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すごいものを見てしまった!『BALLET The New Classic』2024

「バレエ」を現代の解釈で表現するガラ公演
『BALLET The New Classic』を観てまいりました。
アイキャッチの画像は公式サイトから拝借しています。

偶然のご縁でゲネプロを拝見する機会に恵まれ、世界がひっくり返ったような気持ちになった私は、すぐに千秋楽のチケットを予約しました。あまりの驚きと感動に飲み込まれたゲネの後「すぐにまた2度目を観なければいけない!」と、急く気持ちでいつもより背筋を伸ばして歩いて帰ったことを覚えています。
初めて食べた料理のあまりの美味しさに、十分に咀嚼せず飲み込んでしまったような気持ちです。

実家の近くにコンサートホールがあり、幼い頃から比較的多くの芸術に触れてきたと自負している私ですが、実はうっかり、生まれて初めてのバレエ観劇となった『BALLET The New Classic』
初めてのバレエがBALLET The New Classicでよかった。
どの演目も素晴らしく、バレエの持つ伝統と、バレエを知らない人でもエンターテイメントとして楽しめる革新的な演出を、どちらも兼ね備えている新しいバレエ公演だったように思います。

ペアダンスを少し齧った私にとって、特にペアで踊るパ・ド・ドゥの演目はとても興味深く、演出、コレオ、そしてダンサーの身体から溢れる情緒に瞬きを忘れてしまいました。
この感動を何から話してよいか未だにわからないので、とりとめのない内容となってしまいますが、ご容赦ください。
※公演後のためここから先は一部具体的な演目の内容、ネタバレを含みます。


『ANOMALOUS』
「バレエって、主役と群舞どちらもあって成り立つものじゃないの?!」
急に強い照明が点いた途端、シンプルなブルーのチュチュを履いた佐々さんが大胆にエネルギッシュな振り付けで踊り始めます。再三ですが、生のバレリーナを"初めて!!"見た私は、その身体の完成された様にうっとり。たった一人のダンサーが踊っているのに、舞台の上はすっかり佐々さんに支配されていて、そのエネルギーが雷鳴となって轟いているようでした。マットな質感の衣装に輝くヘッドドレス、メイクがすっきりと浮かび上がって、力強くそしてミニマルな美しさがくっきりと出ていたのが忘れられません。

『別れのパ・ド・ドゥ』
何度でも繰り返し観たいこの別れのパ・ド・ドゥ。私の一番のお気に入りです。感動のあまりこのまま社交ダンスのショーにしたいと公演中からずっと妄想しています。中村祥子さんは実は社交ダンスのショープログラムに特別審査員としておいでいただいたこともあるという不思議なご縁があります。(後で友人からSJCの審査員でいらしてましたね!と言われてエッ!と驚き 笑)恥ずかしながらバレエ初心者すぎて中村さん、中島さん共に踊っておられるところを拝見したのは初めてだったのですが、あっという間に二人の演じる空気の虜になりました。中島さんの、中村さんを支え、そして迎えに行く逞しい大きな手は、ガラス細工を扱うように丁寧で、二人の視線から、指先から、そして背中から愛が溢れていて、切ないけど美しい、このまま時が止まって2人だけの世界になってしまえばいいのにと願ってしまいます。でもそんなことになったら彼女は壊れてしまうかもしれない、、、いつかこの物語の続きも知りたいです。

『ロミオとロミオ』
この辺りでどうやら私は堀内さんのコレオがとっても好みなのだと気が付きます。本当に、私がもしプロダンサーだったら無理を承知で堀内さんにショーダンスの振り付けをお願いするかも!笑
あまりにも甘美なロミオとロミオの物語ですが、フィクション的ではなくリアルな2人の惹かれ合う様子が美しい。振り付けはかなりドキッとさせられる箇所が多いにもかかわらず、全体の世界観がプラトニックに描かれていて演出の素晴らしさを感じました。バレエだけど、ただ自然の中を駆け回っているようなナチュラルな雰囲気もあり、ミレーやモネの世界から抜け出してきたような静かな美が流れていたと思います。

『シェヘラザード』
海老原さんの身体があまりに彫刻のようで、ほとんど官能的な印象がない(すごくよかった)ところに、湿度のある堀内さんの表情やお芝居がなんとフィットすることでしょうか!!!視線、そして敬愛に満ちた手、
本当に!堀内さんの虜〜!!!!私が男性だったら海老原さんの圧倒的で君臨するような存在感にクラクラしたはず。全く違う立場の独立した2人の人間が絡み合い化学反応を起こしているような、なんだか実験を見ているような気持ちでした。お二人のあまりの色気にバレエの概念が崩れ去ってしまって困っています(大歓喜)。

パ・ド・ドゥの演目を中心に私のお気に入りの演目の感想を書かせていただきましたが、もちろんこの他の演目もすべて感動的で『IMPRESSION OF PERCEPTION』の照明なんかは、バレエではなかなか見られないような思い切った方法を使っていて、「その手があったか〜!!」とまさに脱帽でした。

余韻に浸りながらパンフレットも隅々まで熟読し、購入したバッグ、クリアファイル、ステッカーをこれからお家のどこに飾ろうかワクワクしています。
わ〜〜〜ん見ていたら私も踊りたくなってしまった!ジャンルは違えどダンスっていいな〜〜〜!ここ数年で一番のヒットとなりました。

このようなご縁を繋いでくださったアヤさんへ、多大なる感謝と共に本文を締めくくりたいと思います。


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