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シチリアで何食べた?
イタリアに行った。
シチリアの東海岸だ。
ゴッドファーザーおたくなのに、人生初めてのシチリア島。
紀元前よりギリシャ植民地として発達したシチリア。
見るべきものは多い。
2500年以上前の遺跡がそこら中にゴロゴロある。
しかし❗️観光より大事なのは、一日3食➕オヤツに何を食べるかということなのだった。
カターニャの空港からシラクサに行くバスにひと足ちがいで乗り損ねた。
これでは夕食はかなり遅くなってしまう。
次のバスを待つ間、
「揚げおにぎり食べるか?」と連れ合いが訊く。
は❓何それ❓
頭から出た吹き出し💬には、ドイツ人が好きな揚げ巻き寿司の絵が浮かぶ。
コレだ、と連れが指した空港カフェのショーケースには、頭の尖った大きめの卵のような揚げ物が軍隊のように整列している。
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「このクロケット下さい。」
と言うと、店の人は、
「クロケットじゃない!これはアランチーニだ!」と言う。
炊いた米に、チーズやらナスやら玉ねぎやらなんでも良いのだが混ぜて、団子にしてパン粉をつけて揚げたものがアランチーニ。
ナス入りを買って受け取ると、どっしり重い。
そして大きい。
女性のこぶし大。
揚げ物大好き人間の私、美味しい…
夜はシラクサのオルティージャ島に繰り出す。
ドゥオモ広場はシーンとしている。
石畳が雨に濡れ寂しい。
まだ夜9時半だよ?
何故レストランがみんな閉まっている?
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雨もよいの月曜日、オフシーズンのシラクサの夜は悲しいほど静かなのだった。
「もう、今日は探すのヤダ!」
とアパートメントそばのレストランに入ることにする。
そろそろ最後の客がはけそうな時間になっており、新参の客を店のオジサンが迷惑そうに見る。
「この皿下げたら仕事上がれるのに、今頃来やがった。」
と顔に書いてある。スイマセンねえ。
オジサンの不機嫌な圧に負け、
「揚げおにぎり食べちゃったから、前菜とパスタくらいにしよう。」
急いで決める。
全然期待していなかったのだが、このパスタ、当たりだったんですねえ。
私のは、リコッタチーズのラビオリ、ピスタチオソースかけ。
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連れ合いは、テキトーに選んだトマトソースのリングイネ。
これがまた美味しい。
なにが入ってるんだろう?
アンチョビ。
瓶から出したまんまの細長いやつがペロンペロンと入ってる。
あと松の実と干し葡萄。
ソースはトマト。
パスタの上のそぼろ状のものは何だろう?
これがイケるんですけど。
不機嫌オヤジに聞く。
オジサンは、仕事終わりが見えてきたので少し機嫌がなおっていて、携帯を取り出し翻訳アプリに単語を入れる。
パン粉、でした。
から煎りしたパン粉がかけてあるらしい。
それがトマトソースを吸って、何ともいえない味がする。
ふーん、単純だけど美味しい。
アパートメントに戻ってテレビをつける。
まずニュース番組。
イタリアもEU🇪🇺だから、ドイツと共通のニュースも多い。
が、ドイツより深刻さが少ない感じ。
イタリア語は全然分からないが、雰囲気が。
アナウンサーのネクタイが派手な柄物だったりね。
そしてお料理番組。
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という番組らしい
今日はフェンヒェル(ドイツ名)のパスタ。
フェンヒェルは日本では茴香(ウイキョウ)ですかね。
漢方って感じで、あまり馴染みがないかもしれないが、ドイツではスーパーのスタンダードナンバー。
いつもちゃんと売られている。
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甘い香りがするが、生で食べると薬草みたいな癖があって、葉っぱはディルに似ている。
パパガロおじさんは、お喋りしながらこのフェンヒェルを薄く切る。
フライパンにドボドボとオリーブオイルを注ぎ、そこに潰したニンニクとスライスしたフェンヒェルを入れる。
ホイホイっと炒めたら、オリーブ🫒入れて茹でたペンネと混ぜて皿に移し、レモンの皮をすり下ろしてかける。
フェンヒェルの葉っぱも刻んでパラパラ。
出来上がり❗️
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すっごい簡単で美味しそう。
イタリア人、天才❗️
毎日朝からリコッタチーズのブリオッシュとコーヒー。
お茶の時間にはカノーリ。
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夕食前の一杯はスプリッツ。
ブルスケッタやピーナッツが付いてくる。
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幸せは長くは続かない。
1週間後、アザラシのようにパンパンの身体でドイツに戻った私は、数日間胃痛に悩まされることになったのだった。