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「ビザンティン・ロシア思索の旅」 川又一英

山川出版社

アトス山風景


今日は図書館で借りてきたビザンティン・ロシア思索の旅をぽつりぽつり読んでいる。今のところ、何が「思索」なのかわからないが(笑)。
冒頭はギリシャのアトス半島への旅。知っている人も多いと思うが、このアトス半島というのは、ギリシャ正教の聖地で、現地の許可書がないと入れない…ところ。交通機関もごく一部にしかなく、許可を得た人は全ての修道院でもてなしてくれる為、お金が不用。一日は日没から始まり、暦も独特なものを使っている為、日時が他と違って来た当初は慣れない、という。
そんな桃源郷みたいなところの日常生活は、もちろん修道院だから祈りと労働の日々。夕べの祈り後の僅かな自由時間の静けさが印象的。
(2011 08/16)

ギリシャ正教世界修道院巡り


タイトルを標題のように変えた方がよさそうな「ビザンティン・ロシア思索の旅」。
今日はアトス半島内にあるセルビア正教修道院と、トラブソン、リラの僧院、キエフ…と、言ったところ。ユーゴスラビア内戦の時、ギリシャ義勇軍が正教仲間?のセルビア側についていた。また、ボスニアのムスリムはオスマンの支配下になった時に改宗したのだが、当時圧迫されていたボゴミール派の人々が多かった…というのが、自分的には重要発見かな?
あと、トラブソンのスメラ僧院や、ブルガリアのリラの僧院は行ったことがあるが(1994年)、何もわかってなかったなあ、と改めて認識。キエフもスズタリも含めて行ってみたいなあ…って、そればっかり(笑)。
ルーマニア・ブコヴィナ地方の僧院が外壁までフレスコ画に覆われているのは、黒海対岸の先行するスメラ僧院の影響らしい?著者は否定的見解でもあり、肯定的見解でもある(この本自体いろんな時期の連載を取りまとめたものらしいので、記述がばらばらなのもある程度は仕方ない)。
ボゴミール派のところはこの本の主要テーマではないからさらりと述べてあるだけなので、も少し突っ込みたい。
(2011 08/17)

とは、言っても、本の後半には、ドラキュラ紀行とかアルバニアのアリ・パシャ紀行とか、修道院とは関係ない話もあるので、ま、これでいいのかな?〉タイトル
(2011 08/18)

あなたは4時間立ち続けられますか?


さて、「ビザンティン・ロシア思索の旅」ロシア篇?はスズタリとプスコフ・ノブゴロド。スズタリがモスクワの北東、プスコフ・ノブゴロドがモスクワの北西にあたる。著者が強調してたのは、ロシアの教会には椅子がないこと。教会といわれて真っ先に浮かびがちな西欧カトリックの教会風景では木製だけど椅子がつきもの。だけどロシアでは椅子そのものがない。主要な大祭の祈りでは4時間くらいかかるのはザラ。
正教の教会風景として、煙の香(正式名忘れちゃった)を振り回すのと、モノフォニー(単旋律)の聖歌とともに、立ちっぱなしの祈りというのも付け加えておく。
そいえば、リラの僧院に行った時も椅子はなかったような…

16世紀後半の「英雄」?


ノブゴロドからドラキュラことヴラド公を経てアララト山まで。思ったけど、16世紀後半ってなんか狂信的為政者が共通して出て来ている。ノブゴロドの住民を全滅させ、プスコフの修道院の高徳な修道院長をも殺害したイヴァン雷帝。トルコの公使やザクセン商人なども串刺しにして自国の権益を守ったドラキュラ(この言葉は元はドラクラ「龍の子」という意味)。その他にも西欧の宗教改革や、日本の信長・秀吉の時代まで。
16世紀が近代の入口手前くらいだとすれば、20世紀は出口の時代。その一番顕著な現れなのがジェノサイドだけれど、オスマン朝末期のアルメニア人虐殺事件もその走りとして重要。内陸にあるヴァンの街はこの時破壊しつくされ、今は新ヴァンが近くにある。この辺りの歴史全然わからないのだけれど、アルメニア人って、ユダヤ民族的な要素あったのかな?
(2011 08/19)

アルメニアと黙示録の島とマールーラ

「ビザンティン・ロシア思索の旅」を読み終えた。
今日はアルメニアの続きと、パウロ黙示録の島パトモス、それからイエスが日常使っていたアラム語が今でも残っているシリアのマールーラという村。
アルメニアという民族も本国?以上国外にいるディアスポラな民族…カラヤンにアシュケナージにゲンズナブール…って、音楽強い?
黙示録の島では、パウロが当時の主要信仰だった地母神アルテミス神官や、キリスト教陣内での論争を経て、ギリシャ語とヘレニズム文化を利用し、ユダヤ律法を遵守する一派と袂を分かち世界宗教となる、という話。
マールーラでは、アラム語は文字はほとんど廃れてきていること、村の外出るとアラム語の伝承が難しくなること、教会の祈りの言葉もアラビア語であることなど。でもシリアもムスリムは85%…もっと多いと思っていた。アメリカ在住で里帰りしてきたおじさんと、女子修道院の静かな雰囲気が印象的…
(2011 08/21)

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