見出し画像

にゃんにゃんの日

今日は一人で寝なきゃいけなかったんです。
―もうそろそろかなあ。あったかくして寝てね。
と、私に布団をかけて優しく頭をなでて、私のことをじっと見つめながらダウンを着てリュックを背負い小さく手を振って玄関に向かうあなたに
―うらぎりもの。
と言ってさみしいアピールをする面倒くさい女、はい私です。その言葉を聞くと必ず引き返してもう一度頭をなでてやさしくキスをしてくれます。そのたびに、やさしいキスをして~♪が流れます。そんな名曲に対して私は「うちの彼氏はそんなセリフを言わずともやさしいキスしてくれますけど?」という謎の反抗をドリカムにしながら
―早く行きなよ。電車、間にあわなくなっちゃうよ。
と強がってみると、その言葉待ってました感満載で玄関に向かうあなた。私がどうしたら機嫌よく見送ってくれるのかよくわかった奴の犯行。私からしたらもうすこし駄々をこねさせていただき、もう2ラリーくらいしたあと私のことを愛くるしそうに見つめて「もう行くのやめよっかな~」と私の上に乗っかって抱きしめるくらいしてほしいのです。そこで「苦しいよ~」とか言いたいの。そこまでしてくれたらア・イ・シ・テ・ルのサインでしょ。
書いてて思うけどきっしょいです。

「きしょい」きしょい、きしょい。
この言葉は私にとって呪いの言葉なんです。

つづく

いいなと思ったら応援しよう!