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欧文書体の同定方法(英語フォントの特定方法・探し方)

ロゴや広告などを見て、「あ、この書体好きだけど何ていうんだろう?」と思ったことは誰しもあるでしょう。そんな時にどうやって探すか、いくつか方法をお教えしたいと思います。


同定(どうてい)とは

〇〇が「〇〇である」と見分ける・識別することです。例えばある書体を見て「これは Helvetica だね」と確認して確定する作業のことをいいます。生物学ではお馴染みの言葉ですが、一般にはあまり使わないかもしれません。特に「童貞」と音が同じなので勘違いさせるかと思います(笑)。

英語では identification アイデンティフィケーション(動詞 identify)といいます。identity アイデンティティと同じく「個を規定するもの」という意味があります。

書体見本帳をめくる

基本です。が、もはや紙の見本帳はほとんど発行されないので、現在はやりたくてもできない古典的な方法です。

私は LinotypeFontShop が随分前に発行した分厚い見本帳を持っていますが、最近は見返すこともなく、もはやただの自慢のコレクションアイテムとなっています。もちろん手放す気はありません(笑)。

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久々に見たらフォクシングが…😥

フォントセラーのサイトでただ地道に探すという手もありますが、砂漠の中で砂粒を探すようなものです。ちょっと現実的ではありません。

Typefinder をめくる

Gordon Rookledge という人が1983年に発行した、書体の特徴ごとにまとめられた有名な見本帳です。

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字ごとに特徴が挙げられており、似た書体の掲載ページ番号が記載されています

何回かアップデートされていますが、近年はもうそうされる事もなく、また300ページ程度では掲載数は限られてるため、よほど有名な書体以外には役に立ちません。役目を終えてしまいました。

✅WhatTheFont アプリを使う

これぞ21世紀の探し方です。世界最大の欧文フォントセラーである MyFonts が開発した WhatTheFont というアプリでフォントを探すことができます。Android / iPhone 両方で使えます。

使い方はざっくり以下の通り(キャプチャ画像は Android 版です)。

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表示された書体をタップすると MyFonts へ飛ぶので、そこでそのまま購入が可能です(スマホにインストールはできません)。例では正答が出ていますが、スクリプトなど字形が自由なものに関しては精度が落ちます。

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正解は Bickham Script

※詳しい購入方法はこちら▼

WhatTheFont Forum で質問する

PC 版の MyFonts サイトにも上述したアプリと同じ機能の WhatTheFont がありますが、ここで該当フォントが見つからなかった場合、そのまま掲示板に投稿して質問できます。そうすると、それを見た奇特なエキスパートたちが答えてくれることがあります。ただしアプリと同じで、数文字だけで判断するのはなかなか厳しいので、できるだけ多くの字種を見せることができれば的確な答えが返ってくるでしょう。

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画像をドラッグ&ドロップする以外はアプリと同じ
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Identifont で同定する

「その書体にセリフはある?」「Q の形はどんな?」というような質問が自動で出てくるので、それに答えていくと目的のフォントに辿り着く、というサイトです。有名なアキネイターのフォント版だと思えばいいでしょう。質問の英文には、Google 翻訳や DeepL などで対応しましょう。DeepL はアプリをインストールしておくと楽です。

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以下に👆この本の本文書体を同定した例を順を追ってお見せします。

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今回は10問で正解にたどり着きましたが、もちろん書体によって質問数は変わってきますし、「Not Sure」(わからない)を連発すると質問数も増えて正解率も下がります。またあまりに特徴の少ない書体だと、永遠に正解に辿り着かない場合もあります。

質問に出てくる文字種を絞る

「Q の形はどんな?」と質問されても、Q が見当たらなかった場合は「Not sure」と答えるしかなく、文字数が少ないとこれを連発することになります。それがめんどくさい場合は、質問に出てくる文字をあらかじめ絞っておくことが可能です。トップページの「Limited set of letters?」をクリックし、表示されるフォームに文字を入力すれば、入力された文字に関する質問しか出てこなくなります。

このサイトは文字数が多ければ多いほど正解にたどり着きやすいので、長文がある書籍や雑誌などには向いてると思います。

オマケ:Fonts In Use

有名なブログです。「この広告にはこの書体が使われてるよ」というような記事が1万件以上投稿されています。本文は英語ですがほとんど写真だけなので、英語が解らなくても楽しめるでしょう。検索も可能です。


ヘッダー画像イラスト:Loose Drawing

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