ずっと忘れられないこと
こんにちは、ひじき茶々です。
僕には、もう何年も経っているのに、引っかかっている言葉がある。
それは、とある日。家族でいつも行く温泉地より少し遠くの温泉地へ羽を伸ばしに行った時だった。
体を洗ってから、温泉に浸かっていた。
ぼうっと、たくさんの人達が入る様子を様子を眺めていた。特に何も考えていなかった。
お風呂に入りに来た方が、タオルをお風呂に浸からせているのを見て、「珍しいなぁ」なんて思っていたら、
唐突にそのかたに話しかけられた。
僕はその時、ほぼのぼせていたので、たいした会話はしていなかったけど。
「肩胸をね、切除したの」
「乳がんで・・・・・・」
「恥ずかしかったんだけど、家のお風呂でいいって言ったんだけど」
「息子に誘われて、恥ずかしかったしいやだったんだけど、やっぱり大きいお風呂はいいね」
そんな話をしてくれて。
僕はなんて声掛けたらいいかわからず、ただ頷いていて、でも、そのシーンはずっと残っている。
当時は、乳がんって言葉さえあまり知らなくて、正直ピンときていなかった。
でも、心のどこかで残っていたその言葉たち。
誰もが理想とする世界を作ろうしていた、その頃。
今はまた別の視点で。
でも、やっぱり答えは出ない。
こういうことって、色んなことで沢山あるんだと思った。
乳がんに限らず。普通だと思っていた「当たり前」が、ある意味崩れた瞬間で、僕にとっての「当たり前」は、違う人になったら、また違う「当たり前」
あのころ会った、その人を含めて、様々な人達に合う「居場所」を作りたいなって願った当時。
居場所が沢山あれば、きっと、人は生きていけると思う。
出来るなら、お互いを尊重できる。そんな居場所。
小さな世界。
僕は、作りたい。さまざまな視点を持った様々な人達に、たくさんの居場所を。