vol.2 あずさちゃんのフツウの子育て
100人のフツウの子育て、
第二回のゲストはあずさちゃんです。
函館出身、高1男子、中2男子、小5女子、
三人のお子さんのママ。
明るく朗らかな笑顔や知的な佇まいが
印象的な女性です。
ライターでもある彼女の発想力、文章力は
唯一無二の魅力があって、
Facebook投稿には多くのファンがいます。
HOCORUタッチケアセラピストでも
あるのだけど、その愛にあふれた
柔らかな光に包まれている
あずさちゃんからは想像できないほど、
壮絶な子育て物語がありました。
家庭内ラブストーリー
あずさちゃんとご主人は
中学の時の同級生。
ご主人は高校一年生の頃から
あずさちゃんに想いを
伝え続けてきたんだそう。
大学時代は彼が青森、
あずさちゃんは東京と遠く離れてしまい、
しかもあずさは彼氏が出来たりして、
全く振り向いてくれないのに、
想い続けてくれたご主人。
まずここがすごいよね!?
ドラマだよね!
想い続けて7年ほど経ち、
ようやくあずさちゃんの心が
ご主人に向くことになります。
ずっと成績優秀だったあずさちゃん。
大学での勉強や就職で挫折を味わった頃、
親御さんにも弱音を吐けず、
一人ぼっちで悩んでいる
あずさちゃんに寄り添って、
味方になってくれたのはご主人だったとか。
なんと深い愛なんだ。゚(゚´д`゚)゚。
ご主人は今でもあずさLOVE。
お家の中でもあずさについて回る
合法的家庭内ストーカーだとか笑。
ふふふ、幸せじゃのう♪
頑張り病・優等生あずさを「治療」した3人の子ども達
さて、いよいよ子育ての話。
あずさちゃんのお話を聴くほどに、
三人の子どもたちは、
「努力と根性で頑張り続けてきた
優等生あずさ」の「頑張り病」を
治療するために生まれてきたんだな、
と私には思えてしまうんだよね。
あずさちゃんは勉強も、仕事も、
家事も、育児も、とにかく頑張っていた。
元来怠け者な私からすると超人的な
ガンバリスト。
でも、一方で我慢したり、疲れたり、
辛かったり、苦しかったりすることも。
子どもたちは、努力と根性では
どうにもならないことを体を張って伝え、
あずさちゃんを努力と根性と頑張りから
解放してくれたように思えるのです。
「もっと楽に、頑張らないで、
楽しんで生きて良いのだよ」と
教えてくれたんだなぁ、って。
しかし、その治療は
長く辛いものとなりました。
(今、振り返れば、夢のように
愛あふれる時間なのだけど)
三人のドクターが次々とやってきて、
いろいろな薬を処方し、治療し、
大手術までして、今現在の
「明るく朗らかな笑顔の、本来のあずさ」
に回復していくストーリー。
ここからはドクター(お子さん)
一人一人の治療を振り返ってみましょう。
第一次治療:
長男ドクターYの投薬「食べない・寝ない」
初めての子、Yくんは
「食べない・寝ない」子だったそう。
絶っっっ対に離乳食を食べないことから
長男に「ラマダン」とあだ名をつけたとか笑。
(ネーミングセンス!)
知識豊富な優等生あずさちゃんは、
食べないと栄養が偏る、脳が、虫歯が、
と心配し、食べさせるための方策を
調べまくり、色々やるけど食べない。
食べないとまともな子に育たない!
と強迫観念にとらわれていたそう。
夜も寝ない。
ワーママだったあずさちゃんは、
夕方に保育園に迎えに行き帰宅、
ご飯、お風呂と済ませ、
寝かしつけの読み聞かせを
2時間もしていたとか!!
もう一回、もう一回と
無限に言い続ける子どもたち。
読まないと泣き叫ぶ。
読めば2時間は静か。
という恐怖の二択に迫られて
読み続けていたらしい。
もはや拷問に近い。
もしかしたら冷静な人たちや
大らかな人たちは
「そんなに頑張らなくてもいいのに」
なんて思うかも知れない。
でも、根性の座った
ガンバリストあずさちゃんは、
頑張ってしまうのだ。
私が子どもをまともに育てなくては!
調べて考えて努力すればできるはず!と。
長男ドクターYの
「食べない・寝ない」薬は、
あずさちゃんに
「子育て本の通りにしても
うまくいかない」等
いくつかの気づきを与えつつ、
治療の決定打にはなりませんでした。
第二次治療:
次男ドクターSのレーザー治療「言うこと聞かない・危険なことばかりする」
次にやってきた次男ドクターS、
更に強力な「言うこと聞かない、
危険なことばかりする」レーザー治療を
あずさちゃんに施しました。
目を離すとどこかへ居なくなる、
骨折してギブスをつけていても
ピアノから飛び降りる、
信じられないくらい高いところへ
登っている、
植木鉢の土を食べる、
お仕置きでベランダに出すと、
物干し台で鉄棒をしている
(すげー運動神経!)
叱るとハーイ!と返事をして
2秒後にはまた同じ事をする。
お兄ちゃんは説明すると理解して
同じ間違いはしないタイプだったのに、
次男Sくんは理屈が通用しない。
書いているだけで目が回るけど、
優等生あずさにとって
理解不能生物だったに違いありません。
また、生後6ヶ月で立ち、
9ヶ月で歩き始めたとか。
(早い。早すぎるぜベイベー泣)
長男がまだ3歳という幼さで、
スピーディーかつパワフル
かつ理解不能な赤ちゃん怪獣を前に、
どんなに大変だったろう!
呆然とするあずさちゃんが目に浮かびます。
しかし、長男も次男も
「おかあしゃん、ごめんなしゃい」
とか言って、結局は可愛い。
そこで、ど根性あずさは
まだまだ頑張れてしまうのでした。
どんなに疲れていても、大変でも、
私がこの子たちをしっかり育てるのだ。
「言うこと聞かない、
危険なことばかりする」レーザー治療でも
あずさは完治しなかった。
アンタ、どんだけ頑張り屋なんだい!!
あたしゃ泣けてくるよ!
第三次治療:
長女ドクターCによる大手術「言うこと聞かない・謝らない・可愛げない」
さあ、いよいよ三人目のドクター投入です。
「私、失敗しないので」と、
威風堂々生まれてきた長女Cちゃん。
ドクターXばりにメスをふるいました。
大手術ですよ。
Cちゃんは、持てる力を全て発揮します。
「言うこと聞かない・謝らない・
可愛げない」
NAI NAI NAI♪恋じゃない♪
とシブがき隊が歌い出しそうだ。
子どもでここまで徹底できる人は
そうそう居ません。
兄たちが遊んでいるところへ行き、
ゲームを足で蹴散らかして困らせる。
絵本を読むと一行おきに
「なんで?」と聞いてくる。
「あら、可愛いじゃない!」と言った、
そこのご婦人!シャーラップ!
「ぼくらのなまえはぐりとぐら」
「なんで!?」
「このよでいちばんすきなのは、
おりょうりすること、たべること」
「なんで!?」
「みちのまんなかに
たまごがおちていました」
「なんで!?」
最初は「どうしてかな~?」と
優しく答えていたあずさちゃんも
読み終えた頃には絵本をぶん投げて
「もう読まない!」となる。
そりゃそうよね、
この部分だけ読んだら
面白可愛いエピソードだけど、
その前後には膨大な頑張りと我慢が
継続しているんだから。
更にはCちゃん、悪いことをしても
絶っっっ対に謝らない。
家族全員を敵に回して戦う。
あずさちゃんの頑張る根性も凄いけど、
ドクターCの根性もすごい。
ある炎天下の日、へそを曲げたCちゃんが
熱々のアスファルトに寝転び
微動だにせず抗議。
根負けしたあずさちゃんが
抱きかかえて連れ帰る。
その時、大きな敗北感に襲われたそう。
根性VS根性の戦いで
敗れた気持ちになったんだね。
どのように「頑張り病」が
完治したのか
あずさちゃんはドクターCの大手術を受け、
とうとう、とうとう、
「私にはこの子を育てられないかも」
という感情に襲われました。
それは言い換えるなら
「頑張れないかも」ということでしょう。
おっ!治療の効果か???
その頃を境に、子どもたちが順々に
学校へ行かなくなります。
学校に行かない子どもたちを見て、
あずさちゃんは
「子育て失敗してしまった。
思ったように育たなかった。
まともに育たなかった。
まともな子に戻さなきゃ」と
アチコチに相談しに行くようになります。
カウンセラーさんと話したり、
人の話を聴いたり、
講座に参加してみたり。
必死の思いで抜け道を探しました。
その中で、素直なあずさちゃんは気づきます。
「ずっと子どもたちに問題があると
思っていたけど、もしかして自分???」
そこにフォーカスし始めてからは、
今までの全ての出来事が
違って見えてきたんだそう。
「子どものためと思って頑張ってきたけど、
自分の思い通りにしようとしていたかも」
「情報で子育てをして、
子どもがしたいこと、心地よいことには
目を向けていなかった気がする」
この気づきの後から
少しずつ子どもたちが落ち着いてきます。
また学校に行くようになり、
最悪に仲の悪かった兄弟が仲良しになり、
Cちゃんは「ありがとう」や「ごめんね」を
言うようになりました。
家の中の空気が、
窓を開けて入れ替わるように、
あずさちゃんの家族が変わった。
家族を「変えた」のではなく、
「自然と変わった」のです。
あずさちゃんの元に
次々と送り込まれた3人のドクターが
身命を賭して治療した結果、
あずさちゃんは「頑張り病」から
解放されたのでした。
しかし、なんて勇気のあるドクターたち!
これは刺し違える覚悟の、
とんでもなく大きな愛がなければ
できない治療でした。
頑張らなくても幸せでいられること。
頑張らなくても愛されること。
子どもたちが身をもって
教えてくれたんだね。
子どもの愛はとてつもなくでっかい。
あずさちゃんにとって
子育てとは
一般的に「親は子どもに育てられる」って
言うけれど、あれは本当だと思う、
とあずさちゃん。
「でも一般的な言葉では、どこかまだ
大人が上から目線で言っている気がする」
確かに謙遜というか、比喩的な意味で
捉える場面も多いよね。
あずさちゃんは言葉を続けます。
「親は子どもが離乳食を食べてても、
おむつしていても、アンタ未熟者だな!
なんて叱ったりしないよね?
小さいんだからしょうが無いねって思う。
それと同じレベル感で、
子どもも親に対して、
しょうがないねって思って
許してくれている。
育ててくれていると感じる。
成長した親を見て子どもは、
よしよし、だいぶ成長したね、って
喜んでくれている気がする。
自分の子育てを振り返ると
後悔の痛みも沢山あるけれど、
それも財産だと思いたい。
本当にありがとうって
気持ちでいっぱい」
今は毎日、子どもたちが可愛くて、
嬉しくて、沢山触れあって幸せ!
と大きな笑顔。
どろんこになって、
ズタボロになりながらも
親子で育て合いをしてきた、
あずさちゃんの笑顔はすがすがしい。
あずさちゃんは「後悔の痛み」
という言葉を口にしたけれど、
後悔の痛みが強いほど、
感謝の気持ちも強いよね。
こんなにも親から
感謝される子どもたちって、
最高に幸せだと思うな。
さいごに
あずさちゃんは自身の経験から、
子育てで苦しいママたちの気持ちを
心の底から理解し、
共感できる存在だよね。
こう問いかけてみたら、
「これから私も『聴くこと』で
人を明るく元気にしたい!
ベビーマッサージやコーチングで
子育てする人に寄り添っていきたい。
自分で自分の首を絞めているその手を
一緒に外してあげたい」
こんな風に話してくれました。
経験こそ宝だよね。
どんなに苦しい経験だったとしても、
それは必ず多くの人の役に立つ。
頑張り病が治ったあずさちゃん。
これからは「こうしたい!」と
ワクワク、ニコニコしながら頑張る
健康なガンバリストになりそうだな。
あずさちゃんのこれからが
楽しみでなりません!
あずさちゃん、
素敵なお話をありがとうございました✨
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