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職業が認識されない問題

仕事なにやってるの? と聞かれて〇〇ですとか、〇〇関係すねというやりとり、たまにありますよね。

まあ最近は相手の職業を聞くのは、まあまあ個人情報的なあれとか、そういうの聞かれるの面倒くさい風潮もあるので「ないよ」という人もいると思うのですが。

僕の場合は東京から信州の村に移り住み、フリーランスのライターをしてることもあって、結構聞かれること多いです。

とくに村だと年輩の方以外のメンズで昼間に存在してるのって若手農家男子を除けば、ほぼいない。なので、僕とかが用事があって村のおばさま方のところに初めて伺うと、だいたい「仕事なにやってるだ?」という話に。

そりゃ、まあ昼間に仕事っぽくない格好でふつうに訪ねてくるから、どういう職業なんだろうって思いますよね。

不躾な質問に聞こえるかもしれないんですが、べつに嫌な感じじゃないのも不思議。それと、向こうは僕のことを知っててこっちは「はじめまして」なシチュエーションも村暮らしあるあるなので、余計に「あー、東京から来たふみぐらさん」という流れで、自然に「仕事なにやってるだ?」になるわけです。

で、だいたい「文章書いてますね」「ライターやってます」「主に本の原稿を」とか、なんとなく相手に合わせて答えるんですが、これがまあすんなりとは通じない。

相手の顔にわかりやすいぐらい「?」が浮かんで、それでも「どこでやってるだ?」とさらに質問が来るので「家でやってますね。半分、仕事場なので」と答えると、なぜか「パソコンか?」という問いに。

ライターの認識はされなくても、なんとなく「家でやる仕事=パソコンの仕事」という流れはあるんです。

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そのあと「それで食っていけるだか?」という質問もお約束。これも、世の中的には「結構、失礼な質問」カテゴリに入るかもしれないんですが、個人的には、そりゃ思うよなぁと。

もちろん、100%パソコンの前に座って完結するわけじゃなく取材や打ち合わせにも行かないと本はつくれないのだけど、べつに相手もそこまで仕事の中身が知りたいわけじゃない。

ごく純粋に、会社に勤めているわけでもなく、パソコンの前に向かってお金が入ってくるイメージがないから「それで食っていけるだか?」になると思うんですよ。

まだライターは、職業の中でも説明しやすい類ですよね。世の中には、もっと勤めてるわけじゃなくても成り立つ職業って存在していて、他人に説明するのが難しいものはたくさんあるわけで。

だいたい、ふつうはその職業の周辺の人とのコミュニケーションだから、お互いにいちいち、自分の職業を説明しなくても「わかってる」という暗黙の了解があります。

このnoteでも「ライターとは」みたいな前提なしでも認識される。だけど、それって本当は当たり前じゃないんですよね。

        
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この前も、あるところ(小さな事務所)でやっぱりライターが通じなくて「パソコンの人」という認識になりました。

「そっか、一日中パソコンの前にいるだか。そんじゃ詳しいな。ちょうどよかった。ちょっと見てもらいてぇんだ。これな、印刷したら1枚でいいのに4枚出る。どうしてだ?」

え? と思ってると「入って座って」とパソコンの前に拉致られることに。えっと、僕、ライターなんですけど。しかも見せられてるのが、どこかの会社向けの数字が入った帳票。

コンプライアンス、セキュリティポリシー、個人情報……。思わず頭の中をいろいろよぎったけど、そういうことじゃないんですよね。この状況の最適解は。

なのでなぜかライターなのに「パソコンの人」になって、大丈夫な範囲で設定をいじって対応しました。

まあ、おもしろいっちゃそうなんだけど、地方暮らしで「なかなか、この職業認識してもらえないんだよね」というケース、きっといろいろありそうですね。