アレクサ!取材に行ってきて
もはやこの冬が異常なのかどうなのかもよくわからない。
お天気の話でもなくて仕事のスケジュールだとかいろいろなこと。平常運転じゃないのは確かだ。
こうなったらAIを活用するしかないな。いや、いまもお世話になってる種々のツールのバックグラウンドではAIのエンジンが使われてたりするけど、もっとこう直接的なやつ。
たとえばAIライター。
取材もAIにお願いする。取材先の基本データを与えて、取材質問事項も設定して取材、インタビューに行ってもらう。
もちろん相手の話は自動的にディクテーションされる。構成がわりとかっちり決まってる原稿なら、ほぼほぼそれでできそうだ。
ただ、物理的なインターフェースをどうするかというのはある。
スマートスピーカーみたいなのから取材されても、人はあまり気分が乗らないかもしれない。やっぱり何か「AIりんな」みたいな設定はあったほうがいいんだろうか。
でも「AIりんな」たまに暴走するからな。
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だけど真面目に考えると、「AIりんな」もわりと「学習」された暴走をちゃんとできるからそれなりに使われてるんだと思う。
もし、まったくそういうのが何もなくて、だいたい想定できるとおりのやりとりに終始してたらたぶんユーザーも何か物足りなくてつまらない。最初は珍しくてすぐ飽きる。そういうサービス結構あるけど。
人間同士のやりとりがおもしろいのは、突然、想定外のところに脱線して、でもそれが最終的には回収されることがあるからだ。
取材だってそうだよなと思う。
不思議に話が脱線したときに、実は本質的なものにもつながる鉱脈にぶつかったりする。
これも、おもしろいのだけど取材中にいい感じに脱線するとき(いい脱線と原稿が事故る脱線があるのだけど、その話はまたどこかで)、なんていうかお互いに「共犯関係」が生まれる。
口にはしないけど、わかる。この場だけの小さな特別を共有するために、ちょっといつもは開けない扉を開けるのだ。
その「開けていい瞬間」は、言語化が難しい。当事者同士にしかわからない。
そこを察知して、あえて逸れた質問をするとだいたい思わぬ拡がりをして、結果的にインタビュー全体の味わいとか深みを作り出すことも多い。原稿ももちろんおもしろくなる。
AIにそれができるんだろうか? わからないけどそのうちできるんだろうな。
そしたら取材に行ってもらったAIが気に入られて、AIに仕事を発注されるかもしれない。で、AIが今度は忙しくなって僕を使うのだ。「ちょっとコンビニでごはん買ってきて」とか。
AIってご飯食べるのだろうか。よくわからないけど、AIが仕事してくれるのだからコンビニにだって行く。ツナマヨのおにぎりとかでいいのかな。
僕は適当に買ったごはんをAIに渡す。AIは嘘みたいな速さで原稿をどんどんアップしていく。そのうちAIは他のAIを連れてくる。そのほうがもっと仕事が速く進むらしい。
僕はすっかりやることがなくなる。コンビニだってAIが宅配を頼むようになったから。
この頃は窓の向こうのビルをぼんやり眺めながら、ライターの仕事って何だっけなと考えている。