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ELLEGARDEN「Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023」 感想レポート
8月17日、木曜日。
台風の到来を心配されたライブ会場では無事快晴。32℃
生温い潮風も強い日差しも急遽入ってしまった仕事もラスを引かされた麻雀も全てが今日この日のライブを楽しむためのスパイスだった。
今日ばかりは鬱陶しく感じない。
普段遭遇しない同志が35000人も同じ場所に集まるのだから心も浮き立つというもの。ライブが始まる前から既に気分は最高だった。
会場にはパーティーの開始を同じように待ちながら写真を撮る人、グッズを買う人、飯を食う人、日陰で涼む人。
とにかく人、人、人。
老若男女、エルレのグッズを身につけて楽しそうにしている。
この雰囲気を見ると5年前に同じ会場でライブをしていたときのことがふと蘇る。まさかもう一度この場でエルレを見られるとは。
日差しが強い中、我らが敬愛するベーシストの高田さんがLAでレコーディング中に作ったというカレー(を再現しようとしたがなんか違ったのでいい感じに調整してもらったもの)を食べる。
猛暑の中で食べるカレーというのもたまにはいい。LAの風を感じる。(感じない)
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食事を終え、一塁側スタンドに身を置き、売り子のお姉さんがビールやレモンサワー、ちょっとしたつまみなんかを売っている。
スタンドから見るとアリーナは瞬くうちに人の波でスペースが埋まっていく。とても壮観だ。とにかくまたこんな大勢でエルレを見る機会がとても嬉しく、みんなで歌ったらどんなふうだろうか。あの曲が演奏されたらどんな盛り上がりになるだろうか。そんな期待が時間の流れとともに膨らんでいく。
開始前にはモニターに04 Limited SazabysのフロントマンのGENさんやBRAHMAN/OAUのフロントマンのTOSHI-LOWさんがコメントを残してくれた。直前には細美さん本人がステージに現れて注意事項を説明してくれる。
「本人、または周りの人間が怪我をするような行為は一切禁止です。今日、例えば34999人が笑顔で帰ったとしても1人が怪我をしてしまったら俺たちの負け。35000人が笑顔でゲート潜って帰れるようにしよう。俺たちならできる気がする。」
ダイブ・モッシュに関しては細美さんらしいユーモア溢れる例えで説明をしてくれた。
いよいよ開演時間になるとラジオDJでもお馴染みの大抜卓人さんが細美さんとの思い出も交えつつパーティの幕開けの挨拶をするといよいよSEが鳴り響きメンバーがステージに現れると瞬く間に大歓声が巻き起こる。
細美さんが「行こうぜ!東京!(?)」と叫ぶと始まるBreathingのイントロの演奏が始まる。この瞬間を待っていたのだ。
始まってからはひたすら音に乗って体を動かす。
スタンディングエリアに目をやると早速ダイブで気持ちよく転がる人、曲によっては大合唱が巻き起こったり肩を組んでサークルを作って楽しそうに回っていたり。驚くことにまだ小さい子どもがMountain Topを歌ってたりした。一曲始まるごとに拍手、歓声が沸き起こり、その場にいる老若男女はみんな等しく童心に帰る。
復帰ライブから5年の間にELLEGARDENはニューアルバムをリリースし、様々なフェスやアルバムのリリースツアーも行っていた。つまり、ここにいるのは復帰したてでブランクがあるようなバンドではなく現役バリバリで突っ走っているバンドである。セトリももちろんだが熱量もグレードアップしている。生方さんが「エルレは誰にも負けない」と断言するのもきっとそういうことだ。
前述したBreathingもMountain Topも今回のツアータイトルにフレーズが引用されているチーズケーキ・ファクトリーのようなニューアルバムに収録されている楽曲も既存の曲の盛り上がりと同様に相当の人気っぷりで会場の興奮は全くやむことがない。
そんな中で私がとても嬉しかったのがStereomanだった。
不意にイントロが演奏されたときには思わず感嘆の声をあげてしまった。
ELLEGARDENの数ある楽曲の中でも一番と言っていいほど大好きな楽曲だが残念ながら機会に恵まれず生で聞くことができていなかった。
(Lost Songs TourやReunion Tourの一部箇所ではやっていたらしい)
ライブ会場に向かう途中、シャッフル再生をすると最初に流れてきたのは偶然にもELLEGARDENのStereomanだったのだがそのときはまさかこんな瞬間が来るなんて思いもしなかった。それまでは曲を聴きながらスタンディングの反応を見てニコニコしていたのだが感動と戸惑いと喜びがごちゃごちゃになりただひたすらに全力で身体を動かした。
僕にとってのStereomanは間違いなくELLEGARDENなのだ。
「あんたらは神様に守られているんだね。」
台風が向かってきて雨も降っていた昨日。にも関わらずの晴天で迎えたライブ当日。細美さんは奥さんに言われた言葉が腑に落ちないまま、ライブ会場の光景を見て思ったそうだ。「神様に守られているのは俺たちじゃなくてお前らなんだ」
季節外れかもしれねぇけどプレゼントもってきた。と言って披露されたサンタクロース。Sliding Doorから場を沸騰させるようなSalamander。
空もすっかり暗くなり、終盤に差し掛かった頃夜空にぴったりなスターフィッシュ、瓶に入れた手紙と続けて披露される。
星が見えない代わりに飛行機の光が夜空を彩ってくれている。
終盤に差し掛かると細美さんが高田さんに話を振ってくれる。
喋ることがないとたじたじになりながらも細美さんに話を促される。The End of Yesterdayをリリースしてから回ってきた旅も北海道を残してあともう僅かで終わってしまう。
高田さんがずっと思ってたことかはわからないが、「またやりましょう」と呟くと会場で今日何度目かわからないがとても大きな歓声が起こる。続けて細美さんが「死ぬまでにあと一回、ここでやろう。」というと拍手が響き渡った。
元々はライブハウスをたくさん周るバンドで、スタジアムをあっという間に埋め尽くすような人気を誇るバンドだ。もしかしたらまたこうして観ることは難しいかもしれない。けれども、この一言は必ずまた会えることを約束してくれたように思えてとても嬉しかった。
「その間は自分の持ち場で、これだけたくさんの仲間がいるんだってことを忘れずに。戦って戦って戦って、勝っても負けても構わない。その先でまた会いましょう。」
Make A Wishはまさにそれを願うように35000人の大舞台で老若男女誰もかもが細美さんと一緒に歌う。5年越しにまた同じ場所でこんなに大勢の仲間と一緒に歌えるなんて夢のようだった。
Make a wish
You'll be fine
Nothing's gonna let you down
Someone's there next to you holding you
Along the paths we walk
そして最後を締めくくるStrawberry Margarita
大好きなフレーズが風に乗って耳に届く。
I'm glad to finally find
I'm glad to finally find
I'm glad to finally find
I'm glad to finally find you
今回、ツアーを行うにあたって様々なスタッフに助力をいただいたことやセキュリティの屈強なお兄さんに「うちのバカどもが大変お世話になりました。」と会釈するシーン。
そしてLAでレコーディングするにあたって助力してくれたRobbie Hiserがこの場に足を運んでくれているという。その感謝の意を込めて演奏されたGoodbye Los Angeles、今日はこれが歌いたい気分と高架線。
もう一曲演奏させてくれとPizza Man。高らかに響くPepperoni Quattro。
歓声と拍手が鳴り止まない中もう一度ステージに出てきた細美さんが感謝の意を伝えてくれた。
「今日見にきてくれたたくさんの…バカども。本当にありがとうございました。」
「ELLEGARDENの休止が決まった日に世界が全部崩れ落ちていくような気が
してた。でもこうやってステージに立っている。」
ELLEGARDENの活動休止から今のこのステージにまた立つに至るまでに人は変わることができること。どんな状況でも生きることを。変わり続けることの大切さを細美さんが伝えてくれた。いつかこんな歌を歌わなくても済む日が来る。と最後に演奏されたのは金星だった。
最後に打ち上げ花火が何発も上がる空を見てパーティーは盛況の中、幕を閉じた。
楽しすぎて気づけば身体中汗でドロドロになっていた。
会場に少し残り、余韻を楽しみつつ飲んだStrawberry Margarita。
あまりアルコールを感じなかったけれどそれでも沁みた。
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