛かる。

それは、一見良識的に感じるかもしれないが、私は逆だ。そこで止まってしまうと、本当に愛されるべきブランドがエグいやり方のエグい奴らに根こそぎ持っていかれてしまうと本気で心配している。本当にそれを見逃していて良いのだろうか。

本当に支持される物事を届け続けるために、清濁併せ呑む強さをもったチームづくりを

本当にいいものは支持される、というのは正しいと思う。
正しいと思うが、市場において起こるパワーゲームの理屈は理解しておいたほうがいい。それは自らだけでなく、顧客と市場を守ることにもつながるからだ。とくにニッチ市場でリーダーポジションを獲得できた企業のチームにこそ、強く訴えたい。

あなた達が苦労して築き上げてきたポジションを奪おうとする存在はあちこちにいて、あらゆる戦術をとってくる。正攻法もあれば、邪道でくることだってある。実際著作権侵害、デザインの模倣などもよくある話である。一見組合などの業界団体でうまく相互に保護されているように見えても、実際はその中の政治で不当に不利なプレッシャーを掛けられる、なんてことだって普通にあるだろう。

それらの跋扈を許さないためにも、競合に対する適切なポジショニングとパワーバランスの理解、抑止力は持ちたい。
成長していくマーケティングチームにはそうした「防衛力」も必要になってくる。そしてそのマインドは簡単には身につかない。大抵なにかトラブったり、大きな損失を被って初めて対応しようとするだろう。それでは多大な労力とストレスに晒されるので、ただただしんどくてめんどくさい。予防的に抑止できるなら、抑止してしまったほうがいい。

脳トレと知識武装とマインドセット

ちょっと脱線するが、このような発想を文化として定着させるために必要な基礎体力としてやっぱり発想力の強化、思考の高速化は必須だ。まずちょっとしたスキマ時間にブレストを筋トレ的に普段からやることをおすすめする。テーマはなんでもいい。タコパで入れたらうまそうな具とか。タコパやったことないけどたこ焼き作るのは得意ですよ。チョットだし汁多めにするのがポイント。

自社内、自社製品と顧客の関係での思考に留まりやすい癖を、いわゆる3C分析にように、競合という存在を常に意識して物事を考えるように習慣づけたいし、その競合に対してアクティブ・パッシブ問わずどのような手を打っていくのかという視点はもっておこう。

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