一枚のチケットの向こう側に見えた景色が改めて思い出させてくれた大切なこと。
「お前の価値は、お前の周りにどんな奴がいるかで決まるんだ!お前はそんな奴らと出会えたか?」
今からちょうど3年前、大学卒業を控えた自分に、彼は言った。ギラギラした目つきで長身に細めの体格。スポーツ教育学ゼミの教授だ。約3年間、講義には出るけど教授とあまりコミュニケーションを取っていなかった自分に、大学生活をしっかりと送ってるのかを心配してそう言ってきたのだろう。
大学時代、僕は長期休みのほとんどは海外に飛び立ち、学期の間は違う学部や他大学の友達とばっかり会っていた。
その時の仲間とは
タイの山間民族と3週間生活を共にしたり、
フィリピン・マニラの殺人率が半端ないストリートにある移動式屋台で20ペソの飯を食べながら知らないおっちゃんから過去の栄光を聞いたり、
タイとカンボジアの国境にあるプレアヴィヒアでこれからのビジョンを考えて語り合ったり、
カンボジアの子供達のために幸せ溢れる時空間を創ったり、
まだまだここに書ききれないほどの様々経験をしてきた。
実際、仲間と出会い、その積み上げてきた時間が、それはそれは一秒一秒刺激的で僕の19年間の価値観・人生観を根底から変えてくれたことは間違いなかった。
「先生、もちろんです!」
そういって僕は九州に飛び立ち、小学校の教員になった。
教員生活1年目が終わろうとしていた時、僕の周りは学校と子供たちと教育書になっていた。子供のために全力で取り組む日々。終わって欲しくないと思う1日、正直早く終わってくれないかなーとかと思ってしまう1日。色んな1日があったれど子供の可能性に直面するからそれでも刺激的な日々だった。
ただ、ふと気がつくと僕の周りは僕を高めてくれる仲間から目の前の仕事になっていた。教師としては少しずつ一人前になっているけれど、仲間と語った人生のビジョンに沢山の埃がかぶっていた。もちろん、目の前の仕事に迸る情熱を持って仕事をするのは大前提だけど、教師という職業にとことん向き合うのと並行して自分の人生を置いてきぼりにしてはいけないなという気持ちに駆られた。
それから1年半、僕は仲間の誘いもあって100日を100人で作り上げるミュージカルプログラムに2度参加し、ビジョンや想いが溢れる人々との日々を過ごしてきた。
そして昨日。昨年11月に合宿を共にした東京メンバーのミュージカル本番公演を観に行ってきた。
仕事をやめ次の人生を歩もうとしている人、医療の現場で頑張っている人、日本一周をしている人、会社員しながら自分の趣味に没頭している人、子供たちに日々向き合う人。皆に共通しているのが、人生のビジョンを持ち、主体的に自分の人生を歩んでいる人だ。
本来だったら出会えなかったであろう素敵な人たちと出会うことができた。
自分の足で立ち、真っ直ぐな立ち振る舞いをしている彼ら彼女らを見て、思わず目頭が熱くなった。
そしてその時、あの言葉を思い出した。
「お前の価値は、お前の周りにどんな奴がいるかで決まるんだ!お前はそんな奴らと出会えたか?」
今日の自分もこう答える。
先生、もちろんです!
僕は素敵な人達に出会えて、沢山のパワーを貰った。出逢えたことに感謝していきたい。ありがとう。