SmartHRのアクセシビリティテスター自己紹介 ~よく聞かれるロービジョン(弱視)の話~

よく聞かれるロービジョン(弱視)の話(障害特性)

SmartHR、プログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬といいます。
私は3年前に病気でロービジョンになりました。ロービジョンになってから、色々な方に現在の目の見え方や、どのように仕事をしているのかとよく聞かれます。

実際にロービジョンといっても病気によるものや加齢によるものなどがあり、見え方も様々で、抱える問題も一概に同じとは言えません。

今回は私の場合のロービジョンとしての

  • 現在の視力や見え方

  • パソコンを使用して起きる問題点と解決法

  • スマホやタブレットを使用して起きる問題点と解決法

の3つを紹介したいと思います。

1.現在の視力や見え方

  • 私の両目の視力は0.01以下で右目は右上が、左目は下半分が視野欠損しており、また視野狭窄も有ります。

  • 色の判別はできますが、両目で物を見ようとすると物を見ると歪んで見えたり、ねじれて見えます。

  • 例えるなら何重にもぶれた濁った万華鏡を見てるみたいに見えていて、すぐに気分が悪くなってしまいます。

  • 両目を開けて生活することはつらいので、普段は左目に眼帯をしています。これだけでもかなり見え方が良くなったように感じます。
    ただ、眼帯の消耗が激しいので、定期的に購入する必要があります。

  • 残存視力で物を確実に見ようとしたら、目から大体3~4cmぐらい近づけないと見えません。

  • そのため、目の前に人が立っていても着ている服の色以外はすべてわかりませんし、そもそも人かどうかも分かりません。

  • 物体との距離感も分からないため自分の部屋でもしょっちゅうぶつかったり、こけたりします。
    初めの頃はぶつかったり、こけたりするのは特に気にしていなかったのですが、去年部屋でこけて骨折したことがあり、それ以来はかなり気を付けるようになりました。

  • 光に対しても敏感になっていて、眩しくても薄暗くてもよく見えなくなっています。

私が実際に文章を読むときに見るためには

これぐらいの拡大が必要になります

2.パソコン業務でおこる問題点と解決法

  • 仕事で使うパソコンの画面は背景が白色だとまぶしく感じるため、アクセシビリティ機能を使用して背景は黒色に文字色は白色にしています。

  • マウスポインターはサイズを大きくして色はピンク色にカスタムしています。

  • 普段はスクリーンリーダーを使用して業務を行いますが、音声だけで分からない場合はパソコンの拡大鏡を使用したり、見える方に
    代わりに見て頂いたりします。

  • キーボードは凹凸がはっきりしたものを使用して、手で触ったときに分かりやすいように目印になるシールも張って作業しています。

  • 片目で目を使用した作業などを行っていると、一定時間で目が痛くなります。一度痛みが出るとすぐには引かないため、痛みが出ないように作業を行うようにしています。

  • しかし集中していると長い間目を使用してしまい、すぐ目が痛くなってしまうため、一定時間でスマホのアラームを鳴らすことで休憩をとるようにして休みながら作業を行うようにしています。

3.スマホやタブレットを使用して起きる問題点と解決法

スマホはiphone、タブレットはipadを使用しています。
理由は両方ともに視覚サポートをしてくれるアクセシビリティがあり、特に拡大鏡、 VoiceOver機能をよく使うためです。

  • iphoneの画面がズーム機能で拡大してもよく見えない場合があります。
    その場合はVoiceOverでその画面を読み上げてもらい、内容を確認します。

  • ipadの画面が拡大しても見えない場合がありますが、その場合はiphoneの拡大鏡をipadの上から使用して確認するようにしています。

  • タブレットでの買い物の場合は購入画面を絶対に読ませるようにしています。
    過去に数量や金額を拡大鏡を使用して間違えたため

以上が私のロービジョンの特性になっています。
上記しましたが、ロービジョンも多種多様で、これが普通だとは言えませんが弱視になるとこういった問題があって色々工夫して普段作業を
していること知ってもらえると幸いです。

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