SmartHRのアクセシビリティテスター~よく聞かれるロービジョン(弱視)の話(部分的なVoiceOverの使用)~
よく聞かれるロービジョン(弱視)の話(部分的なVoiceOverの使用)
SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬と言います。
私は仕事をする際には主にパソコンを使用しています。パソコンにはスクリーンリーダーが入っているため、画面内容を読み上げてくれてとても助かります。しかし、外出していてすぐにパソコンが使えない場合や、人によってはパソコンよりもipadやiphoneをよく使用する人も多いと思います。
私もどちらかといえば、後者になります。仕事がない場合はipadをメインに使用しています。基本的には、画面を拡大して残存視力を活用しながら使用するわけですが、全部のページが拡大してくれるわけでもありません。その場合、iphoneの拡大鏡を使用したりしますが、確実に内容を確認したい場合はVoiceOverを起動して読ませています。
以前私の障害特性を書いたときに少し触れていますが、私はピンポイントでのVoiceOverの使用をしています。
なので今回は
簡単なVoiceOverの説明
私の使用方法
使用する場面
以上3つに分けて書いていこうと思います。
簡単なVoiceOverの説明
VoiceOverはロービジョンにとって、とても助かるアクセシビリティ機能の一つです。
iphoneやipad、Macで使用することが出来るスクリーンリーダーで。画面上の項目や操作などを読み上げてくれる機能です。
VoiceOverを起動すると通常のiphoneやipad操作方法とは異なるため、完璧に操作するためには、練習が必要になります。
しかし一度できるようになれば、iphoneやipadのApple系であれば同じ動作で使用できます。(Macはキーボード操作もあるため、少し違います。)
以上がとても簡単なVoiceOverの説明になります。
詳しい説明はiphoneのユーザーガイド
にて「iPhoneでVoiceOverをオンにして練習する」内容の見出しで説明していますので、気になる方は読んでみてください。
私の使用方法
私がVoiceOverを使用する方法は1パターンしかありません。
読ませたい画面を開く
Siriを起動して、VoiceOverをオンにする
2本の指で上にスワイプして上から読ませる
聞きたい場所を聞き終わったら2本指でダブルタップして停止する
Siriを起動して、VoiceOverをオフにする
以上になります。
2本指で上にスワイプすると上から順番に読んでくれます。
もし気になったり聞き直したりしたい場合は、2本指でダブルタップして停止した後に
左右にスワイプすると停止場所から前後に選択できますので、細かく移動したい場合はそちらを使用します。
使用する場面
私がVoiceOverを使用する場面は
拡大機能が使えない場合
拡大鏡を使用しても残存視力で読めない場合
オンラインでの支払いの場合
オンラインでの請求書や契約書の確認の場合
が主になります。
拡大機能が使えない場合は多く、特にネットショッピングや検索をしている時に多発します。大抵の場合は拡大鏡を使用して内容を確認します。しかし、元の文字が小さいと拡大したときに文字がつぶれていたり、文字の間隔が狭くてダブって読めなかったりします。そういう時にVoiceOverが活躍します。
オンラインでの支払い、請求書などの確認は間違いがあると困るので確実にVoiceOverを使用するか、特に支払いの金額が大きいときにはパソコンを使用します。
以前に商品の注文間違えや数量を何回か間違えてしまい、それ以来は最終確認の時に使用するようにしています。
まとめ
本来ならVoiceOverを部分的に使用せず、全面的に使用すればスムーズにipadやiphoneの画面を確認できると思います。
しかし、私の場合は残存視力で確認できる限りは目を使ってこれからもipadやiphoneの画面を確認していきたいと考えています。これは見えにくくなったからとはいえ目を使わないと弱っていくと担当医に言われたこともありますが、私自身も少しでも視力がある限りは目を使っていきたいからです。
今回はVoiceOverの簡単な説明や、私のVoiceOverの使い方などについてまとめてみました。
VoiceOverはロービジョンの人にとってはとてもありがたいアクセシビリティだと私は思っています。少し練習が必要だと思いますが、使いこなせるようになれればとても心強いです。
VoiceOverなどのアクセシビリティの使い方を自分のやりやすいように変えることができるのはとても助かりますが、創意工夫でもっといい使い方が出来るかもしれません。
ロービジョンの見え方は様々で一概にこれが正解とは言えませんが、これからも自分にとってのベストな使い方を探していけたらいいなと考えています。