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一方通行なデザインにもやっとすること

乗り物全般が好きだ。鉄道でも飛行機でも自動車、犬ぞりなんでも。

すごく対象物を愛でたり熱く語るマニアではないのだけど、何かに乗って移動すること自体が好きなのだ。

とはいえ、最近は好きで乗り物に乗ってるのが半分、ふつうに移動手段として乗り物に乗ってるのが半分。

僕が移り住んだ信州・長野県は電車も一応あるけど基本、クルマがないと生活がリアルに不便だ。

コンビニにもクルマで行くよとか言うと、都市部ならどこの怠惰な貴族だよと思われてしまうけど、こっちでは徒歩でコンビニに行けるほうが貴族だ。

さらに、冬は道路が凍みる(凍結しててらってらのツルッツルになるのをそう言います)し、北信ほどではないけど雪も積もるときは積もるのでクルマも4WD(前輪後輪全部に駆動力を伝えて悪路走行できる)がまあまあデフォルト。

というところに移り住んだので、なんか、自然にクルマのこと気にする比重が増えるわけですよ。東京に住んでたころは、そこまでじゃなかった。

どちらかというと、銀座線のレトロ特別仕様車(90年前の仕様を再現した車両)になかなか当たらないなとか思ってたぐらい。

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で、最近はクルマの未来とかも考えることがある(僕が考えても仕方ないんだけど)。日本のクルマデザインはどこに向かってるんだろうなとか。

そんな中で、「うわ」と思ったのが三菱自動車さんだ。

三菱自動車さんが出している『デリカD:5』というクルマ。これがミニバンでありながら悪路も走れる4WDというなかなか希少な車種で、これもなくはないかなと思ってたら、ビッグマイナーチェンジして顔も整形したよ!とリリースが来たのが去年の末。

その昔、自動車系メディアの仕事をしてたこともあって、なんとなくリリースが届いたりするのだ。

そのデザインがなんとも言えない感じだった。

ビフォー


アフター

忖度したなと思った。どう見たって何を理由をつけたってオラオラ系なアルベルへの意識まんまんだろう。

ミニバンカーストで言えばアルベルが、売り上げも含めて上位なのかもしれないけどそこに寄せてどうしたいのか。せっかく『デリカD:5』にしかない顔と立ち位置があったのに。

もちろん技術的にはいろいろ革新されてるところもいっぱいあって進化している。新型いいじゃんと思う人だっていると思う。
だけど、顔。エクステリアデザイン……。

これまでの『デリカD:5』ユーザーとの関係性(結構独特だと思う)をばっさり切り捨てた方向性はチャレンジャーとも言えるけど、どうなんだろう。

ユーザーとの関係性を深めながら育てて進化させていくナラティブなデザイン(広い意味で)の方向性も生まれている一方で、こんなふうにまだまだ一方通行のデザインもある。

僕は自動車専門家でもないので、まあただの個人的な感覚でしかないのだけど「こういうふうにしないと売れない」がすごく伝わってきて、それがなんとももやっとするのだ。

その「もやっと」は、自動車に限らず書籍の世界にだってあるのだけど。

※ガソリン車は旧タイプも併売されるようです