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「ベトナム現代短編集2」
加藤栄 編訳 アジアの現代文芸 大同生命国際文化基金
読みかけの棚から
読みかけポイント:「楽しい映画作り」、「善良な殺人者」、「神がかった呪文」の3編。アジアの現代文芸シリーズ読み切ったことがない…
「楽しい映画作り」ポイント
1 ベトナム戦争のリアリティ。映画というフィクションと現実の戦争体験が直結する。
2 「演じる」ということ。「演じる」とは自分自身以外の何物かに身を投じるということであり、当人自身の自己はそれとは違うと自分は思っているが、他人にはその面が当人だと思われてしまう。参考「パンタレオン大尉と女たち」
3 コミュニティ解体もしくは変容。2のような人(例えばこの作品の主人公)は地域コミュニティから遊離しているように見える。そのような人々が増えていくにつれてコミュニティは解体していく。その解体の端緒を切り出した作品。既に解体してしまった日本からみればそれはノスタルジーに見えるが、そのノスタルジーには誘いの落とし穴が潜んでいて考え出すと二度と戻れないような気がする。
4 文体。南ベトナムの庶民的文体で書かれているというが、3の落とし穴感はそこに由来するのかも? 翻訳は文体感をうまく伝えているところとそうでないところがあるのか?
原作者グエン・ゴック・トゥは自分より年下の女性作家。
(2010 01/22)
「ベトナム現代小説短編集2」の中から2編読んだ。「善良な殺人者」 ライ・ヴァン・ロンと「神がかった呪文」ヴォー・ティ・ハーオ 。後者はベトナムの中ではやや前衛的風刺。これからこういう作品が増えていくのかどうか…
(2010 01/25)