成功が終わる
本を書く仕事してると、世の中の大きな流れがなんとなく見える。というか感じる。
目の前はこんな感じだけど、全体の大きな方向性としてはこっちに向かってるなというもの。いわゆる大局観とか呼ばれるやつ。
素早い流れはウェブメディアなんかに関わってるほうがつかめる。書籍メディアにスピード感はそこまでない。
その代わり、ゆっくりでも確実にこういう方向に向かってるなというのはよくわかる。
書籍の世界はすぐに動かない、スピード感はない。だからコロコロ変わってしまう事象にあまり左右されず、でも確実にこう動いていくなというものが見えるのだ。逆説ですね。
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で、最近感じてる大きな流れが「成功の時代」が終わりつつあるなというもの。
まあこれも誤解招きやすいのだけど。
ここでいう「成功の時代」は、とにかく何か成功することが目的、ゴールでそのためにビジネスモデルだったり何かの手段をみんな探してる状態。
「成功者になりたいんすよねー」という、ざらっとしてふわっとしたあの空気感。やることは何でもいいんですよ成功できれば。そんな話をしてる人たちが減ってきてる。そういう本もさすがに、もういいだろになってる。
すごく雑に言えば、成功思考とか成功アティチュードが「お金になる話」「手っ取り早く評価されそうな話」をどこからか引き寄せてくる。
そこの成功の指標は、誰からも分かりやすいものでないと駄目なのでどうしても、儲けとかランキング、フォロワーとか定量的なものになるし、当然、競争の世界にどっぷりになる。
何者かになりたい現象も少し似てるかもしれない。
何者かになりたいの「何者か」は、自分がこうであればいいと自分で決めるものじゃなく、他者の評価にさらされ他者から「すごいですね」とか言われて、何者かになることが成功する。
そういうのも、もういい。成功の時代、何者かになる時代を抜けて、つぎにどういう時代(べつに時代でとらえる必要もないのだけど)に移っていくのか。
いろんな人のnoteを眺めたり読んだり、そこからの思考を誰かと話してると、なんとなく見えてくる。