初心者から見たジャズセッションという空間
昨夜今年最後のジャズセッションが無事に終了しました。初参加の方々やプロのミュージシャンがたくさん来てくださり店内は物凄い熱気でした。私はなかなか初心者の域を抜け出せませんが、初心者から見たセッションの感想や魅力をご紹介できればと思います。
8月に元々所有していたスペースをカフェとしてオープンさせ、今まで4回セッションを開催してきました。それまでほとんどセッションに参加したことがなかったのですが皆さんの演奏を聴いたり自分が演奏してみてこんな事を感じました。
初心者も参加できるがそれなりに準備は必要
レベルの高低は少なくとも当店では不問ですし、私(ボーカルとトロンボーンを勉強中)のように不慣れでもホストの方がサポートして下さいます。但しはじめましての方々と演奏するにはやはり演奏が成り立つくらいの最低限の技術と知識は必要です。私はボーカルを小林ゆうこ先生に、理論をいつもセッションホストをして下さる小林道夫先生に師事しています。こういったプロの方に最初の手ほどきを受けると安心して間違いない知識を身につけることができます。
心配なら見学やリスナーとして参加してみて自分に合うかチェックしてみる
私も他のセッション会場ではだいたい初回は見学から入っています。受付の仕方や料金システム、楽譜を準備する方法、皆さんの立ち回り、お店やホストの方の雰囲気なんかを実際見て「よし次は私もやってみようかな」と思ったらセッションデビューのタイミングです!私は6〜7年かかってやっとこの辺りです(笑)一見さんを寄せ付けない雰囲気のところや極端に厳しく演奏の未熟さを指摘する所なんかは私は苦手です。当店ではできるだけそうならないよう努めていますし小林道夫先生の盛り上げに笑い声が絶えない雰囲気です。なのに一旦演奏が始まると誰もが羨む素敵な演奏をされます。
セッションは語学教室のフリートーキングに似ている
結婚して盛岡に来てすぐの頃、勉強した英語を忘れないように某語学教室のフリートーキングというシステムをよく利用していました。英会話を練習したい人達が教室に集まりネイティブの先生が1人入ってくれます。まだあまり話せない人も流暢な方もレベルは関係ありません。先生は会話を主導して基本指導はしませんが時には助け舟を出してくれます。英会話を勉強し始めたばかりの人は度胸試しにトライしたり、話したいトピックの単語やイディオムを予習して臨む中級者さんもいたり、上級者はネイティブのスピードや言い回しを掴むための練習をしたり初心者のサポートをしたりして会話を楽しんでいました。それを音で成立させるのがジャズセッションかなと思います。語学教室でもフリートーキングの教室の扉を開けるには勇気が要りました。「自分だけ会話に入れなかったらどうしよう」「上級者が怖い人達だったらどうしよう」でも勇気を出して参加した皆さんは本当に上達していましたね。現時点で自分の頭の辞書にある単語や文章で相手に伝える努力をし、他の人や先生が話すことをよく聞いて「そうやって言うんだ〜」とか「今度その言い回し真似して使ってみよう」という発見をして小さな挫折と成功体験を繰り返す。ジャズセッションなら現時点で自分が習得したものを実際の演奏でやってみて、上手くいかなくて心折れたところを練習したり、他の参加者さんやホストの方の「ちょっと今の素敵なフレーズ、それどうやったの?」を真似してみたり、前回できなかったところが上手く行って自信になったり。私はお店側の人間なのであまり演奏はできませんが厨房で聴こえてくる音を楽しんだり勉強にもなっています。
音楽仲間が増える
遠方からのご参加もありますが、ほとんど地元の方が参加されています。演奏の合間や休憩時間に皆さん楽しそうにお話されていますし、セッションが終了して片付けが始まってもまだまだ話は尽きないご様子です。今後ジャズの演奏を楽しんでいくには独奏というシチュエーションは少なくおそらく誰かと一緒に演奏していくことになるので、セッション会場で知り合ったご縁は財産になると思います。もちろん交流を強制する訳ではありません。演奏することを楽しんで、お好きなものを飲んで召し上がってさらっと帰られても全く問題ありません。
年が明けると当店はゲストハウス開業に向けて大忙しになります。私も主人である社長も忙殺されると思いますが頻度は減ってもできるだけセッション開催を続けていきたいと思いますので岩手県のジャズプレイヤーの皆様、また岩手にご縁があってご来店頂く県外の皆様、今後ともCafe Bambooを宜しくお願い致します。