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1215 100年前のコートを着た日


今日は気仙沼に新しくできたギャラリースペース「HAMACHIDORI」で古着屋さんがPOP UPをすると聞いて行ってきた。

たくさんの質の良い古着が並んでいて、ひとつひとつの服にはその服の素材についてやバックグラウンドが書かれたタグが付いている。今時は混合素材が多いけどこれは100%ウールでとか、海外でワークアウト用に着られていたものだとか、興味深く読んだ。

その中で、店舗の目立つ位置にレイアウトされていたカーキ色のAラインコートがあり、聞いてみると海外で100年前に着られていた古着だという。バイカーが着ていたもので風を防げるように襟に留め具がついており、体全体を覆う大きなシルエットで、シンプルなデザインがめちゃくちゃ、かっこよかった。着させてもらったら、ものすごくかわいかった。思ったより重みがある。クールだけどキュートで、カジュアルだけどクラシック。良いものは時代や国を超えても良いのだと痺れた。

生きている間にこういうものがつくれたら悔いはないだろうと思った。このコートをつくった人はどんな人で、購入した人はどんなシーンでどんな気持ちで買われたのだろうと想像したくなる。わからないけど、そうやって服のストーリーに思い馳せてする買い物は素晴らしいなと思った。

2013年にバングラデシュで起きたラナ・プラザ崩壊事故のことを、この古着屋さんのパートナーであり世界中でアパレルの製造元の労働環境の監査をする方に聞いて初めて知った。

簡単に買って簡単に捨てるようなものではなく、良いものを長く使う人でありたい。



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佐藤文香
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