47都道府県のセントラルスタジアム(3/3)
中国 (鳥取、島根、岡山、広島、山口)
鳥取県の高校サッカー決勝は、鳥取市のAxisバードスタジアムです。ガイナーレ鳥取のホームスタジアムでもあります。まごうことなきセントラルスタジアムです。ほかに米子市にオールガイナーレYAJINスタジアムもあります。2007年にJFL加入、2011年にJリーグに加入した、レノファからすると先輩のクラブです。
島根県の高校サッカー決勝は、今年は益田市の島根県立サッカー場で開催されました。松江市営陸上競技場や島根県立浜山公園陸上競技場で開催されることもあるようです。天皇杯代表クラブは、Jリーグを目指すベルガロッソいわみで、浜田市を拠点に活動しています。県庁所在地で人口集積地の松江市には、以前JFLの松江シティFC(最後の1年だけFC神楽しまね)がありましたが、残念ながら解散しています。
岡山県の高校サッカー決勝は、岡山市のJFE晴れの国スタジアム(旧シティライトスタジアム)で開催されています。今年からJ1で戦うファジアーノ岡山のホームスタジアムであり、岡山駅からも徒歩10分程度と、すばらしい街中陸上競技場です。15,000人規模ということで、新スタジアム待望論も出ています。新しいセントラルスタジアムの実現に注目したいところです。
広島県の高校サッカー決勝は、エディオンピースウイング広島で開催されます。サンフレッチェ広島とレジーナのホームスタジアムで、間違いなく広島県のセントラルスタジアムであり、日本代表戦も開催される関西以西の代表的なスタジアムになりました。
山口県の現時点でのセントラルスタジアムは維新みらいふスタジアム(維新百年記念公園陸上競技場)です。高校サッカーの決勝が開催され、レノファ山口FCのホームスタジアムとして利用させていただいています。レノファレディースがなでしこリーグに昇格したら、使わせてもらえると嬉しいです。そしてその先には、21世紀らしい高規格サッカースタジアムが必要なのかどうなのか、県域全体で議論が進んでいくと良いなと思います。
四国 (徳島、香川、愛媛、高知)
徳島県の高校サッカー決勝は、収容人数5,800人の徳島市球技場で開催されています。徳島ヴォルティスのホームスタジアムは鳴門市のポカリスエットスタジアム(鳴門・大塚スポーツパーク陸上競技場)です。徳島ニュービジネス協議会という経済団体が、徳島駅北側の国有地と市有地に新スタジアムを招致しようとする動きがあるようです。
香川県の高校サッカー決勝は、高松市の県総合運動公園サッカー・ラグビー場で開催されています。カマタマーレ讃岐のホームスタジアムは収容人数3万人のPikaraスタジアム(香川県丸亀競技場)です。来月中四国最大級の1万人を収容できる新アリーナがオープン予定ですが、新スタジアムについてはどうなのか気になるところです。
愛媛県の高校サッカー決勝は、松山市のニンジニアスタジアム(愛媛県総合運動公園陸上競技場)で開催され、愛媛FCのホームスタジアムにもなっています。県内にもうひとつのJクラブFC今治は、アシックス里山スタジアムという新スタジアムを所有しています。今年J2に昇格したため一定期間内に拡張することが求められますが、つまり数年後に席数も整った高規格サッカースタジアムが実現することになります。今後高校サッカーや天皇杯県予選に貸し出すのかは不明ですが、聖地化していくのは間違いないですね。一方松山でもスタジアム議論が始まっています。
高知県の高校サッカー決勝は、高知市の春野総合運動公園陸上競技場で開催されます。今年からJリーグに加入した高知ユナイテッドSCもホームスタジアムとして利用すると思われます。昇格のエネルギーは極めて大きいので、今後新スタジアムの議論に発展するのか、状況に注目したいと思います。
九州 (福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
福岡県の高校サッカー決勝は、博多の森陸上競技場で開催されています。同施設内のベスト電器スタジアム(東平尾公園博多の森球技場)がアビスパ福岡のホームスタジアムになっています。福岡県のセントラルスタジアムですね。もし地下鉄がもう一駅伸びることがあれば、極めて便利な交通アクセスとなります。
佐賀県の高校サッカー決勝は、鳥栖市の駅前不動産スタジアムで開催されます。サガン鳥栖のホームスタジアムでもあります。鳥栖駅すぐそばの、街中スタジアムの走りと言って間違いない環境かと思います。
長崎県の高校サッカー決勝は、昨年は諫早市のトランスコスモススタジアム長崎(長崎県立総合運動公園陸上競技場)で開催されました。ご存じのとおり、Vファーレン長崎のホームスタジアムは長崎市のピーススタジアムに移りました。今後高校サッカーや天皇杯がどこで開催されるのか気になりますが、場所的にも、心理的にも、すでにピーススタジアムがセントラルスタジアムになっているものと思います。
熊本県の高校サッカー決勝は、熊本市の水前寺競技場で開催されています。収容人員は15,000人で、かつては横浜フリューゲルスのホームゲームも開催された歴史があります。ロアッソ熊本のホームスタジアムは、収容人員32,000人のえがお健康スタジアム(熊本県民総合運動公園陸上競技場)です。クラブは着実に成長しており、今後新スタジアムが具体検討されるのか気になるところです。
大分県の高校サッカー決勝は、レゾナックドーム大分で開催されます。ワールドカップレガシーの4万人スタジアムで開催するあたり、高校サッカーも人気だろうことがわかります。大分トリニータのホームスタジアムでもありますが、ユニフォームスポンサーであるTKP河野社長が新スタジアム議論の口火を切っており、今後の行方が楽しみです。
宮崎県の高校サッカー決勝は、新富町いちご宮崎新富サッカー場で開催されます。テゲバジャーロ宮崎や、なでしこリーグ1部を制したヴィアマテラス宮崎のホームスタジアムでもあります。気候の良い場所にあり、両クラブの成長にあわせて観客席を拡張していけば、とても素敵なスタジアムになり、サッカーの聖地になっていくでしょう。
鹿児島県の高校サッカー決勝は、鹿児島市の白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)で開催されます。鹿児島ユナイテッドFCのホームスタジアムです。一時期は新スタジアム議論が大きく取り上げられていましたが、その後あまり耳にしていません。とはいえ60万人規模の大都市なので、いずれしっかりとしたものが整備されていくのだろうなと思います。
沖縄県の高校サッカー決勝は、タピック県総ひやごんスタジアムで開催されています。FC琉球OKINAWAのホームスタジアムです。新スタジアム構想も具体的に場所が指定され、1万人規模のサッカースタジアム(将来的に2万人規模に拡大予定)が2031年ごろに会場されるという話になっています。
まとめ
以上、47都道府県について、サッカーのセントラルスタジアム事情を調べてみました。間違いがあったら教えてください。また、この企画に取り組むのがやや間違いだったので、次は気付いたら止めてください。ともあれ、日本中に十分な環境が整備され、サッカー文化が根付いて、サッカーで熱狂し、世界に出かけてもサッカーで会話ができるような、公園でボールを蹴り合うような、そんな未来に期待しています。