デンマークの映画学校の生活〜授業編〜
前の記事では学校生活全般について書きましたが、今回は授業について書きたいと思います。
1週間のイントロダクションウィークが終わると、なんの授業を履修するか選び、授業が始まります。
監督、演技、カメラ、音響、照明、制作、編集、脚本、ドキュメンタリーの9つの中からクリスマス休暇前までの3ヶ月半で3つ履修することができます。
どれも魅力的でなかなか選ぶのが難しいのですが、選んだ授業が人気すぎた場合は抽選になるので必ずしも受けたいものが全て受けれるとは限りません。
私は運よく受けたい3つを取ることができました!
授業期間が終わると、その授業で学んだことを活かして作品を作るプロダクションウウィークスがあり、他の授業の学生たちとひとつのクルーを作り、作品を制作していきます。
カメラの授業
初めて履修した授業は一番取りたかったカメラの授業。
映画の撮影で使われる実際のカメラを使っての授業は非常に勉強になりました。
カメラの設定の基本的な知識から、様々なレンズを使って違いを学んだり。
余談ですが、私の一番好きな海外ドラマはゲームオブスローンズとシャーロックなのですが、その両方を撮影したファビアンワグナーというカメラマンは偶然にも私の学校の卒業生なんです。そして彼に教えていたのが今私が教わっている先生、という面白い巡り合わせです。ちなみに、もう一人卒業生がゲームオブスローンズにユーロングレイジョイ役で出演しているんです!
と、話が逸れましたが、私が撮影をしている様子です。
みんなで撮れた画の確認。
やっぱりカメラやってる時は楽しいな〜と思います。
照明の授業
照明の授業では映画撮影で使うライティングについて学びます。
ライティングって本当に映画の撮影において大切なんだなーと。
ライティングがないと何も撮れないし、いい映画やいいテレビドラマは本当に照明セットが綺麗。
作品を見るときに照明について考えながら見るようになりました。
どのライトを使うか、どこに置くか、どれくらいの強さで照らすか、ディフュージョンやリフレクションがいるのか、とかセットの上で照明のセットって本当に時間がかかって、かなり大変で大切なポジションだと思います。
和風なレストランのセットを作ったり。
ちょっと遊びでララランドのワンシーンを再現。
全ての授業が終わった後の集合写真。
ドキュメンタリーの授業
ドキュメンタリーの授業はどうしても取りたくて、でも本当に人気の授業なので、校長にメールして根回ししたほど。笑
そんな発想なかったのですが、ルームメイト(デンマーク人)が「どうしても撮りたいなら絶対に校長に連絡した方がいいよ」と言われて、えー!!そんなことしていいの?それがデンマーク人のやり方なのか!!と衝撃を受けて、悩んだ挙句後悔したくないのでメールしました。デンマークだけではないですが、海外ではやはり自分の主張は声を大にして言わないとだめですね。
ドキュメンタリーのクラスは大変でしたけど面白かったです。
自分でストーリー組み立てるところから初めて、監督、撮影、編集など全て自分でやり、いろいろ勉強になった。
いつもプロダクションウィークの後には学校のシネマで上映会があるのですが、そこで自分の作品が上映され、全生徒が見て、上映後に本当に多くの先生や生徒が私のところに来て「君の作品、本当によかったよ!」と言ってくれて、なかなかできない経験をさせてもらいました。
とにかく限られた時間で編集しないといけなくてずっと編集室に篭ってました。60時間くらい。
ようやく編集が終わり、サウンドの授業をとっている友達にサウンドデザインを頼んで音楽を入れてもらい完成。
プロダクションウィーク
授業期間が終わった後のプロダクションウィークでは各クラスから二人ずつ集まり18人のひとつのクルーを作って作品を作っていきます。
セットの制作中。
撮影風景です。
休憩時間中に監督と俳優の生徒たちがシーンの確認をしています。
クルーの集合写真
授業以外の講義
授業以外では、学校のシネマで毎週月曜日にドキュメンタリー、水曜日にフィクションの映画を見て、ディスカッションをする時間があります。また余談ですが、そこにいつも先生が赤ちゃんを連れてくるんです。かわいい〜それが許される職場、素敵だと思います。
あとはゲストティーチャーとして外部からゲストが来て講義をする、というのも定期的にあります。最近ではマッツミケルセンの最新主演映画DRUKの監督、世界的にも有名なトマスヴィンターベアとDoP(撮影総指揮)のSturla Brandthが来て講義をしてくれました!
授業の様子を動画にもまとめたのでよければ見てみて下さい!
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