
虫はダンゴムシまでなら許せる
「真鍋博の植物園と昆虫記」 真鍋博 筑摩書房
パラパラッとページをめくると
細かく書き込まれた絵がある。
さまざまな植物・昆虫が描かれてはいるが
どれもこれも見たことの無いものばかりである。
それぞれの絵の横に2、3行の文があり、
【排花】花を捨て、実を採るのが生産性社会の鉄則だ。
などと絵の説明が書いてある。
この本は
真鍋氏が描いた植物と昆虫の作品集である。
ただし、現実にある物は描かれていない。
この本に載っている植物や昆虫は
真鍋氏が想像して産み出したものである。
手のような形をした木々が
上に伸びるようにしているものや、
幾何学模様の蝶など見たことあるようで
無いようなものばかりが載っている。
ただこれは想像に任せて描いたわけではない。
そこに、ピリッとした風刺が入っているのだ。
美しく書き込まれた絵にどこか気持ちの悪い、
不気味とまではいかないが違和感のある絵。
それに付いた文から真鍋氏が問いかけてくるのだ。
みる人によって捉え方は様々にあると思う。
ぜひ絵と共に楽しんでほしい。
2年 ろうげつ
https://honto.jp/netstore/pd-book_30033068.html