ファッションについて

 僕はどうやら人とファッションに対する興味の持ち方が違うようである。そのことをいつも誤解されているように感じているので、ここに一通りその姿勢を書いておきたい。
 まず僕は自分の身なりにはそこまで興味がない。体を鍛える気もないし、いい服を着る気もない。それは本当にそういう気がないからとしかいいようがない。まあもう少しお金もってたらいい服着ると思うけど、そのためにバイトしようとかは思わない。
 しかし、ファッションに興味がないわけではない。理解不可能なものだとも思わない。ファッション雑誌を読むのはおもしろいし、服をお店に見に行くのも楽しいと思う(買わないしひやかしでしかないからあんまり行かないけど)。
 僕にとってファッションは音楽に似ている。自分は楽器を弾いたりしないし、歌を練習したりもしないけど、色々な音楽を聞くことは楽しい。ファッションに対してもそれと同じような態度でいる。
 自分の着る服とファッションに対する興味がほとんど完全に分離しているので、メンズファッションよりウィメンズファッションに興味があったりする。ここからは単なる僕の趣味の話になるけども、ファッションはメンズよりウィメンズのほうがおもしろいと思う。メンズファッションはずっと同じことをやってるし、ジャンルも不変だし、クロスオーバーすることもほとんどない。あったとしてもしょうもない一時の商業的なはやりで終わってしまう。それに比べてウィメンズファッションは価値観がより多様でジャンルも多様に変化していく。商業的な流行はもちろん大いに存在するが、それが歴史として刻まれていく変化の仕方をしているように感じる。
 メンズファッションに限界があるのは、「かっこいい」が確立されすぎていることにある。これは(かっこいいが強さと直結しているせいで下からの改革がおきないこととか)様々な要因があるが、ひとつ大きい要因が男性の体型はかなり努力次第で可変であることが大きい。女性の体型変化は基本的に痩せるか太るかしかない(痩せ方に様々な流儀があるのは理解しています。)。だからあの人達は永遠に生まれつきの骨格の話をしている。しかし男性は腕立てすれば胸の大きさを変えることができてしまう(胸筋皆無のまな板男のいうことではないとわかっていますが…)。男は骨格の話はしない。筋トレの話ばかりしている。それがファッションにもでている。かっこよくなりたかったらまず鍛えてこいやと無言の(有言のときもあるけど)圧力を感じる。それがメンズファッションをおもしろくなくしている。ウィメンズファッションでは骨格ごとに適したファッションが提案されている。さらにそれぞれの趣味や価値観にあった服がそれぞれの体型に提示されているため非常に多様なファッションが存在している。ここがウィメンズファッションのおもしろいところである。正解は一つではない。しかしハズレは存在する。そのバランスが見ていておもしろい。

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