「ムーンライトシャドウ」の香りを作ってみた。 読書と香りの幸せな関係
だいぶ遅くなりましたが「ムーンライトシャドウ」が映画化されましたね。
「ムーンライトシャドウ」は、吉本ばなな(現・よしもとばなな)さんの短編小説。新潮文庫「キッチン」に収録されています。わたしは、中学時代に読んで以来、10年以上幾多と読み返してきた物語なので、もはや愛着すら感じている……。
今日は、映画化を記念して?「ムーンライトシャドウ」のイメージで、アロマをブレンドしてみました。読書のおともにぜひどうぞ。
ムーンライトシャドウブレンド
ベルガモット:3
ペパーミント:4
ネロリ:2〜3
サイプレス:2
マジョラムスイート:2
フランキンセンス:1
シダーウッドアトラス:1
※大体の比率です。お好みで調整してくださいね。
朝もやのブルーグレー、ミルクのようなまろやかな曇りガラスの色、冬の終わりかけの冷たいしんとした空気、その中に柔らかいオレンジの光……
「ムーンライトシャドウ」には、そんなイメージを抱いています。
鈴とお茶がキーアイテムなので、紅茶のイメージもあるベルガモットを。ベルガモット、ネロリ、マジョラムスイートで温かな光の要素も入れつつ、全体的にシャープな香りになりました。
時を経ても変わらないぬくもり
あらすじも軽くご紹介しておきます。
恋人を亡くした"さつき"。謎の女性"うらら"と出会い、ある出来事を経てさつきは恋人の死を受け入れていく、ざっくり言うとこんなお話です。
さつきの恋人の弟、"柊(ひいらぎ)"がまた魅力的なキャラクターでして。兄と自分の恋人をいっぺんに亡くしてしまうのですが、なんと恋人の形見のセーラー服を着て登校。ちょっと突拍子もないけれど、わたしはこの自由な感性に憧れてしまう。不思議と心を掴まれてしまうキャラなのです。
再読して驚いたのが「印象が変わらないこと」。
小説を数年おきに読み返すことが多いわたし。だいたい感想が変わってくるのですが……何回読み返しても受ける印象が変わらないのです。
「死」を扱っているのにもかかわらず、重々しい空気ではなくて、静かな柔らかい空気に包まれた、不思議な物語です。
ひとつ香りを選ぶなら……
もし、1種類の香りで楽しむなら、フランキンセンスかサイプレスを選びます。
フランキンセンスは宗教儀式にも使われる香り。少し柑橘みもある柔らかい香りです。
サイプレスはシャープでフレッシュな香りです。受け入れて流す、死と再生の香りという説も。
まさにこの物語によりそってくれる香りだと思います。
比較的手に入りやすい精油なので、本と合わせて購入するのもありですね。
アロマで本の世界をもっと楽しもう
読書をするときに、アロマを焚く。
世界観も楽しめるし、読書スイッチが入って没頭しやすくなる気がします。
ちょこちょこ隙間時間で読書をする方もいるかと思いますが、たまにはゆったり時間をとって、物語に浸ってみるのもまた良いものです。
お休みの日にでも、ぜひ試してみてくださいね。