東北をまなざす人、まなざされる人
5月のこと。時間が経ってしまったけれど、岩手県立美術館で開催されていた「東北へのまなざし 1930-1945」に行ってきた話し。
東北の暮らし、文化、原風景、自然、建築、さまざまな要素に着目して東北を巡った人たちの、ひとつひとつのまなざしに触れる展示。
この展示に行こうと思ったきっかけは、単純に「外から来た人は、東北をどんなまなざしで見ていたんだろう?」というアホみたいな関心を持っていたこと。
そして、以前から民藝に興味があったこと。暮らしの道具の味わい深さと、土っぽくも凛々しい民藝的グラフィックデザインに惹かれていたので、今回の展示の告知を見た時に直感で「これは行かねば」と思った。
盛岡に行く用事があり、隙を見つけて夕方の美術館に駆け込んだ。じっくりと見ていって出口まで来た時「え、もう終わりか!もっともっと見ていたかった…」という気持ちになったので、何がそうさせたのか分解してここに残しておきたいと思う。
1.旅をする。土地と出会う
展示には、ブルーノ・タウト、柳宗悦、武井武雄などがそれぞれ東北を巡った順路が書かれていた。宮城、岩手、青森、秋田、山形…訪れた土地が線でつながり、長い旅路の中で次へ次へと新たな出会いを求めて移動した跡を感じた。
自分が良いと思うもの、いわゆるその土地の人々、その人たちの暮らしに出会い、忘れたくないと言わんばかりに写真や絵、文章で記録に残す。何十年と前になされたその行為が、今の私にとても眩しく映った。
私もこれをしたい!と思いたち、さっそく旅の予定を立てた。まだ見ぬ世界がたくさんあると思うとワクワクしている。
2.「雪調」!!
なにやら当時、雪深い東北の地で起こる雪害を少しでも軽減し農民の暮らしをよりよくするために雪を調査する人たちがいたらしい。その名も「雪調」。セッチョウ。初めて聞いた。それらと民藝や建築が紐づいていることも初めて知った。厳しい冬を乗り越えていくための暮らしの発展。当時はヒーターもストーブもない極寒の地。対策が切実に求められていたんだろうなぁと思い馳せた。
03.いつの時代もデザインは心を潤す
私は民藝的グラフィックデザイン(と言っていいのかわからないが)が好きだ。素朴で、土着的で、繊細で、大胆。その文字やグラフィックは私をときめかせる。芹沢圭介の型染めの美しさ。柳宗悦のこだわりぬいた冊子づくり。どれも見ていて華やかな気持ちになった。色彩あざやかで、見ているだけで元気が出る。民藝的グラフィック、ずっとずっとその良さを未来に残し続けてほしい。
04.コレクションするということ
旅しながら各地で自分の好きなもの、熱狂するものに出会ってコレクションするのは、どれほどワクワクすることなのだろう。その熱と高揚感が展示から伝わってくる。自分が好きなものをコレクションしたい。出会うだけでは終わらず、自分のものにしたくなるその純粋な「好き」な気持ち、羨ましくなった。
まとめ
東北には自然豊かな土地がたくさんあると言われるけれど、自然と向き合って暮らすことは簡単じゃない。命がかかっていたからこそ、自然の恵みを活かしながら生活をより良くしていこうとした跡。だからこそ生まれた美しさ、豊かさ。東北かっこいいじゃん!そんな東北に住んでる私、いいじゃん。そう思った。
ドラマとかで「田舎もんが!」ってセリフ聞いたことあるけど、この下に見られてる感ってなんか違和感あるんだよなぁ。ムカつくとかとは違う、何か。田舎もんだって都会もんと対等だ。私だって東北からいろんなとこにまなざし向けてやる!
謎の感想になってしまった。。。
思いのままに残してしまって読みづらい中ここまで読んでくれてありがとうございます。この展示行った方とお話ししたい。どんな視点で見ているのか、どんなところでどう思ったか、聞いてみたい。
美術館って楽しい。感情が忙しい。