第8回スクプロ講座(Speech History編)
第8回スクプロ講座(Speech History編)
SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬と言います。
今回は8月21日にプログレッシブデザイングループ所属で私の上司でもある辻勝利(つじかつとし)さんのもとで行われた第8回スクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座(スクプロ講座)について報告していこうと思います。
辻さんは弊社のアクセシビリティスペシャリストであり、またNVDA日本語チームの代表でもあるスクリーン・リーダーの第一人者になります。
このスクプロ講座は私だけでなく色々な方にも有意義な情報になると思い、前回に引き続き会話形式で記事にしてみました。
※スクリーンリーダーはNVDAとPCトーカーを使用しています。
目次
はじめに
Speech Historyとは
タブの復元や履歴を使ってみよう
chromeのアドオンを入れてみよう(コピーアズマークダウン)
まとめ
最後に
はじめに
辻:はい、それではスクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座今日は何回目かな?
柳瀬:多分8回目くらいですね。
辻:ありがとうございます。それでは今日もお話をしていこうと思います。
柳瀬:よろしくお願いします。
Speech Historyとは
辻:この前からちょこちょこNVDAが読み上げた内容をクリップボードにコピーする話とかをしていると思うんですが、記事を書いたりするときに便利そうなコマンドとかをまとめて紹介していこうと思います。ひとつはこの間紹介したSpeech Historyっていうアドオンですね。
柳瀬:F12ですよね。
辻:そうそう。今リンクを送りました。これがSpeech Historyのアドオンですね。アドオンというのはもともとスクリーン・リーダーに備わっていない機能を後からプログラムを書いてくれるえらい人々が追加してくれたものですね。もともとNVDAには前に読んだところをクリップボードにコピーする機能はないんですが、Speech Historyというアドオンを入れれば前に読んだところをクリップボードに入れてメモ帳などにテキストで貼り付けることができるようになります。
柳瀬:使えるようになるってことですね。
辻:そうですね。基本的には今読んだものをクリップボードにコピーしたい場合にはF12を押していただくと。ちょっと前、Speech Historyというぐらいですから少し前にさかのぼることができるんですね。Shift+F11で前に戻る。Sift+F12で戻ったものを一番新しいものに進めることができます。そして、コピーしたい場合はF12を押すということになります。
タブの復元や履歴を使ってみよう
辻:もう一つリンクを送りますね。これは開くと音楽が鳴り出すというリンクですね。で、こういうコンテンツって会議中にもらうと結構困るじゃないですか。
柳瀬:そうですね。
辻:会議中の音も聞きたいけれど、開いたリンクの音も気になるし。そういう時に僕がよくやるのは一回開いてCtrl+Wですぐに閉じちゃうんですね。
柳瀬:はい。
辻:そうすると、後で参照しようとする際にわからなくなっちゃうんですよね。
柳瀬:そうですね。
辻:さっきもらったリンクはどれだろうって感じで。そん時に使えるのがCtrl+Shift+Tという機能がchromeにはあって、それを押すと前に開いたtabを一つずつ開きなおしてくれるんですよ。
柳瀬:そんな機能があるんですね。
辻:ちょっと押してみてもらっていいですか?
柳瀬:一度開いてから閉じたうえで押せばいいんですね。
辻:そうそう。
一度開いてから閉じてCtrl+Shift+Tを押すと閉じたリンクが開きなおす
柳瀬:おぉ~
辻:これが結構便利でCtrl+Shift+Tを押すたびに閉じたtabをどんどん開きなおすんですよ。なので、記事を書いているときにこのコンテンツを紹介したいというものがあったとして、ちょっと今手が離せないというときに一度閉じてあとで余裕ができたときにCtrl+Shift+Tで開きなおすことができるので使えるかなと思います。
柳瀬:これは助かりますね。
辻:ただ一つ気を付けていただきたいのが、ブラウザを閉じると消えてしまうんですよ。なので、ブラウザは閉じないように気を付けてください。
柳瀬:それは確かに気を付けないといけないですね。ブラウザごと消してしまうことがあるので。
辻:そうそう、気を付けてください。
柳瀬:わかりました。
辻:でもブラウザさえ閉じなければさかのぼって開くことができるので便利だと思います。他にこっちが王道の使い方だと思うんですが、Ctrl+Hを押すと今まで開いたページの履歴が出るんですよ。
柳瀬:あぁ、これは今までに何回か間違って出したことがあります。
辻:これは見たことありますよね?これは意味があってブラウザを閉じてしまっても個々の中に今日訪れたページの一覧が全部出てきたりします。
柳瀬:なるほど。ブラウザを閉じても問題なくできるということですね。移動すると検索って言いましたね。
辻:そうです。一部だけでも覚えている場合があるじゃないですか。例えばNVDAという言葉で調べたらそれに関わる履歴が選択できるということです。閲覧履歴を削除しない限りずっと残っているので今日だけではなく昨日、一昨日、一か月前まで調べることができます。
柳瀬:履歴を消さなければ問題ないということですね。
辻:そうですね。履歴を消してしまうとここに戻ってこれなくなってしまうので。さっきのCtrl+Tは手軽にちょっと前に消してしまったtabを調べるのに使って、閲覧履歴はもっと前のことを調べたいときに使っていただくといいと思います。
柳瀬:なるほど。わかりました。
PCトーカーで音声コピーをしてみよう
辻:この辺りは前段ですと。これまでにSpeech Historyを使用してクリップボードにコピーしてメモ帳に貼り付けることができることを説明したじゃないですか。ここからはPCトーカーでもSpeech Historyと同じようなことができるので説明したいと思います。PCトーカーのやり方ってもう知っていますか?
柳瀬:訓練校で聞いたことはあるような気がするんですが、実際にやったことはないです。
辻:じゃあ、NVDAからPCトーカーに切り替えてください。
柳瀬:はい、わかりました。
辻:それとメモ帳を開いておいてください。
柳瀬:開きました。
辻:PCトーカーのバージョンって知りたいじゃないですか?それをクリップボードに貼り付けることをやってみたいと思います。
柳瀬:よろしくお願いします。
辻:PCトーカーのバージョンはですね。Ctrl+Altを押しながら数字の9だったと思うんですが、押してみていただけますか?
柳瀬:バージョンを言っていますね。
辻:そしたらですね。その音声が聞こえたらCtrl+Alt+Sを押してみてください。
音声コピーという
辻:音声コピーって言いったでしょう?多分ですが、SはスピーチのSだと思うんですよ。そしてそれを開いているメモ帳にCtrl+Vで貼り付けてみてください。
柳瀬:はい、わかりました。
メモ帳に張り付いて読み上げる
辻:そうすると読み上げますよね。こうやって使います。
柳瀬:なるほど。
辻:このCtrl+Alt+Sはどこでも使えるんですが、履歴がたどれるかどうかはわからないので今読み上げたものがすべてではないかと思います。
柳瀬:わかりました。これってPCトーカーのことカタカナで読み上げるんですね。
辻:そうなんです。PCトーカーって実はアルファベットじゃなくてカタカナで、パッケージに書いてある点字を読んでもPCはアルファベットなんですが、トーカーはカタカナなんですよね。
柳瀬:そうなんですね。英語表示じゃないんですね。
辻:そうみたいなんですよ。そういう発見もあったりするので。でこれはNVDAは標準でこの機能は持っていないんですがPCトーカーには標準でこの音声コピーがあるので読み上げた内容を張り付けることができます。
柳瀬;個人的にはコピーするっていう点においてはPCトーカーのほうが楽かもしんないですね。NVDAはさかのぼれるのはとても便利なんですが、F12でクリップボードにコピーするときに貼り付けようとするとたまにずれるんですよね。
辻:なるほど。
柳瀬:PCトーカーだとそのまま行けるので便利だなと感じましたが、さかのぼれないのもちょっときついと感じましたね。使い分けてみようと思います。
辻:ぜひこの音声コピーも使ってみてください。ではPCトーカーにお別れをしていただいてNVDAに切り替えてください。
柳瀬:短かったですね。
辻:でも音声コピーが使えるようになると使い勝手が色々改善しそうじゃないですか?
柳瀬:そうですね。
辻:これまで何とか読んでると思うんだけどって自分で書かなきゃいけなかったところが楽になるというか、スクリーン・リーダーの読み上げがそのままコピーできるので。
柳瀬:アクセシビリティサポーテッド勉強会で行っているものもそのまま貼り付けることができるので、誤字もありませんし便利ですよね。
辻:そうなんですよ。だから僕がAS情報(アクセシビリティサポーテッド情報)のテストをやっていた時にこの機能はまだなかったので大変だったんですよ
柳瀬:手打ちだったんですね。
辻:手打ちでしたよ。泣きながら。
柳瀬:それはきついですね。技術の発展が凄い。
辻:NVDAとPCトーカーで読み上げたものをコピーする方法。これはnoteなどで記事を書く時もこういう操作をするとこう読み上げられます。その場合はこうしてくださいって感じで書けると思います。ぜひ使ってください。
柳瀬:ありがとうございます。
chromeのアドオンを入れてみよう(コピーアズマークダウン)
辻:最後に大物を紹介します。いままでNVDAにはアドオンがあると紹介したと思うんですが、アドオンっていろんなものにあるんですよ。
柳瀬:はい。
辻:例えば、今送ったのがchromeのアドオンです。
チャットにchromeのアドオンが送られてくる
柳瀬:chromeにもアドオンがあるんですか?
辻:そうなんですよ。同じようなのがビジュアルスタジオコードにもあるんですよ。いろんなアドオンがあるんですけれども、マークダウンを書くときにちょっと間違えたとするじゃないですかそれを補ってくれるアドオンとかもあります。
柳瀬:へぇ~それは便利ですね。ちょっとしたつづり間違えが自動的に直るのは便利です。
辻:そうそうそう。あとハイフン、スペースで始めた次の行にEnterで移動すると自動的にハイフン、スペースを入れてくれるとか色々あるんですよ。
柳瀬:そうなんですね。
辻:その中の一つでコピーアズマークダウンというものがあります。これが何をするかと言いますと、ページの中にあるリンクのアドレスをマークダウンで吐き出してくれるアドオンです。
柳瀬:なるほど。手打ちで入れる必要なく取り出せるってことですね。それは便利かも。
辻:そうです。例えばこのコピーアズマークダウンの中にですね。仕事効率化というリンクがあるんですよ。この仕事効率化を自分の記事に張りたいとしますよね。その時に使うのがコピーアズマークダウンになります。まずはchromeのアドオンをダウンロードしてもらおうかな?
柳瀬:わかりました。
ダウンロードしてアドオンを追加する
辻:そうするとこれでもう使えるようになっているんですけれども、Ctrl+Cを押すとクリップボードにコピーしますがAlt+Cは使っていないと思うのでこれをページのURLとタイトルをマークダウンとしてクリップボードにコピーして貼り付けるコマンドにしたら便利そうだと思いません?
柳瀬:なるほど?(よくわかっていない)
辻:便利そうということにしときましょう。その設定をしていきます。
柳瀬:はい。
辻:Altキーを押すとchromeメニューと言いますかね?
柳瀬:はい、いいますね。
辻:左矢印を押してもらうと拡張機能がありますので開けてもらえますか?
柳瀬:開きました。
辻:そうすると何と言っていますか?
柳瀬:コピーアズマークダウンって言ってますね。
辻:そうそう。Shift+tabで戻ると拡張機能を管理とか言いますかね?
柳瀬:ありました。拡張機能管理ボタン。
辻:はい、拡張機能を管理で設定を行います。
柳瀬:なるほど、これを開けばいいわけですね。
辻:そうですね。そうしたら拡張機能を管理を押すとブラウザモードになってますか?
柳瀬:なってますね。
辻:最初デベロッパーモードって読んでますか?
柳瀬:はい。読んでます。
辻:そうしたら暫く進んでいただくとキーボードショートカットっていうリンクがあると思うんですけれども。
柳瀬:ありました。
辻:これを開けてみてください。これを開けるとコピーアズマークダウンっていう見出しがありますか?
柳瀬:ありました。コピーアズマークボーンって聞こえますね。
辻:これでですね。ここの見出しの中を設定していくんですが、下矢印を何度か押していただくとコピーアズマークダウンを有効にするショートカットって言ってますよね。
柳瀬:言ってますね。
辻:今回ほしいのは今選択しているリンクをマークダウンとしてほしい機能なので。これいろんな機能があるんですよ。例えばですが、alltabっていう機能がありまして今開いているtab全部のタイトルとページのアドレスをマークダウンにしてコピーするっていうコマンドがあります。
柳瀬:へぇ~、すごいですね。そんなコマンドもあるんですね。
辻:そういうこともできるんですよ。この中にもうちょっと下のほうに行ってもらうと次がalltabURLかな。タイトルの部分はコピーせずにURLの部分だけコピーするコマンドもどうやらあるんですよ。
柳瀬:なるほど。
辻:次にですね。タレントtab大カッコタイトルURLっていうのがあるでしょう?これを今回使いたいんですよ。大カッコタイトルの部分にコピーしようとしているリンクのタイトルが入るんですよ。例えばさっきのでいうとカテゴリー:仕事効率化っていう名前が入るんですよ。その次にある(URL)に入るのは仕事効率化のURLなんですよ。でそれをコピーしてメモ帳とかに貼れる状態にするんですよ。これにショートカットキーが当たっていないんですよ。今は。
柳瀬:そうなんですね。
辻:なのでタレントtab大カッコタイトルURLに編集ってボタンがあるのでそれを探してください。
編集ボタンを探して押す
柳瀬:ショートカットを入力するって言いましたね。
辻:そうしたら今はフォーカスモードになっていますか?
モード切替で確認する
辻:フォーカスモードになっていますね。そしたらAlt+Cと押してもらえますか?
柳瀬:これはキーを直接押せばいいやつですか?
辻:そうです。
設定を行う
柳瀬:できました。
辻:ショートカットが設定されましたとか言いましたか?
柳瀬:言いました。
辻:これで完了なんでこのtabは消してもらって大丈夫です。そしたらSpeech Historyのページって出せますか?
柳瀬:最初に使ったページですね。出せます。
辻:出してもらったら安定版っているダウンロードするリンクがあると思うんです。
柳瀬:ありました。
辻:それをコピーしたいんですが今リンク移動をKで行いましたよね?
柳瀬:はい、そうですね。
辻:それだとフォーカスが、あの要はブラウザモードの中の話になるのでブラウザ側にはカーソルが安定版のリンクのところに移動しているっていう情報が伝わっていないんですね。
柳瀬:そうなんですね。
辻:この時だけはtabで移動してリンクを探してほしいんです。
柳瀬:わかりました。
tabで安定版をさがす
辻:安定版に移動出来たらそこでAlt+Cを押してほしい。多分何も言わないけれども。
柳瀬:あれSpeech Historyって言いましたね。
辻:ほんとに?多分何も言わないはずなんだけど。
柳瀬:もう一回やってみます。今度は何も言わなかったです。
辻:そしたらこれでコピーできていると思うのでメモ帳に貼り付けてみてください。
柳瀬:わかりました。ちゃんと貼りついてます!
辻:ちゃんとタイトルとアドレスが貼りついてますか?
柳瀬:大丈夫です。
辻:こうやって使ってください。
柳瀬:なるほど、なるほど。
辻:ちょっとめんどくさかったですが、一度設定すれば何度も設定しなくていいので。ただこれからスクリーン・リーダーを使用するコピーアズマークダウンを使いたい人に向けて設定方法を紹介してもらうのはyanaさんにお願いしたいんですよ。今回の記事を書いてもらって。
柳瀬:わかりました。
まとめ
辻:今回はこんな感じで記事を書くときに使えるかなと思います。
柳瀬:そうですね。かなり便利な機能だと思います。
辻:よかったです。紹介したい記事があったときにいかに効率よく記事の中に取り入れられるかということはすごく大事なんですよね。なのでこれが使えるようになっていただくことと、あとはCtrl+Shift+Tで閉じたtabを呼び戻すなどぜひ使ってみてください。
柳瀬:ちなみになんですけれども、さっきやったAlt+CのコマンドはPCトーカーでも使えますか?
辻:使えますね。
柳瀬:そうですよね。chromeのアドオンですもんね。PCトーカーの場合はモードがないからそのままコピーして貼り付ける感じでいいんですかね?
辻:そうですね。はい。
柳瀬:ありがとうございます。どっちでも使えるのはありがたいですね。
辻:という感じで、今日はこんな感じで終了にしようと思います。何かのお役に立てれば幸いと思います。
柳瀬:いやいや、いつもリンクの貼り付けを作るの面倒だったから助かります。
辻:ならよかったです。今回はこれで終了します。ありがとうございました。
柳瀬:ありがとうございました。
今回出たショートカットキーまとめ
①Ctrl+W(開いているtabを閉じる)
②Ctrl+Shift+T(消したtabをブラウザを消さない限り復元できる)
③Ctrl+H(履歴を使ってページを復元できる)
Speech Historyのアドオンを入れると使用できるショートカット
・F12(クリップボードにコピー)
・Shift+F11(押すたびに1つずつスクリーンリーダーで読み上げたものをさかのぼることができる)
・Shift+F12(押すたびにF11でさかのぼったものを一つずつ最新のほうへ戻すことができる)
PCトーカーで使用できる(音声コピー)
・Ctrl+Alt+S(直前に読み上げたものをコピーする)
最後に
今回は記事を書くときによく使うマークダウンでのリンクをコピーするだけで使用できるアドオンのショートカット設定などを教えていただきました。すぐにすべて使えるようにはできないかもしれませんが、日常生活でどんどん使って覚えていこうと思います。いつもリンクをマークダウンで作ろうとするとコピーする範囲が微妙にずれていたりなど細かいミスが多かったのでこれからは簡単にリンクの作成を行い、今まで苦しんだぶん楽させてもらおうと思います。
次回の内容は未定ですが、次も色々な情報をお届けできると思いますので、ぜひ見に来てください。
辻さんもnoteで有益な情報を発信されているので、URLを貼っておきます!
Katsutoshi Tsuji
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