女性の日によせて
木の実を集めたのは女性のみだったか
このところ、先史時代の女性の描かれ方が、中世以降の家父長制の影響を受けすぎていたのではないか…と言われることが多くなりました。
危険な狩場で発見された男性の人骨と思われていた骨が、実際は女性のものと分かったり、丁寧に埋葬された権力者の人骨が、実は女性の骨だと判明したり…。
女性の研究者が増えてきたという側面と、最近の科学の進歩ゆえに、ここ数年の間において、今までの価値観に変化が生まれています。
それはつまり、私たちが人類の歴史を語る上での、男女の役割を限定しすぎていたのではないかと示しています。
木の実を集めていたのは「女性のみ」と決めつけたのは誰だったのか?
もちろん狩猟よりも採集を担当していたのは性別で分ければ女性のほうが多かったかもしれません。しかし、そう限定して、先史時代の物語、イラスト、映画、テレビ番組が多く作られ過ぎていました。それは、ここ数百年の間の父権社会の影響下において定められてきた男女の役割が、色濃く反映されていたからでした。
私たちは、この思い込みを捨てて行かねばなりません。男性、女性の性差と役割について考え直すべき時期がきています。
何万年もの昔から、男性も女性も前を向いて未来へと歩んできたものの、男女それぞれの足跡の軌跡は、大きく遠く離れているように感じます。私たちは遠く離れ過ぎました。もう一度歩み寄るべきです。
遠い昔、私たちがまだ単細胞生物で雌雄が分かれていなかったころ。
生存のために性を分ける決断をしたのは「あなた(男性)」でもあり、「わたし(女性)」です。
今はもう、性別という括りもなしに、男性と女性とは、手を取り合い、ひとつの生命(いのち)として存在すべき時代がやってきたのだと感じます。
男女の新しい中庸を見出すための旅を続けていくことを、あきらめてはいけません。
先史時代の女性たちは、多くの可能性を持って生きていました。私たち現代の女性も同じです。
わたしたちが生み出すのは子供だけではありません。作品、活動、コミュニティ…(なんでも!)
この映画に登場する「縄文の女神」の踊りは、今を生きるすべての女の子の可能性を表現しています。
国際女性デーの銀座パレードへ
3月8日の国際女性デーのパレードに参加しました。
「映画を作る事によって、ジェンダー平等の実現を目指している女性たちもいる」のです❣️
【出演】
華月/鈴木美奈子
【取材】
東京都立埋蔵文化財調査センター
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