それでも私は、現場に来て、触れて頂くことの価値を信じ続けます。
一番人気、とうもろこし(北海道弁で「とうきび」)を自分で獲って畑で食べるツアーの様子を公開しました。ぜひご覧いただきたいです^^
とうきびは、美味しい瞬間がとても短い作物で、毎年お世話になっている坂東農場では、たった3時間、なんて言われていたりします。
私たちのツアーでは、直売所に出荷するために毎日美味しいとうきびが獲れるよう工夫を重ねた農場をご案内させて頂いています。
一番の特徴は、本来出荷しない2番果(実がビッチリ入りにくい)を活用させて頂くこと。
せっかく畑まで来てくれたのだから、最高品質のものを食べてもらいたい、というのが通常の農家さんの心情ですが、私たちの考えは違います。
お金を出しても買えないもの、予期しない出会いにこそ、わざわざ来ていただく価値があると考えます。
形が悪くても味に変わりはありません。
厳しい天候の中でたくましく育ち、実ったと思えば厳しい選別を受け、丁寧に梱包され、運ばれ、ようやく食卓に届きます。
途中でこぼれ落ちてしまうはずだった作物を畑で食べることで、その経緯を身体で感じることができる、普段食べているものがどれだけの人の手を介して届けられたものだとわかる、そこに価値があると考えているのです。
畑にいらっしゃるお客様が求めているのは、北海道らしい広大な風景の中で、新鮮な食べ物を頂くこと。家族の楽しい時間を過ごすこと。
それは最低限のサービスとして当然提供します。
でも私たちは、お客様が期待しない、それ以上の価値(=農業を伝えること)を、頼まれもしないのに提供します。
それが私たちの喜びであり、地域の望みだから。
それを丁寧にやり続けてきたことが、農業を観光資源にするという、今までほとんどの人が実現できなかったことを継続している秘訣です。
そしてそれは、来る方にとっても大きな価値となっています。
坂東農場では、もう既にハウスで育てられたスイートコーンの苗が畑に植えられています。
コロナがあろうとなかろうと、春はやってきて、作物は育ち、実ります。
産地の私たちにとってGWは、天候に恵まれ、実り豊かな年となるよう願う、種まきの季節です。
オンラインでできることは進めながらも、やっぱり私は、現場に来て、触れて頂くことの価値を信じ続けたいと思っています。
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