「アルチュセール 認識論的切断」 今村仁司
現代思想の冒険者たち 講談社
読みかけの棚から
読みかけポイント:第1章のみ。
「アルチュセール全哲学」というタイトルで、2007年に講談社学術文庫になった…どこまで手が加わっているかは不明…
アルチュセールって文学批評、読みの哲学、それからエピステモロジーにとってもかなり重要?
(2019 03/10)
真空の哲学者
昨日は図書館でアルチュセールの講談社現代思想の冒険者たちを借りて、第1章を読んだ。文学批評の本読んでたら必要になってきそうで…
著者今村仁司氏はもちろんいろいろやっているけれど(この冒険者たちシリーズの監修者でもある)、一番アルチュセールに惹かれているらしく、この本の前に2冊もの解説本書いている。
その当時からこの本執筆時までにアルチュセールの遺構が、公に出版されている量を超えるくらい発表されてアルチュセール研究は新たな段階になったという。
第1章は彼が若い頃、ヘーゲルを論じた論文を中心に。カントの「物自体」とか「当為すべき」とかは根源がつかめなく、自分の外部に放り出したもの。ヘーゲルはそこに空いた真空を埋めるために弁証法に代表されるような運動を行うと考えた、と。この真空という概念、アルチュセールにとっては生涯つきまとい続けたものである、と今村氏は言う。
アルチュセールはカトリシズムとマルキシズムという相反するようなもの両方を熱心に信じた。この論文の頃にはカトリシズムの方とは訣別しつつあったのだが、妻となるエレーヌ(レジスタンスの闘士だったらしい)の影響もあり、入った共産党の方も後々距離を置くようになっていく。
(2019 03/11)