文劇3感想。やっぱり私は舞台が好き。(ネタバレあります)
9月13日に舞台「文豪とアルケミスト 綴リ人ノ輪唱」観劇してきました。
はじめに
普段は宝塚メインに観劇してまして、平均して月1は舞台にいってるような生活を送っていた人間です。
3月に「アナスタシア」を観劇して以降、手持ちのチケットというチケットがことごとく払い戻しになり、半年振りの観劇にソワソワしっぱなしでした。
12日の配信も昼公演だけ観てから行ったので、ストーリーに関して心の準備はできていたかなあと思います。
12日夜にSkypeで通話してくださった皆様には感謝いたします。
劇場について
F列からちょこっと段差があるのと、前の人の頭がほぼかぶらないので観やすかったです。上手の端の方でしたが、スピーカーが被るのは舞台セットのあたりだったので見切れることはありませんでした。
退場するのは出口に近い下手側からなので、上手側だとスムーズにいっても出るのに15分くらいかかると思います。
文劇感想
文アル始めた直後は北原白秋(以下、白先生)にハマってまして。
なので、今回ようやく登場するということで本当に嬉しかったです。
佐藤さんの白先生、お顔は綺麗だし手はしっかり成人男性だし、個人的に感じる白先生のビジュアルイメージまんまでした。
幸か不幸か、煙草を吸うシーンはありませんでしたがあのビジュアルで煙草吸ってたら死人が出てたんじゃないかと思います。私も召されていたことでしょう。
穏やかな口ぶりと、戦闘時の力強さ、本当に素敵な白先生でした。
「あめんぼあかいな」のところでスッっとピースするお茶目さも良かったです。
半年振りに劇場に入ると、会場内では一番好きなBGMの「廻覧」が流れていて、また文劇に来たんだなと感無量になりながら席につきました。
役者さんたちは透明なマスクつけていましたけど、あれって会場でストーリーに集中して観てると全然気にならないものですね。むしろそれを利用して「煙草が吸いにくい」などネタにしてたのはこの状況だからこそで、演劇の生もの感がたまりませんでした。
あと、アンサンブルの皆さんの布マスク?みたいなやつ。あれも素敵ですね。
後半の太宰と白先生の朗読劇のような場面、会場が少し明るくなり、マイクをオフにしても伝わる平野さんと佐藤さんの声と熱に「ああ、自分は今劇場で舞台を観ているんだな」とようやく実感が湧いてきました。
前日に配信で観ていた時はこういう演出なのかなくらいにしか思っていませんでしたが、劇場で観ていたからこそ、あの場面で思わず涙が出たんだと思います。
配信で、お気に入りのお茶を用意して、メモを片手に何度も観るのも勿論楽しいです。けれど、劇場で目の前で繰り広げられる作品だけに集中することもやはり楽しい……!!!!というのが、会場が明るくなって最初に感じたことでした。
日替わり演出、配信のカメラに映らない、”自分が観たい”と思ったところにピントを合わせて楽しむことができる舞台、しんどいけど一時停止も飛ばすのもできない舞台、楽しいですね。
内容は個人と全体主義についてなど考えさせられるものでしたが、そうやって好きな作品の舞台を観にいって、ちょっと作品から戻ってこれなくてぼおっとしたまま電車に揺られているのも久しぶりの感覚です。
自分は本当に舞台を観に行ったんだなあ……楽しかった。
集中して観る舞台、楽しかったです。
北原白秋のすごいところ
”人々が口ずさむことで知らず知らずのうちに広まっていった”
劇中で”北原白秋のすごいとこ”として挙げられていた内容。
日本に生まれ育って日本語を母国語としている以上、北原白秋からは逃れられないと思っていたので、すごくしっくりきました。
自分の中では「あめふり」が該当するのですが、タイトルがちゃんと言えない、でも歌える。(今回note書こう!と思って曲名をちゃんと調べたんですが、20歳超える今の今まで「あめあめふれふれ」だと思っていました)
”知らず知らずのうちに”リズムと詩が刷り込まれているんですよね。身近というか、親しみやすいというか。好き嫌いを意識する前に刷り込まれて歌えるようになっている。
小学校の国語の時間に笑われてからずっと詩歌が苦手なんですが、文字情報ではなく、声に出したら少しは苦手意識も変わるのかな?と思ったので、帰りに文アルの朗読CD購入しました。
今の状況が落ち着いたら
劇中で何度か出てきた”今の状況が落ち着いたら”という言葉、作品の中の侵蝕の進行度合いと、今の現実の状況とどちらも指しているのは観た方はお分かりかと思います。
落ち着いたらまた行きたいと思っていた店が閉店してしまったこともあり、”落ち着いたら”もいいけれど、今できるんだったらやってみようやってやるぜ、とちょこっと思いました。
今回の文劇は”落ち着いたら”でもいいけれど、今観ることに少しだけ意味があるのかな、とは思います。時間とお金と環境が許す方はぜひ一度劇場であの舞台からの熱を浴びてほしい。
2月に円盤が届いて、フォロワーさん達と銀座か浅草で飲みながら、あるいは伊豆の温泉で横になりながら「あの時はマスクつけたり大変だったね~」なんて笑える日が早く来ますように!