レノファレディースの活動資金
今日は皇后杯の決勝ですね。広島開催ということで、山口から観に行っている人も多いことでしょう。私は明日の予定に備えてBS観戦で我慢。レノファレディースが目指す一番先頭にいる2クラブとも言えますが、経営面でもいつか比較して学ぶ日が来るでしょうか。それにしても新潟は、政令指定都市とはいえ男女ともに1部リーグで、ともに決勝進出(男子はルヴァン杯)はすごいですね。街がクラブを強くアイシテルからでしょう。
Jリーグで公開しているレノファ山口FCの経営情報については、2023年以降は自計化によりかなり正確にJリーグフォーマットに沿って計上できていると思います。新しくお願いした税理士事務所の提案もあり、会計ソフトはマネーフォワードを使っています。辻社長にはその昔イベントに協力してもらったこともあるし、いくつかのクラブのスポンサーもされているので良い選択だと思っています。ご本人もサッカー好きで、代表戦で何度かお会いしています。
女子チームの収支については、公開している数字のうえでは、2023年の収入が400万円で、運営費が1,200万円となっています。これが800万円の赤字を意味するのかというと、必ずしもそうではありません。レノファは男子も女子も1つの会社で運営しており、その中で女子チームの試合にのみ表示される広告枠に関するスポンサー収入と、完全に女子チームだけが使っている費用をそこに計上しているにすぎません。また、雇用サポート企業の協力といった経営情報には表れない地域の支援も大きな役割を果たしています。
トップパートナーやプレミアムパートナーと呼ばれるオフィシャルパートナー(いわゆるスポンサー)各社には、露出の方法はさまざま異なりますが、男子チームも女子チームもアカデミーチームも、レノファに所属する全チームを応援していただいており、契約書にもそう謳ってあります。ただし、提供できる広告枠には、女子チームだけで目にするもの、U18チームだけで目にするものもあります。それとは別に、1口3万円のクラブサポーター制度や、U15チームを運営する提携団体が当社を通さず直接得ているパートナー収入とそれに対応する広告枠も存在しています。
こういった状況から、U18選手のトップ昇格でも女子選手の加入でも、すべての記者会見はトップパートナーであるupr、山口マツダ、不二輸送機工業(FUJI ROBOTICS)、山口銀行、インバースネット(FRONTIER)、UBE、フジ(マックスバリュ)、富士商GHDの各社ロゴが掲載された同じボードの前で実施しています。
レノファレディースが中国リーグを戦う間は、年間1000-3000万円ほどの費用で賄えると思いますが、全国リーグとなると交通費宿泊費も膨らみそうはいきません。一説にはなでしこリーグ2部で1億円、1部で2億円、WEリーグになると3億円の費用がかかるとも言われています。他クラブの経営情報を見ると、もう少し低予算で運営できているところもありますが、これからは女子チームに関する広告枠広告面自体でそれなりの収入を得ることが重要になってきます。
そのためにも、昨年のファン感謝祭の単独開催もそうですが、単独で露出できるチームになる必要があります。男子チームに隠れるのではなく、他のなでしこリーグ所属チームと同じように、単独で地域に愛され、貢献し、メディアに扱われ、たくましく闘い、夢・感動・元気を与える存在にならなくてはなりません。今はまさにその過渡期といえます。一緒にレノファレディースの成長を追いかけていきましょう。
なお、レノファのトップパートナーのうち、upr、山口マツダ、山口銀行の3社はB3リーグに所属するバスケットボールクラブ、山口パッツファイブの最上位スポンサーでもあります。そのほか、お互いのスポンサーがかなり重なる兄弟クラブのような状態で、山口パッツファイブが拠点とする宇部市はレノファにとっても重要な地域です。レノファを強くすることに最もこだわりながら、山口県がスポーツを楽しみ生活が豊かになる総和の拡大についても意識し、できることは積極的に協力して進めていきたいと考えています。