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懲役ダイアリー 2017年9月30日土曜日 『刑務所の中で考えること』

20時40分の点検終了後から刑務所内は静寂に包まれる。聞こえてくるのは、刑務官や警備員の足音と他の部屋からのくしゃみや咳、トイレを流す音だけ。

22時消灯までのこの時間は毎日とても貴重な時間で、様々な学問に集中出来る。私はとりわけこの時間に英英辞典をひたすら読んでいた。

読んでいるとあっという間に就寝時間を知らせる音楽が流れてくる。

その音楽が流れてきたら、「私は人生の目標、達成させること」と記したノートを読み返し自分の心に刻みつける。

「就寝時間です。おやすみなさい。就寝時間です。おやすみなさい。」

女性の声で二回繰り返された後、非常灯のような電気に切り替わり部屋は暗くなるが、完全に暗転したわけではなく、ちょっとまぶしい感覚があるのは他の受刑者も同じように感じていると思う。


就寝時間を過ぎると、いろいろと考え出す。自分と向き合う時間になる。

刑務所では受刑者同士が馴れ合い、受刑している時間を忘れるかのように楽しそうにくだらない話ばかりしている人たちが大勢いる。

そんなことに時間を費やしても全く成長もしなければ、意味もない。自分と向き合い、未来の自分のために時間を費やさなければ時間の無駄になってしまうし、犯罪をしていた当時と何も変わらないだろう。

「どんな自分になりたいか」

これを明確にすれば、今の自分の行動や生活が正しいのか間違いなのかがすぐにわかると思う。

努力という言葉は好きではない。何だか強制されているような感覚。特に私の世代では努力こそが正義かのように圧力をかけられた時代に育ってきているから。

どのようにしたら今日の自分に明日勝てるのか。これを考えて生きなくてはならないのかなと思う。


他にも考える。

プロフェッショナル仕事の流儀をよく見るのだが、この番組に出演している方に共通していることがある。

続けること

やりきること

壁にぶつかっても乗り越える方法を見つけるまで探すこと

自分を信じること

とにかくやってみること

共通して大切だと言っている。

成功者の本にも同じようなことが綴ってある。

これが難しいのかもしれないけれど・・・私は共通しているものを見つけることができたし、大切だと考えた。だからやってみる。

やってみなければ何も始まらない。怖がっていては変わらないと思うから。


妻からの手紙が来ないな・・・何でだろうな・・・大丈夫かな・・・。

子供はいじめにあってないかな・・・。

とにかく色々なことを考える・・・。

明日もまた・・・

自分と向き合う。

全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて。


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