【🇨🇷#9】非日常が日常になる瞬間
年が明け、今週はコロナウィルスの影響で大学院のキャンパスが封鎖され、全面オンラインでの授業を受けています。
移動時間も少なくなり生活に少し余白ができたので、少しだけ、これまでの振り返りを。
始めの3ヶ月
2021年9月9日に日本を出発して、中米・コスタリカという地に到着してから4ヶ月が経過しました。
「留学は初めの3ヶ月が大変」という話はよく聞くけれど、本当にその通りだと感じたこの期間。
こちらに来るまでの留学のイメージは、大学院に通ってリサーチをして、指導担当の先生とコミュニケーションを取りながら知識を深めて、論文を書き上げる、というものでした。
でも、いざ留学先に来てみたら、当たり前といえば当たり前だけれど、
それ以外のことがたくさん起きていました。
交通機関の利用
スーパーでの買い物
銀行やATMでお金の引き出し
お金の管理
自炊、掃除など住環境の整理
クラスメイトとの関係性構築
大学内コミュニティでの活動
大家さんとの関係性構築
課題
友人と休日のお出かけ
レストランでの注文
スーパーではないマーケットで買い物
ひとりの時間
などなど。
これらが、わたしの場合は留学先がコスタリカなので、大学院内では英語、学外ではスペイン語でのコミュニケーションとなった。
アカデミック英語は渡航する前にオンラインでトレーニングがあったけれど、それでは間に合わないくらいに難しさを感じたし
最大の盲点だったスペイン語には、今も毎日悩まされている。
言語がうまく通じなくてもコミュニケーションは取れるし、今の時代、ジェスチャーやGoogle翻訳などを駆使すれば思いは伝わる。
もちろんそうなんだけれど、恐らくその次の段階で、やっぱりその土地の言語が分かることって大事だと思うフェーズがくる。
その土地の言語が少しでもわかることは、現地の人とつながれたり、自分の意見を伝えられるということはもちろん、必要な情報を手に入れて、自分の身の安全を守ることにもつながる。
使いたい食材を買って、食べたい料理を作ることができる。
自分の症状にあった薬を手に入れて、体調管理をすることができる。
そして、まだまだできないなと思っていた英語に対しては、
「スペイン語よりはできる」という感覚に変わり
今まで持っていた英語に対する苦手意識が、いつの間にか薄れていたことに気づいたりもする。
もちろん大学院での勉強は、これとはまた別の大変さと葛藤があった。
自分が今まで深めたいと思っていたことを本当に学べているのか。
自分のレベルが、他のクラスメイトに劣っているのではないか。
今までの経験とここでの学びが、どうつながっていくのか。
卒業したらどんな事ができるだろうか。
こんな事を色々と考えながら、日々が過ぎていった。
毎日新しいことを体験して、失敗して、発見して。
本当にこの3ヶ月は、怒涛の留学生活の始まりでした。
海外の海外に行った感覚
そんな3ヶ月がすぎた頃、友人たちと中南米の旅行に出かけました。
日本から飛び出したわたしにとっては、
海外であるコスタリカの、そのまた外へ出た、不思議な感覚でした。
コロナウィルスによる各国への入国条件や制限がある中で
その条件をクリアして入国し、
海、山、市街を訪問し、現地の通貨を使い分け、
同じスペイン語圏内でも、異なる雰囲気や文化のカラフルさを体感した。
コロンビアとエクアドルでは、標高2500m以上の場所に降り立った時、人生初めての高山病も経験した。(病院に行くほどではないけれど体力的に結構辛い経験だった)
そんな、また怒涛のような2週間の、「海外の海外旅行」から
コスタリカの小さな町に戻ってきた時。
それはとてつもない安心感と、ホーム感を感じたのです。
いつもの通学路
スーパーへの道とパン屋さん
今まで使っていたコスタリカ通貨での買い物
見知った大家さんの顔
3ヶ月間住んでいた部屋
大学院内のカフェテリア
「あー、戻ってきたなあ」と感じて
今まで非日常だったコスタリカでの生活が
いつの間にか、日常になっていたことに気づいたのでした。
そして、この日常に戻ってきた時
自分が、とてつもなく貴重な経験をできているのだと気づき、
とてつもなく経験値が上がっているのだと実感したのです。
きっとこんな気づきや学びが、一人ひとりの留学生活の中に溢れていて、
こうして「日常」の幅を広げられることが、留学の醍醐味なのかもしれない。
前職で今までサポートしてきた、海外留学や研修に挑戦した何百人もの高校生、大学生たちと、日本への留学生の顔を思い浮かべながら
彼らは一人ひとり、どんな世界を見ていたんだろうと思いを馳せる。
そしてその思いがまた、これからのわたしのエネルギーに変わっていき
怒涛の日々を乗り越えていく力になっていく。
予定では、コスタリカ滞在はあと6ヶ月です。
この日常を忘れないように振り返りながら、でも前も向きながら
自分のやりたいことに正直に、進んでいきたいです。