メッシが神に! なぜ私はドーハにいないのか(後編)
ワールドカップのチケットは、だいたいいつも1年前には販売開始されるのですが、カタール大会では11月開幕ということもあり、今年1月に入ってからでした。私はまた新しい仕事に就任しており、正直行けるかどうかわからなかったものの、ワールドカップはチケットを買う行為も楽しいので、いつもどおりTST7に申し込みました。が、第1期抽選フェーズでまさかの落選。例年より人気が高まっていたのでしょうか。
これまで外れたことがなかったので、少し焦りが出てきました。行けるかどうかはわからないのですが。改めて第1期先着順フェーズで買い直そうとしました。チケット購入サイトがわかりにくく、作りが悪いこともあって、注意しながら購入しようとしている中、持っているクレジットカードがすべて通らない。海外サイトで自動的にストップがかかってしまうようです。先着順なのに翌日まで待って、クレジットカード会社に事前に開けてもらい、ようやく購入することができました。購入したチケットはいかなる理由があってもキャンセルはできません。
購入後のPDFを見て驚きます。購入したチケットはアルジェリアのTST7でした。アルジェリアのグループリーグを観て、勝ち続ければアルジェリアを、負ければ他のチームを応援して、決勝戦まで観られるチケットです。サイトの作りが悪く、初期表示がASCII順でアルジェリアになってしまうのです。最初は慎重に見ていたのですが、何回も繰り返すうちにちょっとずつ確認が雑になっていき、最後の瞬間になぜか日本を選ぶのを忘れていました。この時の絶望感はなかなかのものでした。
ただし、まだアルジェリアのワールドカップ出場は確定しておらず、アフリカ予選の最終プレーオフ(10か国が5枠を争う)を残していました。つまり、アルジェリアが出場権を得れば確定するが、敗退すれば手数料を引いて払い戻しされます。これまで何大会もワールドカップを応援していましたが、初めて別の大陸の縁のないチームの動向を追うという状況になりました。
アフリカ予選がすばらしいのは、すべての大会がYouTubeで観られること。これはファンを増やすには最高ですね。極東の日本から早朝リアルタイムに観られるわけです。海外で働いている人にも応援しやすい。そしてアルジェリアはカメルーンとの対戦が決まっていました。日韓大会で話題になったカメルーンのほうが印象が強いですが、近年のFIFAランキングはアルジェリアの方が上位のようです。これは気になります。
アルジェリアが勝つとチケットが有効になってしまうので、リセールが心配な私はどうしてもカメルーン寄りです。なのですが、初戦はカメルーン最大都市のドゥアラで行われ、アルジェリアが勝利。アウェイゴールも手に入れました。4日後にアルジェリアのブリダで行われる第二戦に注目です。このゲームが本当におもしろくて、今でもYouTubeにありますので、ぜひ私と同じ気持ちになってご覧ください。(フルマッチ、マッチハイライト)
カメルーンが22分にコーナーキックのこぼれ球を決めて先制し、条件が並びます。これで試合が白熱し、どちらも果敢に攻めるものの延長に突入。そのまま攻め続ける中、次に試合が動いたのは118分。アルジェリアが先に決めて、そこからあからさまな時間稼ぎに入ります。すると今度はアディショナルタイムにカメルーンが決めると、アルジェリアにスイッチが入り、カメルーンは時間稼ぎに。試合はそのまま終了し、カメルーンがワールドカップの出場権を手にしました。
こうして私のアルジェリアTST7は払い戻しが決まったのですが、第1期中には再度購入することができず、第2期販売フェーズではTST7がなかったため、日本のグループリーグのチケットと、ノックアウトステージの条件付きチケットを購入することになりました。なので日本が決勝まで進んだら、再び舞い戻ることも頭の片隅で考えてはいたのですが、結果としては航空券どおりにグループリーグで帰国しました。そして、決勝戦は自宅で観戦となりました。
4年後のワールドカップ、北米大会がどんなレギュレーションになるのかわかりませんが、今のレギュレーションはなかなか良いのではないかと思います。今一度32か国案を議論してもいいかもしれないですね。また、セントラル開催はたくさんの試合を観ることができる代わりに、たくさんの人が観ることができていないかもしれない。蛇足ですが、ライーブは史上最高の大会マスコットになりそうな気がします。