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一緒に困ることが当事者意識につながる。いよいよ塩釜市で不の解決プロジェクトが始まる。

※この記事は2022年7月11日のwantedlyのストーリーを再掲しています。

このストーリーでは現在funakuが取り組んでいる宮城県塩釜市での不の解決プロジェクトの紆余曲折をご紹介します。詳細は公式noteでも発信しています!

モヤモヤを抱えながら探していた地域とのつながり

東北にUターンで戻ってきて3年が経って、地域を駆け回って色んな人と話をして、複数のプロジェクトも経験してきたけど、自分の納得のいく地域への直接的な貢献や活動はできていなかった、、。モヤモヤの原因は自分の中にあって、地域や地域企業を支援していく中で自分が資本主義真っただ中のビジネスで培った成功体験を拠り所にしていること。そして地域ではそれが必ずしも正解にならないことへの微妙なズレがあったと思います。あたかも正解が首都圏にあって、地方はまだそこまで進んでないからそこに行くためにはこうした方がいい、という考えを押し付けていたんだと思います。
新しいチャレンジは自分の生まれ育った地域、宮城県塩釜市から始めたいと思っています。街のいたるところに愛着や思い出があるし、幼少期から長い年月を地域で過ごしたとことで自分のアイデンティティの一部に含まれていると思う。じつは2021年8月くらいからメンバーと一緒にプロジェクトの助走を始め、塩釜市を定期的にフィールドワークしていました。思い出の地をメンバーで訪れたり、地域の方々のお話を聞いたり。フィールドワークの結果を咀嚼しながら感じたことは、静かだけど確実に自分の想い出の場所が失われつつあること。ニュースでよく聞く過疎や高齢化等が改めて目の前にあるリアルな事実であることを確認したし、それをどうとらえるか?で悩んでいます。過去の経験をもつ人間はさみしいと思うけど、時代の変化でしかたないことでもあるし。

(浦戸諸島 のどかな風景と抜けるような青空)

地域に散在する課題の内在化にトライ

振り返れば、いつも自分の中に矛盾を抱え、もがいていたと思います。大企業の中でバリバリ働いて生活や報酬は満たされていく一方で、本当にやりたいことは別のところにあると感じたり。地域に関わるプロジェクトを牽引しながら、本質的な支援になっていると確信できなかったり。これまでは「やってた風」な感じで安心してしまっていたし、他人からの評価を気にして本来向き合うべきことに向き合えていなかったなと。

じゃあどうするか?をずーっと考えていたのですが、どこかにある正解を探し続けても見つからないことが分かりました、笑。自分自身と対話していく過程で、funakuが大切にしている地域の人たちに寄り添って一緒に未来を作っていくスタンスをどうしても外したくなかった。「困っている人」と「困っている人を助ける人」という構図自体に違和感を感じていたときに、行きついたのが「自分達も一緒に困って考えなければ本当の意味での当事者意識は生まれないのでは?」という考えでした。

例えば、畑に種をまいて地域で育てて収穫して分け合ったり、子どもやお年寄りが困っているときに地域で支えあって助け合って生きていったり。昔々当たり前のようにどの地域でも行われていたことが、数十年の環境変化に耐えきれずに衰退したり分断されたりしている。そのど真ん中に身を置いて、古き良き時代の良さを現代に沿う形にアップデートして、funakuらしく表現するとどんな形になるのかを創り上げてみたい。

(3.11 塩釜市公設の献花台の前で祈る)

構造化した課題にどうfunakuらしく向き合うか

地域をフィールドワークしながらお聞きしたことの中で結構共通のことがあると分かってきました。今回だけではなく、地域で過ごした経験や震災後に首都圏から通っていた経験をベースに、塩釜市でぐるぐるしている「不」が見えてきました。実際はより複数の要素がより複雑に関係していると思うのですが、自分達が仮定義したぐるぐるはこれです。

ヒアリングの中で分かったことで意外だったのが、もともとはこのぐるぐるにいるのは高齢者や子どもが多いのかなと予想していたら、量的に多いのはむしろ色んな理由で不安定な雇用に就いている現役世代の方が多かった。あとから帰って調べたら、雇用が不安定なのは所得水準というよりも、職業の選択肢がかなり絞られていることに要因があるように見受けられたし、様々なご事情を抱えた方が住んでいる地域の中から仕事を選んで安定的な収入を得ていくのはきっと想像した以上に難しいことなんだろうなと。

このぐるぐるへの向き合い方なのですが、壮大なテーマに対してすごく小さなリソースで行動を起こしていくことになるので、自分たちが一番影響を与えられるところ。やっぱり地域に強い事業と良質な雇用を作っていかなければならないことが改めて確認できたし、一周まわって当事者としてしっかりと向き合っていく覚悟ができました。事業領域は私が経験のあるITでチャレンジしようと決め、これから出会えるであろうエンジニアの仲間達と一緒に素晴らしい事業を創っていきたい。

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