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ライターがときめかない片づけの魔法
突然だけど流行りにあまり興味がない。
一応、知ってはいるけどぐらいの感じだ。話に乗ることはできる。けど流行りそのものに自分も乗っかろうとは思わない。職業的にいいのか悪いのか。
あえて言うなら、みんなが何かを始める流行じゃなくて、みんなが何かを「しなくなる」流行りのほうが気になる。
自分のやってたことなのに周りがやらなくなったら自分もやめるって何なのだろう。不思議だ。
みんなって誰だよという定義の問題もあるけど、それは置いといて。
「みんなが何かを一斉に始めてる」のは関心がないというより、その気配を察知したら少し離れる。適度に自分で「考えられる」距離感でいたいからだ。
考える余裕もなく何かに呑み込まれるように行動するのは好きじゃない。
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もの書きの業界近辺でもミニマリストの流行りが来た。雑然とした空間は流行らないのだ。けれど、資料や本をバッサバサ捨ててクラウド空間に納めてすっきりもしなかった。
なんだろう。物理的に「在る」ことで潜在意識のどこかにインデックスされて、あるとき「そういえば」というスパークル・ジョイが発生するからだ。
瞬間的に思いついたテキストと仕事場に突っ込んだ資料の断片が結びついたとき、なんとも言えないもの書きの愉しさが生まれる。
物理的になくしてしまうと、本当に潜在意識からも消滅してしまって何も起こらない。ライターがときめかない片づけの魔法になってしまう。少なくとも僕の場合はだけど。