フリーランスは終身雇用である
たまにフリーランスっていつまでフリーランスなの? という話が降ってくる。あるいはフリーランスだから不本意な異動とかなくていいねとか。
いわゆる定年や人事という概念がフリーランスにはない。あたりまえだけど。
外資系の話を聞いてるとアメリカとかだとレイヤーによってはがっつりエージェントが噛んでたり、マッチングのプラットフォームが機能してて、フリーランスといいつつ結構「何かに委ねられてる」要素も強かったりするのだけど、日本のフリーランスはまだそこまで機能化されてない。
フリーランスも機能化されると極端に言えば「定年」とか「異動」みたいなのも出て来るんだけど、それはまた別の話。
アスリート的なフリーランスだと体を使って生み出せるパフォーマンスの逓減問題がある。30代、40代と進むにつれ現役でいられる割合は減る。
いやアスリートに限らない。僕みたいなライターやデザイナー、エンジニアもフリーランスでいつまでいられるのか問題はある。
本来、フリーランスに雇用の概念はないのだからいつまでなんて関係ないのどけど、そこには需要の問題が別にある。
本人がいくらフリーランスとして現役でも、仕事の市場で需要がなくなればいられない。
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フリーランスは市場に雇用されている。としたら結局は終身雇用と同じ課題にさらされる。歳(キャリア)を重ねるにつれ求められるものとのギャップも出てくるし、そこに対応できなければちがうレイヤーに自分を持っていかないといけない。
組織に所属していたら、本位不本意こそあれ誰かがその人のポジションと役割、KPIなんかの評価指標を規定する。そこで期待値の範囲ならそのポジションにとどまることができる。
フリーランスの場合、組織にこそ属さないけれどそれが市場というかたちに拡張されただけで、どこかではポジションや役割、評価指標も規定されるのだ。ただ、自分がそこでどんなふうにレーティングされてるのかその数字やデータが見える化されてないだけで。
フリーランスは自分で自分を辞めさせない限り終身雇用という考え方もできるし、需要がなくなってしまわないかぎり市場に終身雇用されてる考え方もできる。
いや、むしろ組織にいるより自分の終身雇用についてちゃんと考えないといけないんだろうな。鬼忙しくても(自戒)。