2020日本シリーズ 21日開幕 4連覇かリベンジか
21日よりプロ野球日本シリーズが開幕する。
今シーズンの総決算となるビッグイベントはセ・リーグ覇者の巨人とパ・リーグを制し、クライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜いた福岡ソフトバンクホークスによって争われる。
昨年と同じカードとなるが両チームともリーグ優勝を果たした上でのシリーズ出場となり、まさに「頂上決戦」と言えるだろう。セ・リーグでは今季CSが行われなかったこともあり、両チームのここに至るまでのプロセスは若干異なるものの、やはりリーグチャンピオン同士の日本一決定戦は、観るものの気持ちを昂らせる。
2年連続、同じカードでのシリーズは2006年、2007年の中日対日本ハム以来、13年振り。この時は前年度、日本ハムに敗れた中日が2度目の対戦となった2007年にリベンジを成し遂げ、日本一に輝いている。最終戦の「完全試合リレー」で大きな話題となったシリーズとして記憶されている。
やはり今年も興味が惹かれるポイントは、ジャイアンツのリベンジか。昨年、ジャイアンツはホークスに対し4連敗という屈辱的な結果で敗退している。「球界の盟主」が2年連続で同じチームに敗れることは許されない。
もちろん、戦力的な面や、戦い方など、要点はいくつもある中で、特に注目したいのは原監督の采配だ。昨年のシリーズでは、最後まで不調だった打線の大きな組み換えが無かったことなどが目についた。今季もペナントレース終盤は打線が沈みがちで苦戦した印象が強い。ホークスの巨大戦力は投打にわたり今年も充実していることに変わりはないが、2年連続でペナントを勝ち取った原采配でシリーズも下馬評を覆せるか。もはや名将の域にまで達しているといっても過言では無い球界随一の指揮官が、日本一奪還に向けどんな策を打ってくるか、大いに楽しみでもある。
王者でもあるソフトバンクは、CSでリーグ2位の千葉ロッテを降し、シリーズ出場を決めた。シーズンでの相性の悪さなどもあったものの、初戦から連勝しロッテを一蹴、貫禄を見せつけた。
昨年のシリーズには出場の無かった、主軸である柳田悠岐の存在が大きい。ペナントレース最終戦やCSでも本塁打を放っていて好調さを維持し続けている。2年ぶりの出場となる日本シリーズでもその豪快な打撃がみられるならば、ホークスの4連覇は揺るぎないものになるだろう。
両チームを率いる、原、工藤、両監督は現役時代でも幾度となく日本一を争ってきており、指導者となってもシリーズでの経験も豊富だ。昨年の結果も踏まえ、両監督が今年のシリーズでどのような采配を繰り広げるか。選手が躍動する一投一打はもちろんだが、今年は特にベンチワークからも目が離せない。特別なシーズンを締めくくる、後年まで語り継がれるような名勝負を期待したい。(佐藤文孝)