情報を知りたいのか、その人を知りたいのか
ぼくが好きな人は、どちらかというとアマノジャクな傾向を持ってる気がする。天邪鬼。漢字にすると、なんかキメ……あれっぽいけど。
みんなが「いい」と評判になってるものがあれば、違うものを探したり、すごい流れになってると、そこに乗らずにわざわざ脇道に逸れたり。
だからって何でも否定したり斜めに見てるわけでもなくて、すごく純粋な部分も持ってて。そういう人と接してると、なんだか心地がいい。
まあ、自分もそういう性質を持ってるからかもしれないんだけど、ぼくの場合はそこまで自分で自分に心地よくはない。
なんだろう。その人たちは自然なのだ。Nature.
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いきなり変なところに飛ぶのは、ぼくの良くないところだとわかってるけど。少なくとも帰納法的に科学的に結論を導き出すのに向いてない。
まあだけど、人は科学的な存在ではなく自然物だから。
自然にはいい悪いの概念がない。マウント取る必要もない。富士山が安達太良山にマウント取ってもしょうがない。
自然な人は何がちがうんだろう。つらつら考えてて「情報」が少ないんだと思った。
いや、すごくいい情報を発信してる人もいる。そういう意味での情報じゃなくて。
なんだろう。発信してる情報以上に「その人」の魅力がある。周りがどうとかどうでもよくて、常に「その人」でいる。
だからその人が発するのは「情報」ではなく「その人のことば」だ。
情報だけの人は(botでもないかぎり本来そんな人はいない)新しい情報に上書きされて埋もれていくけど、「その人」はずっと残る。
いま仕込んでる本の中で、結局ぼくらは「情報」を知りたいのか「その人」を知りたいのかの話もしてるのだけど、答えは出てるんだろう。
★note同人誌マガジン『東京嫌い』
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林伸次(BAR BOSSA)
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