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素敵な商品と交換しませんか?

職業的にメールをよく使う。送ったり送られたり。ええと、通じてますでしょうか? TwitterのDMでもSNSやチャットツールのメッセージでもなくインターネットのメール。

メール文化ってまだあるのか、貴重な存在なのか、よくわからない。ただ出版業界では2019年現在もあたり前に使われてる。

お盆とか世の中が長めの連休に入ると、行き交うメールの数が減るので「ああ、世間は休みなんだな」と実感するのがいとをかしくもあるんだけど。

メール文化で独特だなと思うのは(いまさら)《件名》がくっついてることだ。

これって、よく考えたらふしぎ。ダイレクトに相手にメッセージする文化では、件名の概念が形骸化してるし、むしろ面倒くさいと思われてる。

アナログな手紙やはがきの世界でも「件名」を付けることはなかったと思うし、なぜメールの世界だけ《件名》がデフォルトなんだろうか。

まあ、これは「電子メール(E-mail)なんか懐かしい響きだな」の、そもそもの成り立ちとか仕組みな話が絡んでくるので、そういうものとしてメール黎明期につくられたということなんだろう。

メールがやりとりされるとき、メールの外見からはわからないヘッダーフィールドと呼ばれる付属の情報(何時何分に作成され、どこを経由してきたとか)がメールにくっ付いて来て、その中にSubjectという項目があるからメールには「件名」がついてる。ざっくりいうと、そういうことになる。

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出来のよくない夏休みの自由研究みたいに逸れてしまったけど、なんでそんな話をしてるのか。

送られてきたメールで送信者と件名を流し見て「緊急度」「重要度」をだいたい判別するからだ。原稿の手を止めてでも対応すべきメールなのか、少しあとからでもいいのか。

いちいち全部のメールをその都度読みこんでるとさすがに効率が悪すぎる。

で、今日みたいにメールの流れが穏やかな日にこんなのが来る。

《件名》素敵な商品と交換しませんか?

スパム(迷惑メール)ではない。あるポイントサービスから送られてきたメールだ。これは緊急で重要だろう。すぐ中身を確かめないと。

だけど、素敵な商品。そんなものがあるのか。いや、あるんだろうな。僕が知らないだけで。

仕方ないからメールを開く。ファーストビューで飛び込んできたのは「タルタルソースセット」だった。素敵―――!!!なんだろうか?

いや、タルタルソース嫌いじゃないけど。素敵な商品か? というとすごく微妙なところだ。なんじゃこりゃ、というほどひどくもないし、やべぇこれとなるほどじゃない。

まあべつに、すごく期待したわけでもないしいいんだけど、じゃあいったい何だったら「素敵な商品」だったのかがわからないのだ。メールの件名は奥深い。