「ご注文はうさぎですか?」を語る
通称:ごちうさ
他の人たちはどうか知らないけど、僕の過ち人生と共に聞いてほしい。
僕が、ごちうさと出会ったのと「萌え絵」気持ち悪いという声をきいたのは、ほぼ同時くらいだった。
なにげなく見かけた、本屋の棚。そこにごちうさはあったんだ。
でも、当時のクラスメイトはオタク文化を侮辱するような人が多かった。
陰口がかさなる日々。アニメ気持ち悪いとか。しょっちゅう聞いてた。
だから、「可愛いな」って思ったその本を私は、取る勇気がなかった。
一瞬しか人生で巡り合わないようなクラスメイトが怖かったから。
でも、ひょんなことで、僕は高校を中退?からの死にかけになった。無事退院してから、自由に出歩けるようになって、忘れかけていた「ごちうさ」に出会うんだ。
本屋で。
最初は凄くこわかった。手が震えて、店員さんに売りません!って言われることまで想像した。でも、そんなことはなくて、あっけなく購入した。
家に帰るまでずっとドキドキしていた。緊張で心臓が出てしまいそうなくらいに。もう、誰も私を笑う人はいないのに。おかしいよね。
部屋に帰ってきて、1ページずつゆっくりめくっていったんだ。
早く手に取っていたかった。なんて思うように、ページ1つずつが輝いて見えた。
主人公のココアさん。ココアさんの下宿先の娘さん チノさん
ココアさんが道に迷ったときに偶然であった同級生の千夜さん。
ラビットハウス(ココアさんの下宿先で、チノさんのおじいちゃんがマスターをやっていた喫茶店)のアルバイトさん、ココアさんと1つ年上のリゼさん
リゼさんと同じ高校で、一年後輩。アルバイトたくさんやっている、シャロさん。
チノちゃんと同級生で、幼馴染の2人。マヤさん、メグさん。
僕ね、学生時代を思い出そうとすると、真っ黒な炭みたいに黒々とした気持ちになるんだけど。
輝かしい。むしろ尊かったんだ。
みんながみんなを尊重して、1人でも……皆が周りにいてもいなくても、こころが寂しくないように。みんなと繋がっているって感じられる関係性に、巻数を追うごとになっていて。
初めて1巻買った時と最新刊を読んでいる時。気持ちは少しずつ変わっていくけど。
1巻読んでいた時、泣いたんだ。こんな関係いいなぁ。って。うらやましくて。楽しそうで。あたたかくて。
「生きてていいんだよ」
って言われてるように感じたんだ。
「君にはいつかこんな友達ができるよ」って言われてる気持ちになった。
救われたんだよね、ごちうさに。
買って、よむことで。救われていったんだ。
次巻が楽しみだなあって思ってさ、またなかよしなんだろうって、それがうれしくて。私はいまだに、そうなれたかはわからないけど
ごちうさ。みたいな日々を疑似体験してるんだと思う。
こういう風になるには、どうしたらいいんだろう。とか、今日はココアさんテイストで行動してみようかな。とか。
少しずつ前を向ける日々になったのは、きっと「ご注文はうさぎですか?」が大きな1つのきっかけだったのかも。
ありがとう。そして、10周年おめでとうございます。