SmartHRのアクセシビリティテスター~ロービジョン(弱視)の私が公共交通機関を避けている話~
ロービジョン(弱視)の私が公共交通機関を避けている話
SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬と言います。
私はロービジョンになって一人暮らしを始めてから極端に外出する機会が減りました。一人暮らしをする前は通院や自立訓練施設に通うためにバスに乗ったりしていましたが、現在の外出する目的は通院と運動目的くらいです。通院する病院はほとんど近所の歩いて行ける場所にありますし、運動も近所を回るくらいです。
そのため外出する時に移動手段として公共交通機関は基本的に選択肢にはありません。そもそも病院を近所で固めたのは公共交通機関に乗りたくないということが理由になります。今回はロービジョンの私がなぜ公共交通機関(バス・電車)を避けているのかについて詳しくまとめていこうと思います。
バスについて
私が一番乗る機会の多い公共交通機関はバスになります。バスに乗るにあたって個人的に大変だなと思うことは乗るバスの行先が分かりづらい事です。
停留所で待っている時にバスが一台だけ来るとアナウンスが聞き取りやすいので行先はまだ分かるのですが、何台かが同時に来るとアナウンスが聞き取りづらいためどのバスが目的地行きなのかがわかりません。
そのため、一度乗って行先を確認して違った場合降ります。他のバスが目的地行きだったら確認している間に乗り遅れてしまうので、もう一本バスを待つ必要があります。私の場合はバスに乗っての移動はかなり時間に余裕を持って移動します。できれば一度乗って確認する方法はあまりしたくないのですが、乗る場所によってはアナウンスの音が反響するところもあるため、どうしても一度乗って確認する必要があります。
また、乗ってからも問題があります。乗ってすぐにICカードをタッチさせますが、バスによってタッチさせる機械の場所が違うので分からない場合は最悪降りるときに乗った場所を運転手に伝えて清算してもらいます。
そして、どの座席に座って良いのかが分からないので、私がよく乗るバスは乗ってすぐ左側が優先席になっているので座って人がいるかをどうかを残存視力で確認します(主に色の具合で)。
人が既に座っている場合は、他の席のどこが空いているのかまでは残存視力でわからないため立ちます。運転手によっては乗ってすぐに空いている席を教えてくれるので、その席に座るようにしています。
私が住んでいる地域では路線バスの会社が何社かあり、バスの会社によって「停まります」ボタンの場所が違います。会社によって座席の裏や窓枠、天井や柱など多種多様なのでどうしてもわからない場合は「次降ります」と声を出して運転手さんに伝えます。私はそこまで声に出すことに対して抵抗はありませんが、人によっては声を出すのが苦手な人もいると思うので出来ればどの会社もボダンの位置を統一にしてほしいとは思います。
電車について
私は電車に極力乗らないようにしています。その一番の理由は駅にたどり着くのが難しいからです。
乗ること自体は問題なく乗れるのですが、私の住んでいる地域は田舎なのでには点字ブロックの整備が整っていないため駅までつながっていません。そのため、自分の目印を探しながら道を覚える必要があります。(これがとても大変)
人によっては駅員さんがいないと困るという人もいますが、私の場合は駅についてしまえばこっちのものなので、どちらかというと行き来するための点字ブロックの整備に問題があると感じています。
電車から降りてから改札に向かうときにエスカレーターがある場合、駅だけに限りませんがエスカレーターへの点字ブロックが途中で切れているので、エスカレーターに乗るのも人の波が収まってから迷惑にならないように探しながら乗るようにしています。待っていると職員さんが声をかけてくださる時もあるので、そういった場合は案内していただきます。
バス停に限らず駅でも音が反響して聞こえてしまうので、一人で行動する場合は何事においてもある程度人の波が収まるまでは待つようにしています。
田舎特有なのかもしれませんが、降りる場所によっては進行方向に向かって一番前の車両の一番前の扉しか開かないということもあるため、乗る電車は常に一番前の車両の一番前付近に乗るように心がけています。
まとめ
今回は私が公共交通機関を避けている理由をまとめてみました。
私は電車よりもバスの方が楽に乗れると感じていますが、これに関しては人それぞれだと思います。障害の度合いや種類、ストレスに感じるところも様々だからです。
特に人が多い場所に住んでいる方だと同じような悩みにはならないでしょうし、私は田舎に住んでいるので通勤時間さえ避けてしまえば人が多くて困るということはあまりありません。それでも乗ることに対して私は少し抵抗があるため、普段は乗らないように工夫した結果、自宅の周りですべてか完結するようにしました。
私のケースは比較的珍しいかもしれませんが、視覚障害になった人は家にこもりがちになると聞いたことがあります。
普通に外に出る際に公共交通機関を使用するのが億劫でも、もっと気軽に外出できるようなアプリなどが開発されたらいいなと今回記事をまとめていて感じました。
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