善を勧めず。善を勧めれば則ち人間《ジンカン》を損なう。
この記事のタイトルは『孟子』離婁章句上の一八、換え子教育を説く孟子の言葉の結び『父子之間不責善、責善則離、離則不祥莫大焉』を改変した言葉で、2018年に綴った3本の評論を見直して自己を振り返り、改めて付けました。
私は、文月葉月の名で雑駁なWeb小説を書いているアマチュアです。
ニヒリズムなのかと問われると、その通りだと思います。しかし、自由・放任主義かというと、むしろ哲学者の真似事を試みるくらいに公徳を大事に思っているつもりです。次世代、次々世代のinnocentを染め上げようと、余計な規範を押し付ける事に頭が一杯で、emptyな己の有り様を一切省みない輩、それらに対する怒りが私の原動力だと思ってます。
noteでコメント・応援するのに匿名で跡を残さぬよう、このアカウントを取得しました。また、自分のパーソナリティ・スタンスを明らかにした方が良いだろうと思い、3本の評論を改題・修正して、順次このnoteに上げることに決めた次第です。
1、【道徳を勧めない】
2018年、6月にまとめた2本目の評論に当たります。かつて道徳教科書に載っていた『バナナはおやつに入りますか?』を取り上げ、道徳教育を議論します。
1. 教科化以前の道徳は役に立たなかったのか?
2. オリジナルの『バナナはおやつに入りますか?』覚え書き
3. 現代版アレンジの意図について
4. 果たして『考え、議論する道徳』となるか、それとも『空気を読み、沈黙する道徳』のままか?むしろ『「お上」を慮り、忖度する道徳』への後押しとなってしまうのか?
5. 今後の道徳教育の在り方について
2、【賢母を勧めない】
2018年、7月から11月にかけてまとめた3本目の評論。
『次郎物語』を軸に親子関係を考えます。
1. イントロダクションと『次郎物語』の穿った見方:良妻賢母思想に踊らされた母、お民
2. 『おおかみこどもの雨と雪』評:花は賢母に描かれてるか、それとも愚母に描かれてるか。
3. 『バケモノの子』評:ミラーリングによって築かれる関係
4. 『生かす』の落とし穴。『殺さない』ために心掛ける3つの『不断の努力』
5. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の1
6. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の2
7. 子供が[アイデンティティの確立]するために
8. 敢えて考える。勧めるべき3つの『親の礼』:選択肢の3
9. 『ここにいる』と言えない者たち
3、【恋愛を勧めない】
2018年、5月18日にまとめた1本目の評論。
高畑勲監督『かぐや姫の物語』評です。
1. 前置:私の高畑勲論『居場所を作る物語』と『居場所がない者の物語』
2. カイロスを逃してしまった姫:少女のまま生き、人間の世界に馴染めず苦しむ。
3. 姫の救いは何だろうか?
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