「公務員の副業」と「公務員のキャリア形成」
今日は公務員の副業について書いていきたいと思う。
僕自身、仙台市職員時代に副業をしていた経験がある。その時に色々と人事課と調整した経験があり、それなりにまとめているので今回、それをコラムにしたいと思う。
公務員の副業は何年か前から話題となっており、2017年ぐらいから神戸市や生駒市などで解禁され、話題となっている。
しかし、実際はそれ以前から自治体の制度運用の範囲内で公務員の副業はされており、決して神戸市が進んでいるわけではない。
そんな僕も公務員時代に講師業、講演業で年間あたり100万円ほどの副業収入があり、その経験や公務員の副業について、僕が知っているものをまとめていきたいと思う。
公務員が副業することで得れるお金以上の大きなメリット
副業することによって、ひとつプロジェクトを実行し、利益をつくるだけでも、プロジェクト企画、経費、目標売上、それに向けた営業など「プロジェクトマネジメント」を経験することになる。さらに、NPOなどの非営利組織の役員となれば、「組織マネジメント」も経験することになる。
これは、普通の公務員がこのようなキャリアを築こうと思っても、なかなか築けるものではない。組織マネジメントについては、公務員の組織体制上、役職に就かなければ絶対に経験できない。しかも、ある程度の規模の組織マネジメントをするとなると40代以上にならないと経験できない。
人生の中で、スポーツ等のチーム競技を経験していなかったりすると、組織マネジメントやリーダーシップを経験することなく、40代でいきなり市政を担う組織をマネジメントすることになる。
こう言った点でも、若いうちから副業することはあらゆるマネジメントを経験することになり、公務員のキャリア形成という視点でも大いに意味のあることである。
つまり、公務員の副業はお金を稼ぐ意味合いもあるが、より充実した公務員生活を暮らすためにあるものと僕は考えている。
肝となるのは、「地方公務員法38条」
公務員の副業とは、何が可能?何が不可能?なのか。それを考えていきたいと思う。
公務員の副業において、最も重要なポイントは「地方公務員法38条」である。
ここで、重要となる点は3点である。
・営利を目的とする会社や団体の役員に就く。もしくは、自ら営利を目的とする私企業を営む
・報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事
・任命権者の許可
この3点に尽きる。
もっと簡素に言えば
・営利か非営利か
・報酬があるかないか
・任命権者の許可があれば、上記2つもOK
ポイント1
報酬ある・なし
報酬があるかないかは、仕事に対して報酬があるかないかである。講演などの謝金や不動産収入や印税収入、株式投資などはこれには当たらない。(ただし、自体の副業規則などて定められているので、各自治体の運用により様々であることには注意。講演謝金などについては、僕の経験を後術していく。)
ポイント2
営利か?非営利か?
営利が非営利かは、案外知られていないが、営利組織とは、株式会社などのようにビジネスを行い、上がった利益を株主たちに「配当」を出すことを営利組織と言う。
一方で、非営利組織では、売上から経費を差し引いて利益が出たとしても、出資者(会員)や従業員にその利益を分配することが出来ない。
一般にNPOなどはボランティア組織で利益を上げてはいけないと思われがちですが、そうではなく、利益はガンガン出しても問題は全くなく、経費として従業員に給与をどんどん出してもいいのである。
なので、NPO法人等と非営利組織を立ち上げたり、その役員に就くことは地方公務員法第38条では全く制限されていないのである。
もっと突っ込めば、株式会社でも配当金を出さないことを定款にきちんと入れれば、非営利株式会社となり、法律上は問題ないことになる。
案外、こんな入口部分すら知らずに、公務員の副業はダメだ!!と勝手に思い込んでしまっているケースがほとんどである。
ポイント3
謝金の受け取り
僕自身も、最初に講演会を依頼された時に謝金を出ることになったので、それを当時の係長に相談したときに、公務員は副業を許されてないからダメだと言われた経験がある。その時に僕はネットで情報を収集してみると全国に謝金をもらっている公務員がいることを知り、地方公務員法を読み込み、勉強してから、人事課に問い合わせ、調整したところ、簡単に許可が出た。読者の皆さんには、簡単に諦めることなく、地方公務員法等をよく読み込み、勉強し、クリエイティブに調整をはかって欲しい。
公務員副業の早見表
今までの内容を簡単にまとめると以下のグラフになり、具体的に解説していく。
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